大会唯一の山岳ステージキナンのトマ・ルバが区間2位、総合でも2位に シャールジャ・ツアー第3ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームが出場している、中東・UAEで開催中のシャールジャ・ツアー(SharjahTour、UCIアジアツアー2.1)は1月26日、116.70kmによる第3ステージが行われ、この大会唯一の山岳ステージでキナンのトマ・ルバが2位に入る快走を見せた。個人総合順位でも2位と一気にジャンプアップさせ、最終の第4ステージを迎えることとなった。

シャールジャ・ツアーのクイーンステージ、第3ステージで2位となったトマ・ルバ(左)。終盤の山岳区間での積極策が奏功した Photo: MathildeL'Azou

総合ジャンプアップを狙うクイーンステージ

 キナンサイクリングチームにとって2018年シーズンの初戦であるシャールジャ・ツアーは、後半戦へ突入。個人タイムトライアルで争われた第1ステージ、スプリント勝負となった第2ステージに続き、今大会唯一の山岳ステージが第3ステージに用意された。116.70kmとレース距離は短いながらも、1級から3級まで4つのカテゴリー山岳が設定される。特に終盤に2級、1級と立て続けにやってくる難所が勝負を左右すると予想された。さらに、第2ステージまでを終えて個人総合成績が僅差であることも関係し、このステージで発生したタイム差がそのままリーダージャージ争いに反映される可能性が高いと見られた。

シャールジャ市内早朝の光景 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
レース開始が午後のため、スタート近くのプールで昼食タイムが設けられた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームは、第2ステージまでを終えてトマ・ルバの個人総合30位が最上位。ジャイ・クロフォードが同40位と続く。クライマーの2人にとっては、第3ステージが実力を発揮する最高の舞台。総合上位陣とのタイム差の短縮と順位のジャンプアップをかけてレースに臨む。アシスト陣には、2人を集団内の好位置から山岳区間に入っていけるようケアすることが求められた。

スタートに向けて準備するジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU
選手たちがレースに向けた最終確認を行う Photo: Syunsuke FUKUMITSU

椿大志が逃げを決める

 同国東海岸、隣国オマーンとの国境地域を走るレースは、キナンの椿大志がスタートアタックに成功。8人による逃げグループ形成のきっかけを作った。メイン集団は椿らの動きを容認し、早々にペースをコントロール。椿らは4分以上のリードを得て、レースを先導し続けた。椿は途中の山岳ポイントや中間スプリントポイントは狙わず、安定した逃げのペースを作ることに努めた。

スタートアタックで逃げを決めた椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 だが後半に入ると、この大会の最重要ステージを狙うチームが次々とメイン集団前方に位置し、ペースアップを図る。好ペースを刻み続けた椿たちの逃げだったが、残り約20kmまでに全選手が吸収。最後の最後まで椿は粘ったものの、集団へと引き戻された。

 そして、この日のポイントとされた終盤の山岳区間でレースが大きく動いた。まず2級山岳で人数が一気に絞られ、頂上までに8人となる。キナン勢は、アシスト陣の好ポジショニングもあり、ルバを先頭集団へと送り込むことに成功。さらに、頂上を経てからのダウンヒルでクロフォードが合流。そこからは、クロフォードが先頭集団の牽引に加わり、後続との差を引き離した。

 続く1級山岳でついにルバが仕掛けた。中腹過ぎに自らアタックし、先頭を4人に絞り込む。ここでクロフォードが役目を終え、最終局面はルバ自身で勝負する形とした。

強豪ひしめく大会で存在感

 1級山岳頂上からフィニッシュまでの下りでは決定打は生まれず、ステージ優勝争いはそのまま4人の勝負に。上り基調でのスプリントとなった最後で、ルバはトップこそ譲ったもののフィニッシュ目前で猛追しての2位。UCIプロコンチネンタルチームなど強豪ひしめくUCI1クラスのレースで、ルバ自身はもちろん、チームとしても存在感を示してみせた。

