サントス・ツアー・ダウンアンダー2018 第5ステージポートがウィランガ・ヒル5年連続勝利 別府がレース後半までエスケープ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 2018年のUCIワールドツアー第1戦、サントス・ツアー・ダウンアンダー(オーストラリア)は1月20日、第5ステージを実施。この大会最大の勝負どころであるウィランガ・ヒルの頂上に設けられたフィニッシュへ、真っ先に飛び込んだのはリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)だった。これでポートは2014年から5年連続でウィランガステージを制覇。個人総合では、2位でフィニッシュしたダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が首位に立っている。また、このステージでは別府史之(トレック・セガフレード)が逃げに加わり、レース後半まで先頭集団を走った。

ウィランガ・ヒルの頂上にトップで姿を現したリッチー・ポート。5年連続でのクイーンステージ制覇となった Photo: Yuzuru SUNADA

スタートアタックに別府が好反応

 この日のステージは、マクラーレン・ベイルを起点にほぼ平坦の周回コースを3回めぐったのち、名所であるウィランガ・ヒルを含む丘陵地帯へと進路を移す151.5km。登坂距離約3km、平均勾配7.5%のウィランガ・ヒルは2回通過。1回目は頂上に山岳ポイントが設けられ、2回目の頂上にフィニッシュラインが敷かれる(山岳ポイント含む)。

出走サインに臨むリーダージャージのペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

 例年、このステージで上位に入った選手が総合でも順位をジャンプアップさせており、ステージ結果と合わせてリーダージャージの行方にも注目が集まる、この大会における絶対的な存在となるクイーンステージだ。今回は、前日までを終えて個人総合首位のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)から14秒差までに33人がひしめく大接戦。ウィランガ・ヒルでの結果が、そのまま最終成績に反映される可能性も高まってきた。

 レースはスタートアタックをきっかけに飛び出した7人がそのまま逃げにシフト。この中には、集団からブリッジを仕掛けて前へと加わった別府の姿もあった。メイン集団は7人の動きを容認。別府らは最大で約5分のリードを築いた。

 別府とともにレースを先導したのは、トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ヌーノ・マトス(ポルトガル、モビスターチーム)、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ)、マッズウルス・シュミット(デンマーク、カチューシャ・アルペシン)、ザッカリ・デンプスター、スコット・ボウデン(ともにオーストラリア、UniSA・オーストラリア)の面々。途中、マトスが落車し数カ所に傷を負ったが、集団に復帰。傷の手当てを受けて逃げメンバーでの先頭交代に戻っている。

 63.4km地点に設けられた、この日最初の中間スプリントでは別府が1位通過。その後も快調に逃げ続け、103.4km地点に設置された2回目の中間スプリントも逃げメンバーで独占。ここはデヘントが1位で通過している。

逃げグループを牽引する別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団は、総合を狙う有力選手を抱えるチームがペースをコントロール。BMCレーシングチームやバーレーン・メリダ、リーダージャージのペテル・サガン(スロバキア)擁するボーラ・ハンスグローエも前方を固める。距離を追うごとに集団のペースが上がっていき、横風の強い区間では各チームがトレインを形成して主導権争いをする場面も見られた。

海沿いを走るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 勢いを増すメイン集団に迫られつつも、逃げグループはリードをもって1回目のウィランガ・ヒルへ。上りが始まると逃げてきた選手たちにも脚の差が出始める。やがてデヘントとドラミニの2人に絞られ、別府らは後方へ。そのまま頂上にある山岳ポイントに到達し、デヘントが1位で通過。第2ステージ以降山岳賞ジャージを着続けているドラミニは2位通過で、さらにポイントを加算。この直後にドラミニもペースを落とし、逃げはデヘントのみに絞られた。

 独走となってからも粘り続けたデヘントだったが、残り10kmでメイン集団が吸収。ほぼ同時に横風区間に入ったことから、EFエデュケーションファースト・ドラパックの動きをきっかけにプロトンが猛然とペースアップ。集団は完全に崩壊し、最後のウィランガ・ヒルを前に人数が大幅に絞られた。そして、先頭に立った小集団の前方には、ゴルカとヨンのイサギレ兄弟(スペイン)のポジション確保に務める新城幸也(バーレーン・メリダ)の姿もあった。

ポートが盤石のアタック 追い込んだインピーが総合首位に

 勢いそのままに最後のウィランガ・ヒルへと突入した先頭集団。残り2kmとなったところで、リーダージャージのサガンが脱落。勝負は完全にあきらめ、ペースを落とした様子。

 そして、勝負はフィニッシュまで残り1.5kmで決定的な瞬間を迎える。好位置をキープしていたポートが満を持してアタック。これをジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)がチェックするが、ポートの異次元のスピードに対応できず後退してしまう。ポートはそのまま大観衆の待ち受ける頂上へと姿を現し、両手を大きく広げてフィニッシュラインを通過。これで5年連続となるウィランガ・ヒル頂上制覇となった。

猛追したダリル・インピーがステージ2位。個人総合で首位に立った Photo: Yuzuru SUNADA

 後方では、ポートにこそ置いて行かれたものの総合上位進出を懸けた熾烈な争いが展開。ここまで総合2位につけていたインピーが猛追し、ポートから8秒差で単独フィニッシュ。さらに数秒差で有力選手がなだれ込んだ。

 これらの結果を受けて、個人総合ではインピーが首位に浮上しリーダージャージを獲得した。ステージ優勝のポートは同タイムながら、これまでのステージでたびたび上位に入っていたインピーにトップの座を譲る形となった。16秒差の3位にはトムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)が続いている。

 このステージでも見せ場を作った新城と別府は、それぞれ45位、98位でフィニッシュしている。

 大会は残すところあと1ステージ。最終の第6ステージは、アデレード市街地に設けられる4.5kmのコースを20周回する合計90km。8周回目と12周回目に中間スプリントポイントが控えており、ここで得られるボーナスタイムを狙って総合上位陣がそれぞれのアシストを加えての激しい争いとなることが考えられる。ステージ優勝争いはもとより、僅差で最終日を迎える個人総合争いからも目が離せない。

好勝負に沸く大会は残り1日。総合争いの行方は最終の第6ステージにゆだねられる Photo: Yuzuru SUNADA

第5ステージ結果
1 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 3時間42分22秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +8秒
3 トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ) +10秒
4 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
5 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)
6 ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
7 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
8 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +14秒
9 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
10 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード)
45 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2分8秒
98 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +11分47秒

個人総合
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 18時間2分15秒
2 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +0秒
3 トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ) +16秒
4 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +20秒
5 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
6 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)
7 ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
8 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +24秒
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ)
10 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)
43 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +9分0秒
66 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +16分22秒

スプリント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 51pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 42pts
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 42pts

山岳賞
1 ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ) 48pts
2 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 36pts
3 スコット・ボウデン(オーストラリア、UniSA・オーストラリア) 26pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 18時間2分35秒
2 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +4秒
3 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、トレック・セガフレード)

チーム総合
1 バーレーン・メリダ 54時間7分53秒
2 ディメンションデータ +26秒
3 クイックステップフロアーズ +1分4秒

敢闘賞
トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)

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