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ツアー・ダウンアンダー2018 第1ステージグライペルが集団スプリントを制し、通算17勝目&3年連続開幕戦勝利を飾る

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 2018年シーズンのUCIワールドツアー初戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーのレースが1月16日に開幕した。第1ステージはポート・アデレードからリンドックまでの145kmで争われ、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)がダウンアンダー通算17勝目となるステージ優勝を飾った。別府史之(トレック・セガフレード)、新城幸也(バーレーン・メリダ)の両日本人選手もトップと同タイムでフィニッシュしている。

ツアー・ダウンアンダーとは抜群の相性を誇るアンドレ・グライペル。自身の記録を塗り替える歴代最多の通算17勝目をあげた Photo : Yuzuru SUNADA

2人欠場となり、計131人がスタート

 海沿いのポート・アデレードを出発し、標高200〜300mのリンドック周辺の丘陵地帯を3周してフィニッシュするコースレイアウトになっている。細かいアップダウンを含むもののフィニッシュ地点に向けた終盤は下り基調の平坦路となっており、集団スプリントになる展開が予想されていた。

ハルヴォルセンの同僚のエガン・ベルナル。両者ともチーム期待の新人だ Photo : Yuzuru SUNADA

 なお、クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チーム スカイ)とビヨルグ・ランブレヒト(デンマーク、ロット・スーダル)は欠場となった。ハルヴォルセンは、2日前のピープルズ・チョイス・クラシックで落車して右手を骨折してしまい、帰国して手術を受けるとチームは発表している。

 ランブレヒトはUCIが定めるワールドツアー開催42日前までの居場所報告を怠ったとして、出場停止となった。ただし、ランブレヒトが本ルールの研修を受けたのがダウンアンダー開催31日前のことで、42日前の報告は不可能だった。そのためチームはUCIに抗議しているが結局欠場を余儀なくされた。スカイ、ロット・スーダルともに、規定より1人少ない6人での出走となった。

 レースが始まって間もなく、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ)、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、スコット・ボウデン(オーストラリア、ユニサ オーストラリア)の3人の逃げ集団が形成された。

逃げに乗ったサイモン・クラーク(左)とニコラス・ドラミニ(右) Photo : Yuzuru SUNADA

 38.6km地点の2級山岳はドラミニが先頭通過。この日の山岳賞ジャージを確定させた。すると、ボウデンが遅れてしまい、逃げはドラミニとクラークの2人になった。

 メイン集団はミッチェルトン・スコット、バーレーン・メリダらが率いており、逃げ集団とのタイム差を4分30秒程度でコントロールしていた。

中間スプリント1秒をめぐる攻防

 第1ステージは中間スプリントが2カ所設けられていた。1位通過者には3秒、2位は2秒、3位は1秒のボーナスタイムが与えられる。総合優勝者と総合2位のタイム差が2016年は9秒、2015年は2秒、さらに2014年はわずか1秒だったことを考えると、ボーナスタイムは非常に重要な要素となってくる。

野生のカンガルーに注意、という道路標識のある地域を走行する集団。オーストラリアではカンガルーと自動車の衝突事故が年間2万件以上起きているそうだ Photo : Yuzuru SUNADA

 2人が逃げ続ける一方、メイン集団では中間スプリント3位のボーナスタイム、1秒を巡っての競り合いが起きた。

 1回目の中間スプリントまで残り2kmの地点で、メイン集団からローラン・ディディエ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)がアタックを仕掛けた。これを追ってルイ・コスタ(ポルトガル、UAEチーム・エミレーツ)、ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)も飛び出す。

 3人による中間スプリント争いは、スプリント力に勝るレストレポが先着。惜しくもボーナスタイムを逃したルイ・コスタはハンドルを叩いて悔しがる姿を見せていた。

スプリントに備え、メイン集団内で走行するペテル・サガン Photo : Yuzuru SUNADA

 2回目の中間スプリントでは、ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)とジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が争い、ハースが先着し1秒ボーナスタイムを獲得した。

 カチューシャ・アルペシンが共に1秒ずつ獲得し、総合優勝の期待がかかるハースが1秒先行したことは、後のステージでどう影響するか注目しておきたいポイントだ。

誰よりも力強い走りを見せたグライペル

 逃げの2人は、残り30km地点でクラークがドラミニを振り切って独走に持ち込んでいた。2012年の第2ステージで後続に1分2秒差をつけてステージ優勝を飾った経験を持つクラーク。しかし集団スプリントに持ち込みたいメイン集団を振り切ることは叶わず、残り10km地点で吸収された。

 すると、各チームがトレインを組んで一気にスピードを上げ、集団は大きく縦に伸びた。フィニッシュ地点に向けて激しい位置取り争いが繰り広げられていた。

 ラスト1kmのフラムルージュは、ミッチェルトン・スコットが先頭で通過。追い上げてきたクイックステップフロアーズのトレインが先頭に出て、残り300mの最終コーナーをクリアした。

 ファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)に導かれて、エースのエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を発射。同じタイミングで背後からカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)もスプリントを開始した。ヴィヴィアーニは左サイド、ユアンは右サイドから、フィニッシュに向かって突き進む。

 ユアンの背後にピタリとマークしていたのがグライペルだった。ユアンが得意の超低姿勢のスプリントを繰り出している横から、グライペルが猛然と差し込んできた。3番手でスプリントを開始したグライペルがツアー・ダウンアンダー通算17勝目となるステージ優勝を飾った。

強さを誇示したアンドレ・グライペルのスプリントだった Photo : Yuzuru SUNADA

 グライペルは2016、2017年シーズンに続き、3年連続で自身にとっての公式戦開幕レースを勝利で飾った。小細工なしの真っ向勝負で、好位置でスプリントを開始したユアンとヴィヴィアーニ、そして2日前のピープルズ・チョイス・クラシックで勝ったペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)を振り切る見事なスプリントを見せた。

リーダージャージに袖を通すアンドレ・グライペル。隣はプレゼンターを務めたイェンス・フォイクト Photo : Yuzuru SUNADA

 レース後のインタビューで、グライペルは「素晴らしい勝利だよ。とても速いスプリントだったけど、出来る限り待ってから仕掛けることができた」とレースを振り返りつつ、「数年ぶりにツアー・ダウンアンダーに戻ってきて(※グライペルは2014年以来の参戦)、勝利できてよかった。チームメイトが1人欠けていても、チームは最高の仕事をしてくれた。リーダージャージを着ることができて嬉しく思う」と喜びのコメントを残した。

 第2ステージは、アンリーからスターリングまでの149kmで争われる。フィニッシュ地点は上り勾配で、スプリント力のあるパンチャーに有利なコースレイアウトになっている。

第1ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) 3時間50分21秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
5 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
6 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム・サンウェブ)
7 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)
8 マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9 ラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、バーレーン・メリダ)
10 リカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナ プロチーム)
19 別府史之(日本、トレック・セガフレード)
68 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

個人総合
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) 3時間50分11秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +4秒
3 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
4 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +6秒
5 ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) +9秒
7 ヨナタン・レストレポ(コロンビア、カチューシャ・アルペシン)
8 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) +10秒
9 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
10 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム・サンウェブ)
22 別府史之(日本、トレック・セガフレード)
70 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

ポイント賞
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル) 15 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 14 pts
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 13 pts

山岳賞
1 ニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ) 10 pts
2 ウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 6 pts
3 スコット・ボウデン(オーストラリア、ユニサ オーストラリア) 4 pts

敢闘賞
ウィリアム・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

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