サイクリスト

御神火ライド2018
title banner

「シクロクロス東京」直前対策「虎の穴コーナー特訓」と、チューブレス化で総復習 “お台場”前に「湘南シクロクロス」参戦

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
  • 一覧

 いよいよ「シクロクロス東京」(2月10、11日開催)が1週間後に迫り、この週末には世界選手権も開催されます。2017年シーズンからシクロクロス競技に挑戦したCyclist編集長が日々の練習や大会参戦を綴る連載『シクロクロス中年日記』でも、負傷のため大会から2カ月以上遠ざかってしまったブランクを取り戻すべく、年末、新年から機材面、技術面でレベルアップ。トップカテゴリーのC1でランキング上位で走るGIANT JAPANの斎藤朋寛さんから学んだことを胸に、復帰戦として選んだ、地元開催の湘南シクロクロス第2戦開成町大会に出場。今シーズンの最終目標、「シクロクロス東京」に向け、総復習しました。

正月三が日練習でなまった体にカツ

 忙しい仕事と折り合いをつけたり、家族との過ごす週末の時間をキープするのも、シクロクロスをしっかり楽しむためのコツだ。しかし11月の「スターライトクロス幕張」に出場後、負傷のためレースに出られないまま2カ月が過ぎ、目標とする2月のシクロクロス東京が近づいてきてしまった。そんな2017年年末、仕事と忘年会の連続ですっかり体がなまってしまっていたマネージメント能力の低い私に連絡が来た。正真正銘の“走るエリートビジネスマン”斎藤さんから「正月明け(1月14日)の湘南シクロクロスに出ませんか?その前に1回練習もしましょう」とのお誘いだった。

正月から練習場に集まったシクロクロッサーたち Photo: Kenta SAWANO 

 2018年の新年を迎え、1月3日朝8時、首都圏近郊の河川敷に集合した。「正月から気温5℃の河原に集まるなんて、普通ではない」と思いながらも、驚いたのは現地に着くと、すでに2人ほどのシクロクロッサーが熱心に練習していたことだ。まだ道路にも車が少ない三が日に、大の大人たちが黙々とコースで汗をかいていたのだ。

 今回の練習はなまっている体を動かすのと、コーナリングのテクニックを磨くことだ。細かいコーナーが6つほど続く仮想のコースを、何度も繰り返しトレースする。最初は斎藤さんや、先に走っていた方たちについて周ってコーナー回り方を見よう見まねで学んだ。最初はだいぶ離されていたが、3周ほどすると、その差はだいぶ詰めることができた。

コーナーリングのTIPSを仲間に伝える斎藤朋寛さん Photo: Kenta SAWANO Photo: Kenta SAWANO

 「では先頭を走ってみましょうか」と促され、自分が先頭になると、一気にスピードダウン。後ろについて来ている皆さんに「すみません」と言いながら焦る。路面は雨が降らず乾ききって硬く、滑りやすい土の上を慎重に走るが、自分の前に誰もいなくなると、どこを走っていいかわからなくなった。そんな私に斎藤さんから5つのアドバイスが飛んだ。

コーナーの回り方TIPS

①基本はアウト・イン・アウトのラインを選択。
②連続コーナーでは、一つ目のコーナーの出口=二つ目の入口なのでアウト・イン・イン(=二つ目はアウトからスタート)を意識。
③次のコーナーを見て走行したいラインを早めに確認する。
④コーナー中もペダリングをする方がタイヤのグリップを高め、出口の加速が速くなるのでオススメ。
⑤タイヤのグリップ限界を知るために練習では転倒するまで攻めてみることが大事。

 この点を頭に叩き込み、一人で自主練を10周ほど繰り返してから、もう一度タイムアタックすると、当初のタイムより、だいぶ短縮することができた。仕上げに斎藤さんの後ろについて3本ほど走る。少しペースが上がると、まったくついていけなかったが、復帰戦に向け、少し自信がつけることができた。

人気の「IRC SERAC CX TUBELESS」へ変更

初めてのパーツ交換でチューブレスに交換。それだけで気分が上がり、速くなった気になる Photo: Kenta SAWANO

 さらに「機材もレベルアップさせましょう」と斎藤さんからタイヤの「チューブレス化」を薦められた。初めてのチューンナップはタイヤ交換で、完成車についていたチューブドのものから、人気のIRC「SERAC CX TUBELESS X-Guard 700×32C」に前後とも変更した。小さな穴なら、シーラントがすぐに穴を塞ぎ、パンクを防ぐことができるという。最初のチューブ入りのものと総重量は変わらなかったが、チューブがないことでより低圧にすることができ乗り心地もよくなり、コーナーも今まで以上に攻められそうな走り心地になった。

純正のホイールが「チューブレスレディー」だったため、用意するのはチューブレス用バルブと、専用リムテープ Photo: Kenta SAWANO
専用のチューブレスリムテープを入念に貼り付けてもらう Photo: Kenta SAWANO

