與那嶺恵理が31位完走シクロクロス世界選手権男子エリートはヴァンアールトが独走3連覇、女子はカントが優勝

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 UCI(国際自転車競技連合)シクロクロス世界選手権エリート男子が2月4日、オランダ・ファルケンブルグで開催され、ワウト・ヴァンアールト(ベルギー)が後続に2分以上の差をつけて独走勝利し、大会3連覇を飾った。同カテゴリーに出場した小坂光、竹之内悠はともに、同一周回での完走はならなかった。3日に開催された女子エリートはサンヌ・カント(ベルギー) が優勝。日本からは今井美穂と與那嶺恵理が出場し、與那嶺が31位で完走を果たした。 (レポート 武井きょうすけ)

シクロクロス世界選手権男子エリート表彰台。左から2位のマイケル・ファントーレンハウト(ベルギー)、優勝したワウト・ヴァンアールト(ベルギー)、3位だったマチュー・ファンデルプール(オランダ) Photo: Yuzuru SUNADA

日本人選手は7人が挑む

 世界選手権に挑んだ日本人選手は7人だ。男子ジュニアは村上功太郎、積田蓮、男子U23は織田聖が、女子エリートは全日本チャンプの今井と、同大会3位だった與那嶺、男子エリートは全日本王者の小坂と、海外経験豊富な竹之内がスタートラインへと並んだ。会場はクラシックレース「アムステル・ゴールド・レース」の名物坂としてなじみ深い「カウベルグ」のすぐ近く。1周2.9kmのコースは、激しい高低差やキャンバー、深い轍が特徴で、フィジカルとテクニックが同時に求められる高い難易度となった。

日本代表選手団。左から竹之内悠、村上功太郎、與那嶺恵理、今井美穂、小坂光、積田蓮、織田聖 Photo: Kyosuke TAKEI

ベルギー勢がワンツーフィニッシュ

ワウト・ヴァンアールト(ベルギー)が先行し、地元のマチュー・ファンデルプール(オランダ)が後を追う Photo: Yuzuru SUNADA

 2月4日に7周回で行われた男子エリートは終盤には雪も降るようなマッドなコンディションの中、序盤からハイスピードに展開。ヴァンアールト、マイケル・ヴァントーレンハウト(ベルギー)、また自国開催でタイトル獲得を狙うマチュー・ファンデルプール(オランダ)がレースをけん引した。ヴァンアールトとファンデルプールがさらに抜け出すが、ファンデルプールが一瞬体勢を崩してスリップ。拮抗していた差がみるみる開き、ヴァンアールトが独走を開始した。一方、スピードが乗らないファンデルプールはヴァントーレンハウトにも終盤で逆転され3位へ転落。ヴァンアールトはそのまま独走で世界選手権3連覇を達成し、ヴァントーレンハウトも約2分差で続いてベルギーがワンツーフィニッシュを飾った。

大会3連覇を飾ったワウト・ヴァンアールト(ベルギー) Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、小坂と竹之内はコースコンディションや欧州の選手たちのスピードに苦戦。小坂はマイナス4ラップの53位、竹之内はマイナス5ラップの54位でレースを終えた。共に「世界との差を実感」と口にし、悔しさを滲ませた。

 男子ジュニアに出場した村上は45位で完走し「自分の今の力は出し切れた」と話し、マイナス1ラップで67位だった積田は「最低限の目標であった完走ができずにとても残念。とにかく路面の重さに苦しんだ」と述べた。男子U23に出場した織田はマイナス1ラップの53位でレースを終え、「シクロクロスの世界選手権に向けてもう一度挑戦したい」と次回に目を向けた。

女子はカントが連覇

コースに苦戦するも31位で完走し、目標を達成した與那嶺恵理 Naomi WHYMANT

 3日の女子エリートは4周回で争われた。レースは中盤、キャサリン・コンプトン(アメリカ)が先行。サンヌ・カント(ベルギー)が続き、一騎打ちの様相を呈した。終盤に入ると冷静に展開を進めたカントがコンプトンを引き離して独走。競り勝ったカントは12秒の差をつけて優勝を果たし、世界選手権2連覇を飾った。

 「絶対に完走すること」と目標を定めてスタートした與那嶺は、コースに苦しめられながらも完走。カントのフィニッシュから8分26秒の差をつけられたが、同一周回の31位で走り切った。マイナス1ラップの37位だった今井は「路面に対して力負け」とレースを振り返っている。

 コース状況はどの選手に聞いても今までの経験の中で最も厳しいと話す。実際に試走を選手とともに行ったが、路面の重さやまとわりつく泥、まっすぐ進まないライン含めて非常に過酷なコンディションであった。そして寒さもかなり厳しく感じた。

日本人選手コメント

●小坂光
 現在の世界トップのレベルを考えると完走=30位前後というイメージなので、レース前からかなりハードルは高いと思っていました。実際走ってみて、正直僕の今のレベルだと今回のようなコースコンディションでは、レースできるところまで到達できていないというのが現実でした。選手のレベルもコースの難易度もこれまで出場したレースの中で一番だったと思います。