集団内でチームメイトのケアに務めた山本元喜もグルペットでフィニッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
エースの2位フィニッシュを知り笑顔を見せる雨乞竜己 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 また、山岳で絶妙なアシストを見せたクロフォードが7位に入ったほか、逃げで魅せた椿、山岳区間までのフォローを担った山本元喜、雨乞竜己、中島康晴もトラブルなくフィニッシュ。出場6選手全員で最終ステージへと進出することが確定した。

 これらの結果から、快走したルバは個人総合順位を2位へとジャンプアップ。トップとの差は23秒、3位の選手との差は12秒となっている。また、クロフォードも総合順位を12位と上昇させている。

ポディウムでステージ2位の表彰を受けたトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 4日間で争われる大会は、いよいよ最終ステージへ。27日に行われる第4ステージは、シャールジャ市内に設けられる周回コースを10周する99.10km。オールフラットなうえ、レース距離も短いことから、スピード感満載の戦いとなりそうだ。キナンサイクリングチームはスプリントに備えて、第2ステージ7位の雨乞、同9位の中島を軸にチームオーダーを組むことになる。そして、ルバの個人総合順位を懸けたレースにもなる。シーズン開幕戦を最高の形で締めくくるべく、ハイレベルのバトルに最後までトライする。

自国・フランスメディアの取材を受けるトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
地元テレビ局からのインタビューに応じるトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

●トマ・ルバのコメント
 素晴らしいレースができた。(第1ステージの)個人タイムトライアルは自分なりに満足できる走りだったし、昨日(第2ステージ)もよい感触だった。そして今日の上りも非常に調子よく走ることができた。山岳の入口ではチームメートがしっかりポジションを確保してくれて、あとは自分が結果で応えるだけだった。スプリントでは負けてしまったけど、レース内容には満足している。
 この走りは、冬場によいトレーニングができた成果だと感じている。ただ、シーズン初戦だけに100パーセントの走りができるとは思っていなかったし、今回はテスト的な意味合いもあったけれど、明日を走り終えれば今シーズンの長い戦いにもつながることだろう。
 明日(第4ステージ)は雨乞で勝負する。第2ステージの彼は本当に強かった。みんなで一丸となって、何とか彼をポディウムに立たせてあげたい。個人的にもクラッシュなどトラブルなく走り切りたい。

第3ステージ結果(116.70km)
1 サリム・キプケンボイ(ケニア、バイクエイド)2時間59分52秒
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)+0秒
3 ハビエル・モレノ(スペイン、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)
4 ダヴィデ・レベリン(イタリア、ソバック・ナチュラフォーエバー)
5 エディ・ファンヘールデン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)+25秒
6 ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)+37秒
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)
70 椿大志(キナンサイクリングチーム)+10分14秒
81 中島康晴(キナンサイクリングチーム)+12分58秒
94 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
102雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)

個人総合
1 ハビエル・モレノ(スペイン、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)6時間45分27秒
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)+23秒
3 ニコライ・ミハイロフ(ブルガリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)+35秒
4 サリム・キプケンボイ(ケニア、バイクエイド)+38秒
5 エディ・ファンヘールデン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)+49秒
6 クエンティン・パシャール(フランス、ヴィタルコンセプトサイクリングクラブ)+53秒
12 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)+1分13秒
79 椿大志(キナンサイクリングチーム)+13分23秒
85 中島康晴(キナンサイクリングチーム)+13分55秒
95 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)+14分17秒
102 山本元喜(キナンサイクリングチーム)+16分12秒

ポイント賞
1 サリム・キプケンボイ(ケニア、バイクエイド)25pts
5 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)20pts
16 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)10pts
18 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)10pts
23 中島康晴(キナンサイクリングチーム)7pts

山岳賞
1 エディ・ファンヘールデン(南アフリカ、南アフリカナショナルチーム)12pts
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)11pts
14 椿大志(キナンサイクリングチーム)1pts

ヤングライダー賞
1 サリム・キプケンボイ(ケニア、バイクエイド)6時間46分5秒

チーム総合
1 デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム 20時間17分51秒
14 キナンサイクリングチーム +29分1秒

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