玄関を出るとすぐ山岳コース選手は“元教室”に滞在 相模原市の廃校を活用し、チームワークを磨いたチームUKYO

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
  • 一覧

 チームキャプテンの畑中勇介が6月の全日本ロードレース選手権で初の優勝、チームとしてもUCI(国際自転車競技連合)アジアランキングにおいてトップで今シーズンを終えたチームUKYO。飛躍の裏には山中の廃校を活用した“ベース”で築いたチームワークがあった。若手からベテランまで集った合宿生活を取材した。

校舎2階は選手が滞在する部屋が並んでいる Photo: Shusaku MATSUO

市民のオープンスペースに

廃校を活用した「チームUKYOベース」 Photo: Shusaku MATSUO

 チームは今年、UCI1クラスのステージレース「ツール・ド・台湾」をベンジャミ・プラデス(スペイン)が、「ツアー・オブ・ジャパン」をオスカル・プジョル(スペイン)がそれぞれ総合優勝。内外の国際レースで活躍し、UCIポイントを稼いだ。さらに全日本選手権を畑中が独走で勝利しビッグタイトルを獲得。念願のナショナルチャンピオンジャージに袖を通した。2012年のチーム設立以来、最高のシーズンとなったといえるだろう。

 「チームUKYOベース」があるのは神奈川県相模原市、相模湖と宮ヶ瀬湖に挟まれた山中にある。ここは使用されなくなった廃校で、相模原市長と観光協会の協力のもと活用している。名誉市民である代表の片山右京氏へと無償で貸与。チームのトレーニングベースとして使われているが、普段から市民のオープンスペースとしても開かれている。

玄関にはこれまで獲得した賞状やトロフィーが並ぶ Photo: Shusaku MATSUO
元音楽室では大西メカニックがタイヤを貼っていた Photo: Shusaku MATSUO

 遠征が多い選手たちは毎日ベースに滞在しているわけではない。重要なレースの前といったトレーニングキャンプなど、コミュニケーションを密に取った走り込みが必要な時に利用しているという。それぞれが自宅から車で集合し、キャンプの時期は数日間滞在するというスタイルで、宿泊する部屋は元教室だ。

「静かで過ごしやすい部屋です」と部屋を見せてくれた徳田鍛造 Photo: Shusaku MATSUO

 廊下の先にある教室内部は改装され、滞在ができるよう2段ベッドや机、エアコンが備え付けられている。よく部屋を利用するという徳田鍛造は「山の中なのでとても静かで快適です。夜間が不気味だと最初は思いましたが慣れましたね」と整頓された部屋を披露。弟の徳田優は「洗濯や掃除も自分たちで行います」と話し、トレーニング以外の合宿生活の一面を見せてくれた。市から借り受ける際に、施設の清掃も条件に含まれているという。

全日本チャンピオンジャージに身を包む畑中勇介がチームメートをけん引する Photo: Shusaku MATSUO
休憩でも会話が絶えず、和やかな雰囲気 Photo: Shusaku MATSUO

 他にも、元は音楽室だった部屋では大西恵太メカニックがチューブラータイヤをホイールに装着していたり、元職員室は選手たちのミーティングルームとして活用されていた。

 沼澤祐介マネージャーは「チームで占有するわけではなく、地元の方々と繋がる場としての活用を目指しています。大雨、地震の際は避難所になりますし、選挙の時には機材を外に出して投票所としても機能します」と明かした。また、「全員がここに集まる機会は少ないですが、ここでの生活がチームワークを磨いた一端になったかもしれませんね」と話し、トレーニングに出発した選手たちを見送った。

今年は日本人選手を中心にキャンプなどで活用された Photo: Shusaku MATSUO

 チームUKYOは2018シーズン、バイクスポンサーがフジとなり、チームジャージは赤と黒を基調とした“アドバンカラー”へと変更。国内外から強力な新戦力も加えて、さらなる躍進を狙う。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

チームUKYO

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載