クネゴ引退シーズンのジロ出場は叶わずNIPPO・ヴィーニファンティーニが2年連続でミラノ〜サンレモへの出場決定

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 イタリアと日本の2つの母国をもつUCIプロコンチネンタルチーム、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが、「ミラノ〜サンレモ」など3月に行われるUCIワールドツアー3戦のワイルドカード(主催者招待出場枠)を獲得した。一方でグランツール(世界3大ステージレース)の1つである、5月の「ジロ・デ・イタリア」への出場は今年も叶わなかった。

スペイン南西部・カルペでトレーニングキャンプ中のNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ © NIPPO - Vini Fantini - Europa Ovini

 イタリア時間の1月20日夜、ジロ・デ・イタリアなどのレースを主催するイタリアのRCSスポルトが、春の自社主催レースのワイルドカードを発表した。世界の最高カテゴリーであるUCIワールドツアーのレースに、第2カテゴリーのプロコンチネンタルチームとして活動するNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニが参戦するためには、各レース数枠と限られたワイルドカードに選出される必要がある。

 今回チームは、ジロ・デ・イタリアへの出場はならなかったものの、3月に開催される悪路を走るトスカーナでの「ストラーデ・ビアンケ」、本格的なステージレースである「ティレーノ〜アドリアティコ」、そして伝統ある名門ワンディレース「ミラノ〜サンレモ」への出場権を昨年に引き続いて獲得した。

 昨年はティレーノ〜アドリアティコで、中根英登が終盤の山岳でトップ選手のアタックに反応したり、内間康平が世界最長距離である291kmのミラノ〜サンレモを走破したりするなど、日本人選手の活躍も目立った。今年もそれぞれのレースに日本人選手が出場する予定となっており、春のビックレースでの活躍に期待がかかる。

RCSスポルト主催UCIワールドツアー 出場権獲得レース
3月3日 ストラーデ・ビアンケ (ワイルドカード2枚/7人出走)
3月7日〜13日 ティレーノ〜アドリアティコ (ワイルドカード4枚/7人出走)
3月17日 ミラノ〜サンレモ (ワイルドカード7枚/7人出走)

 今回の発表を受けて、チームの大門弘マネージャーは以下の通りコメントしている。

大門宏マネージャーのコメント

 今年も春のイタリアでのUCIワールドツアー全戦の招待を得られ、主催者には心から感謝している。今シーズンはワイルドカードの権利を有するプロコンチネンタルチームが一気に27チームに増え、年々ライバルが増えている状況下にも関わらず、トップチームとして認知されたことを日本の運営責任者の1人として大変光栄に思う。

 ジロ・デ・イタリア(以下ジロ)のワイルドカードに関しては、イタリア側の運営陣、スポンサーは今年も決して楽観視はしていなかった。特にマルコ・カノラにとっては、ミラノ〜サンレモが大好きなレース。もしジロの招待を得られれば、ミラノ〜サンレモに招待されない可能性があることを懸念していたので、まずは春の目標が定まりとても喜んでいる。

 結果的にクネゴファンの期待を裏切ることになってしまった(編注:かつてジロで総合優勝を成し遂げたチームキャプテンのベテラン、ダミアーノ・クネゴは今季限りの引退を表明している)ことは残念だが、近年の様々な現場の雰囲気から少なくとも“花道を飾るクネゴの引退レース”は主催者にとって選考の基準となり得ないことは重々承知していた。そのあたりの雰囲気はクネゴ自身も察し覚悟していたので、今は気持ちを切り替え、冷静に引退レースを新たに模索している。クネゴ自ら誇りに感じている日本の熱烈なファンの方々には、これまで同様に温かく見守って頂きたいと願っている。

 僕自身の印象としてはジロの招待を受けたシーズンは、肝心の日本人の成長課題に落ち着いて取り組む余裕がなく、準備を含めてジロに始まってジロで終わった…という思いが強い。プロコンチネンタル体制4年目を迎えた今でも、所属する日本人選手のレベルを考えれば考えるほど、ジロに出る出ないに関わらずワイルドカード発表後の感想を表現するのは難しい。

 もちろんスポンサーとして、また深夜にも関わらず観戦いただいているファンの皆様のことを考えるとジロ出場のメリットは計り知れず、発言には慎重にならざるを得ないが、特に日本の場合、我々のチームがジロを走ることでメリットがあるのは実際に走る可能性がある日本人所属選手ではなく、メディア側にあるのではないかと思っている。そういう意味では、“メディアにとっても残念なシーズンだった”昨年は、シーズンが終わってみれば、チーム、日本人所属選手にとっても収穫の多いシーズンとなった。参加レースの質と数も大幅に増え、エース級のメンバーに偏ることなく、所属メンバー全員にとって収穫も多いシーズンとなった。必然的に日本人選手の成長を促すためのレベルに適合した体制、環境作りにも落ち着いて取り組むことができた。誤解を恐れずに言うならば、もしジロに参加していたら、2017年のカノラの躍進、台頭劇はなかったかもしれない。

 NIPPOからの支援を受け、自分自身が運営陣としてヨーロッパのチームに関わってから今シーズンで26年目を迎える。2015年からチームはジロを含めたUCIワールドツアーにも招待されるまでに成長し、ここ数年で三大ツールへの参加の是非を期待されるほどのチームに成長を遂げたことは、10年前は想像すらできなかった。

 今後、日本人の成長プロジェクトが実り、たとえアシストでも立派にハイレベルな展開に絡む場面が増えてくれば、自分自身の個人的なジロのワイルドカードへのモチベーションも変わってくるのではないかと思っている。そうなれば、真の意味で日本のメディアからの期待に応えられるだろう。これからも極力、選手の技量と冷静に向き合い、成長するステップを見極めながら、まだ21日間のステージレースへの参加は早過ぎると真剣に考えているイタリア人のコーチやヨーロッパの若手選手と共に、日本人選手の強化活動と向き合いたい。

 現在チームはスペイン・カルペにて1月27日までの日程でトレーニングキャンプを実施しており、春の重要なレースに向けて、各自コンディションを上げている。チームの初戦は、スペインで1月31日から2月4日に行われるボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCIヨーロッパツアー2.1)。その後はヨーロッパやアジアのレースを転戦していくという。

今後のレーススケジュール(予定)
1月31日〜2月4日 Volta a la Comunitat Valenciana スペイン・ヨーロッパツアー2.1
2月8〜11日 Tour Cycliste International La Provence フランス・ヨーロッパツアー2.1
2月11日 Trofeo Laigueglia イタリア・ヨーロッパツアー1.HC

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