レースシーズン本格化を前にキナンサイクリングチームがアンチ・ドーピング研修会 アスリートの役割と責務を確認

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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真剣な表情で講義を聞く選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 国際自転車競技連合(UCI)コンチネンタルチーム、KINAN Cycling Team(キナンサイクリングチーム)は2月7日、和歌山県新宮市の株式会社キナン本社でアンチ・ドーピング研修会に出席した。日本アンチドーピング機構(JADA)ドーピング・コントロールオフィサーを講師に、アンチ・ドーピングの目的と責務を確認するとともに、アスリートとしてなすべき役割について考える機会となった。

禁止薬物から身を守るために

 第一線で活動するスポーツ選手ならば誰もが取り組むべきアンチ・ドーピング。自転車競技といえば、かつては悪質な薬物違反が後を絶たず、以前よりクリーンになったと言われる現在でもドーピングにかかる問題は山積みである。世界アンチ・ドーピング機関(WADA)が発表した競技別規則違反数では、いまだ上位にランクされているのが実情である。

 また、日本では他競技ながら薬物違反によって数カ月から数年の資格停止となる事例も発生しており、自転車競技においても、安全かどうか定かではない薬品や飲食物には手を出さないなど、日頃から意識的にアンチ・ドーピングに取り組むことが求められている。

株式会社キナン本社で行われたアンチ・ドーピング研修会 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースシーズンの本格化を前に行われたこの研修会には、キナンサイクリングチームと下部組織のキナンAACAから計7選手が出席。アスリートとして、アンチ・ドーピングの役割と責務についていま一度確認するとともに、禁止薬物から自身を守るためにどのように取り組んでいくべきかを学んだ。

 講師を務めたのは、JADAドーピング・コントロールオフィサーの堺繁樹氏。サッカー・Jリーグやバレーボール・Vプレミアリーグ、ラグビー・トップリーグなど、国内メジャースポーツのアンチ・ドーピング活動に従事しており、サイクルロードレースのドーピング・コントロールには携わっていないが、チームのメインスポンサーである株式会社キナンの社員である縁から指南役を務めることとなった。

講師を務めたJADAドーピング・コントロールオフィサーの堺繁樹氏 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 研修では、アンチ・ドーピング規則を守ることに加え、「アスリートの権利」について堺氏が説明。治療を目的とした禁止物質・禁止方法を使用する際の特例である「TUE」(治療使用特例)の申請方法や、禁止表国際基準にもとづく検索サイト「Global DRO」の利用、禁止薬物の知識に長けるスポーツファーマシストの活用など、自らの体に摂り入れるものに責任を持つための効率的な手立てについても触れた。

 また、UCI公認レースではステージ優勝者やリーダージャージ着用者のほか、ランダムに抽出された選手に義務が発生するドーピング・コントロールについても一連の流れをおさらい。「必要に応じてコーチやトレーナー、通訳などの同伴者とともに検査室へ行く」、「検査時に不審な点がないかを自分自身でしっかりとチェックする」といった点を意識づけるよう堺氏が説いた。

 研修終盤には次々と質問が出るなど、主体的にアンチ・ドーピングについて考えていく姿勢を見せた選手たち。スタッフを含め、チーム全体としてドーピングのないフェアなスポーツを実現するべく尽力するとともに、スポーツのコアバリューと精神を尊重し、正々堂々とレースへと挑む心構えを強くすることを誓った。

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