身近で楽しめる「湘南シクロクロス」シリーズ

酒匂川の川岸に広がる開成スポーツ公園で行われた湘南シクロクロス第2ステージ Photo: Kenta SAWANO

 特訓と機材力アップの成果を生かす舞台として、1月14日「湘南シクロクロス」の開成町運動公園大会が選ばれた。今年5年目を迎える同大会は、神奈川県西部をメインに今年は3大会が開催予定で、国内トップクラスのC1からキッズクラスまで幅広い層が集まる身近な大会として人気を集める。開成町大会は、酒匂川中流の運動公園を舞台に、神奈川、東京はもちろん、東名高速道・大井松田ICからクルマで約5分というアクセスの良さから、静岡県や山梨県からの参加者も増えている人気大会だ。

 コンディションは朝から快晴の気温3℃(午前9時時点)。1周、2.6kmほどの全体的に芝生がメインの河川敷のコースは、スタート後に狭い芝生の斜面(キャンバー)をジグザグに進み、コンクリートの斜面を下って、河川敷に降りると、細かいコーナーや、中程度のコーナーが連続する、まさに練習の成果を試せそうなレイアウト。朝の試走だけでかなりの勉強になった。

湘南シクロクロスで"師匠"でこの日、MCも務めた斎藤さんからインタビューされ、ぎこちなく答える Photo: Yuya YAMAMOTO 

 午前9時半過ぎ、スタート地点に並ぶ。背番号33で集団の中盤でコースレーンもど真ん中だった。今回でレース参戦も3試合目、そろそろ結果を出さないとマズいと緊張していると、この日、たまたま大会MCも努めた斎藤さんがマイクを突然向けて近づいてきた。何を聞かれたか忘れるほど緊張しながら自己紹介と抱負を述べると、周囲から「カミカミじゃないですか!」とうれしいツッコミが入り、スタート前の雰囲気を和ませることに成功!? リラックスしてスタートを迎えることができた。

C4Bのスタート。スタートで写真に写ることはできなかった Photo: Yuya YAMAMOTO
込み合った芝生のキャンバー区間を進む選手たち(写真はC3クラス) Photo: Kenta SAWANO

 午前9時40分にスタート。舗装路から、すぐに左⇒右と急に曲がる芝生ゾーンに突入。一気に集団が細くなり、土手沿いの舗装路でスピードが上がると、バイクを降りて堤防の階段を上り、そのまま芝生のキャンバーゾーンを進んだ。しかしキャンバー中盤のジグザグに進むゾーンでは大渋滞が発生。多くの人が降りてクリアする中、乗車したまま、わずかな隙間を見つけて進んだが、たくさんの人を抜いて前に出ることはできなかった。

芝の連続コーナーに苦戦

芝生の上を細かいコーナーが連続するコース設定 Photo: Yuya YAMAMOTO 

 堤防を降りると、平坦な芝生を細かく回るゾーンに入る。1列でしか走れないような細かく狭い連続コーナーを抜けると、わずかな斜面を含む大きめな連続コーナーが待ち受けた。正月の練習を思い出し、最短のラインを目指してアウト・イン・アウトを心がけるが、1周目は混み合っていることもあり、希望のラインを走ることができず、焦りばかりが募る。終盤の高速ゾーンは普段は歩道になっているような固めの砂地の道で、転倒しないようにコーナーに気をつけながら、前の集団を追った。

芝生の急斜面を一気に下る Photo: Yuya YAMAMOTO 

 2周目は集団が細くなってきたこともあり、走りたいラインを選べるようになってきた。芝生のキャンバーの上り下りでは「無理をせず慎重に進んで、最後のキャンバーを下りながらUターンするゾーンでは、コース幅を大きく使って折り返せば大丈夫ですよ」という斎藤さんのアドバイスを思い出しながら進む。平坦の連続カーブでは、理想のルートをなぞりながら周を重ねるごとにスピードを上げることを心がけた。多くの人をパスすることはできなかったが、正月の特訓を思い出しながら上達を実感することができた。

終盤は一人旅で34位に終わった Photo: Yuya YAMAMOTO
ゴール後「もう少し頑張りましょう」という斎藤さんのゲキに反省ポーズ Photo: Yuya YAMAMOTO

師匠は完勝も、自分は反省ばかり

湘南シクロクロス第2戦のC1クラスで今季2勝目を挙げた斎藤朋寛選手(RIDELIFE GIANT) Photo: Yuya YAMAMOTO

 しかしながら最終の3周目は終盤の高速ゾーンで次々と抜かれ、最後はトップと4分差の34位でゴール。背番号以上の結果をなかなか出せない。特訓の成果を技術的には体得することができたが、大事なのは結果だ。「テクニックを生かすのもフィジカルあってのことですからね」と斎藤さんからも、まずは体力、持久力をつけることをアドバイスとしてもらった(第1回目から言われていることであるが)。その斎藤さんはトップクラスのC1クラスで見事に優勝、今季2勝目でガッツポーズを見せつけられた。

 「あんなガッツポーズをしてみたい。そこまでいかなくても、まずは一桁台の順位でゴールしたい」。2月10、11日に開催される「シクロクロス東京」まで、残された数少ない日々を大事に、ローラー練習と、砂場での一人練習を重ねている。

関連記事

この記事のタグ

シクロクロス シクロクロスダイアリーズ/シクロクロス中年日記

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー
御神火ライド

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載