マイナス4ラップで53位の小坂光 Photo: Kyosuke TAKEI

 来年も世界選手権は挑戦するつもりです。正直これだけの差を目の当たりにして、走る意味があるのか考えさせられることもありますが、シクロクロスが好きだし、その世界の頂点の舞台に立って挑戦したいと思うのは、僕の中では当たり前のことだと思っています。

 世界で戦うためにはスピードも高低差も今よりもっと日本のコースに必要だと感じました。細かいコーナーよりもスピード出てる状態で曲がるコーナーの方が難しいので、コーナーもスピード域が高いコースが必要です。

●竹之内悠

マイナス4ラップで54位の竹之内悠 Photo: Kyosuke TAKEI

 コースやトップとの差、今までのレース結果や先週の自身の走りを見ても今回なら30番代でのゴールを目標にしていました。 しかし、今週水曜日のランのトレーニングで痛めてしまった脹脛が今日のランに耐えれなくて大きくペースを落としてしまった。好調な流れをまた潰してしまった。 世界選手権はもちろん、世界との差をいかに埋めていくか試行錯誤を繰り返してますので、これからも挑戦します。

●與那嶺恵理

完走後、観客と写真を撮る與那嶺恵理 Photo: Kyosuke TAKEI

 日本代表として、自分のできる仕事は楽しく行えました。エリートカテゴリーでの完走という結果には満足しています。今の自分の取り組みの中でできる最大限の仕事でした。来シーズンも私が給与を頂いているプロロードチームとの契約が許せばシクロクロスも楽しく続ける予定です。

 コースはいつもとても厳しいのが世界選手権と理解していますし、選手も一段速く強くなるのが世界選手権です。よって特別な緊張感もなく普段のレースの一つとして走りました。3月からのワールドツアーに向けて怪我なく無事に走りきれたことにホッとしています。そして私の地元での開催で多くのファンの方から応援されたことも嬉しかったです

 3年連続で男女合わせて唯一のエリートカテゴリーでの完走については、世界選手権は何を置いてもまずはフィジカルが重要であるということだとの証明と思います。

●今井美穂
 悔しいの一言です。1年間この日のためにやってきたつもりでしたが。完走はできると思っていたし、もう少し上手く走れるとは思っていました。路面に対して力負けです。日本の路面とは全く異なるし、この重さは初めての経験で、同じ環境で日本のレース、練習は行えなかったです。レース中は機材トラブルがありましたが、諦めてはいけないと自分に言い聞かせ、完走を目標に気持ちを奮い立たせました。

 しかし、去年と比べてると成長を感じる部分もあり、難しいセクションに関してはテクニックの向上は感じられました。そして地脚が足りていないことは強く自覚できました。来年も世界選手権での完走を目標に取り組んで行きます。

 日本のコースに望むことは、カテゴリーが細かくあるので怪我の危険を含めて難しい部分はありますが、高低差はやはり必要。ダイナミックでスピードも要求されるコースが必要と感じました。寒河江のようなスピードコースも大切と感じます。

●織田聖

-1ラップで53位だった織田聖 Photo: Kyosuke TAKEI

 スタート直後の落車に巻き込まれて慌ててしまったが、その後は冷静にレースを進めることができました。しかし、寒さの影響もあり一周目が終わった頃から脚が徐々に動かなくなってしまった。路面が重く、自分の目標としていた結果には程遠い結果となってしまいました。来年に向けてはロードのトレーニングをしっかり行い、シクロクロスの世界選手権に向けてもう一度挑戦したいと思います。

●村上功太郎
 完走はでき、自分の今の力は出し切れました。しかし、経験したことのない泥の重さにかなり苦しみました。極限の状態でのハンドル操作含めて、日本では経験のしたことのない路面の重さでした。日本では自転車は進むが、こちらのコースは全く自転車が進みませんでした。

 シクロクロスの専任としては難しいですが、マウンテンバイク(MTB)のクロスカントリー・オリンピックを含めて楽しく取り組んで行きいです。来年はMTB全日本選手権で優勝し男子U23のMTB世界選手権では30位以内で完走したいです。当然シクロクロスの世界選手権にはもう一度挑戦したいと思います。

●積田蓮
 最低限の目標であった完走ができずにとても残念でした。とにかく路面の重さに苦しみました。しかし、初めてワールドカップでの経験ができ、世界選手権に挑めたことで、また来年も挑戦したいと思います。

 来年はロードレースでの実業団をメインに活動をしながらウエイトトレーニングも行い、男子U23カテゴリーでももう一度シクロクロスの世界選手権には挑戦をしたいです。

 コース状況はどの選手に聞いても今までの経験の中で最も厳しいとのことでした。実際に試走を選手とともに行いましたが、路面の重さやまとわりつく泥、まっすぐ進まないライン含めて非常に過酷なコンディションでした。そして寒さもかなり厳しく感じました。

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