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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<1>15kgの食料と水、かたやペットボトル1本とつぶした食パン 海外ツーリングの積荷スタイル

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 2009年から5年8カ月をかけ世界60カ国を自転車で旅したサイクリストの昼間岳さんが、自転車ツーリングの魅力や、長い旅の中で身につけたテクニック、海外ならではのエピソードなどをテーマごとに紹介する新連載「旅サイクリスト昼間岳の地球走行録」をスタートします。第1回のテーマは旅の生命線となる「食料と水」です。

できるだけデッドスペースがないように装備する Photo: Gaku HIRUMA

◇         ◇

 長期間の海外ツーリングをする場合、どれくらいの荷物を運ぶかはそれぞれのスタイルによる。僕は軽量化を早々に諦め、荷物も食料も水も大量に積んで走るタイプだった。今回は、食料と水の必要量についてお話ししていく。

砂漠を走行する時は、常に多めの水を持つ Photo: Gaku HIRUMA

 まず食料。例えば夏の荒野の無人地帯を250km走るとする。1日の走行距離を約100kmと考えて3日で充分走れる距離だが、念のためプラス1日分を含め4日分の水と食料を補給する。僕はインスタントラーメンとパスタか米をメインで持っていた。

 ここで重要なのは食べる量を決めること。決めないと際限なく食べてしまうのだ。インスタントラーメンは1回に2袋。パスタは125gが1食分(だいたい500g入りなので4分の1)。米だと1合が1食分。昼にラーメンを作り、夜に2食分の食事を作り、次の朝に食べるなどをしていた。

アンデスの無人地帯を5日間で走る計画をした時の食糧 Photo: Gaku HIRUMA

 これだけでも食料バッグはラーメン8個、パスタ1kgで大半を占める。そこに腐りにくい玉ねぎやニンジンを詰め、クッキーなどの行動食も買う。

 水は自炊分を考え1日3Lとして、約12Lの水を運んでいたから、水と食料だけでも15kgという重さになる。ここに塩、砂糖、醤油、油、コンソメなどの調味料と鍋、バーナー、燃料。テントや寝袋などの旅に必要不可欠な装備から、コーヒードリッパーとコーヒー豆、一眼レフカメラにパソコン、走りながら音楽を聞くためのスピーカー、街で着るための服などなど、走行には関係のないものもだんだんと増えていくと、荷物だけで60kg近くはゆうにあった。

インスタントコーヒーにすれば軽量化できるが、自分で淹れたコーヒーを絶景を観ながら飲むのは最高の贅沢だ Photo: Gaku HIRUMA
雄大な景色の中ただコーヒーが落ちるのを待つ至福の時間 Photo: Gaku HIRUMA
前日の雨で濡れた装備品を乾かす Photo: Gaku HIRUMA

 僕は心配症という事もあり大量の荷物を持っていたが、反対にこういうスタイルの人もいる。真夏の南アフリカの路上で60歳手前の日本人サイクリストの信太(しだ)さんに出会った。あまりにも荷物が少ないので、地元の人かと思ったくらいだが、聞くと各大陸で自転車を買い旅をしているという大ベテランだった。

日本人サイクリストの信太さん。僕とは対照的に軽量化した装備で世界を走っている Photo: Gaku HIRUMA

 僕の通ってきたルートとは逆ルートでアフリカを北上するとのことだったが、あまりにも荷物が少ない。食料はどうしてるんですか?と聞くと、食パンを「ぎゅーっ」と圧縮して持ち運び、それをちびちび食べてしのぐという。

 ものすごくストイックだ。でも、水は少なすぎる。30℃を超える暑さのなか1.5Lのペットボトルの水しか持っていない。さすがにこれは少なすぎませんか?と聞くと、こう返ってきた。

 「我慢します」

 海外ツーリングは色々なスタイルがあり、本当に面白い

ここまで装備を切り詰められるのかと目から鱗だった Photo: Gaku HIRUMA
欧米人は軽量の荷物で走る人が多い Photo: Gaku HIRUMA
昼間岳昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ「Take it easy!!

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