小型化しつつ精度が向上一見すると“普通のペダル”のようなパワーメーター ガーミン「ベクター3」を実装テスト

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ガーミンのペダル型パワーメーター「Vector」(ベクター)がフルモデルチェンジを行い、第3世代の「ベクター3」として12月26日に発売された。従来機種ではペダル軸に装着していたペダルポッドを廃止し、スマートな外装を実現。さらに計測精度を向上させてブラッシュアップを果たした。

一見すると普通のペダルにしか見えないガーミンのパワーメーター「ベクター3」 Photo: Shusaku MATSUO

取り付け・付け替えが簡単に

 主にライダーの“ペダルを漕ぐ力”が加わる箇所にセンサーを配し、サイクルコンピューター上で可視化するパワーメーター。クランクやハブ型など、さまざまな製品が各社から販売されているが、ガーミンのベクターはペダル式だ。ライダーの体から近い位置にあり、ダイレクトに力が加わるペダル軸にひずみゲージが内蔵されている。

ペダル軸に取り付けられた「ベクター2」のペダルポッド Photo: Kenta SAWANO

 2世代目までのベクターにはペダルポッドと呼ばれる受信機がペダルとクランクのコネクト部に装着され、ペダル軸内で算出したデータを受信し、サイクルコンピューターへとデータを送信していた。軽量、スリムでライダーのペダリングを阻害しない形状ではあるが、突起物ではあるため、地面や障害物と接触して破損するリスクが少なからずあった。

 ベクター3はこのペダルポッドが無くなったことが最大の特長だ。一見するとパワーメーターを内蔵しているとは思えない、すっきりとした外観となった。15mmのペダルレンチを用いてクランクへと装着するため、通常のペダルの取り付け方と何ら変わらない。複数台のバイクを持っていても、付け替えがイージーなので、より簡単に活用できるようになった。計測精度はベクター2で±2%だったが、ベクター3から±1%とさらに向上。左右合わせて約40gの軽量化も果たしている。

特別に厚くないため、コーナー中ペダルが地面にヒットしづらい設計 Photo: Shusaku MATSUO
ペダルポッドの役割はペダル軸内に収まった Photo: Shusaku MATSUO

 実際にバイクへ装着すると、あまりにも“普通のペダル”なので、その進化に驚いた。パワーメーターを付けている感覚は皆無なので、装着していることをアピールしたいライダーは「玉にきず」かもしれない。肝心の性能だが、ガーミンコネクトでデータを分析できる項目はベクター2からそれほど変わっていない。しかし大きなペダルポッドが内蔵し、小型化したのは評価すべきポイントだろう。

アップデートはスマホ接続でOK

スマートフォン用のアプリ「ガーミンコネクト」上でファームウェアのアップデートも可能となった Photo: Shusaku MATSUO

 ベクターシリーズの特長は、ペダルにかかる力の左右バランス、円運動のどこで力がかかっているかを表示する「パワーフェーズ」、ペダルの踏面のどこに力がかかっているかを表した「プラットフォームセンターオフセット」などを測れる点だ。ガーミンコネクト上で細やかにデータを見返すことができるほか、対応したエッジシリーズではリアルタイムに可視化することも可能だ。ファームウェアはアプリ「ガーミンコネクト」がインストールされたスマートフォンからもアップデートできる。レース中、無意識でのペダリングデータを見返して癖を探り、ローラー上で左右バランスを矯正するといった活用方法を試すこともできた。

ベクター3では踏面にかかる左右バランスや、円運動の配分も測定ができる Photo: Shusaku MATSUO

 バッテリーは外側のボルトを4mmのアーレンキーで外すことで交換できた。ボタン電池を使用し、約2カ月、トレーニングや実戦で3000kmほどで残量低下のサインが出た。バッテリー状況はペダル軸部のLEDインジケータ―か、ガーミンコネクト上で確認することができる。

ガーミンコネクトではパワーだけでなく、様々な項目の測定が可能 Photo: Shusaku MATSUO
可視化された測定項目 Photo: Shusaku MATSUO

 クリートは先代と同じくルックKeoタイプが用いられ、キャッチが深く、安定したペダリングが可能だ。ボディや軸の精度も高く、ガタが出る様子はない。スプリントで大きな力を多方向からかけてもしっかりとパワーを伝えてくれたので、ペダル自体の性能も上々だ。

エッジシリーズとの相性も良く、ペダルのペアリングもスムーズ Photo: Naoi HIRASAWA

 「ベクター2」も不便と思ったことは一度もないが、使い込むほどに「ベクター3」はよりストレスフリーで普段のライドに溶け込んだ。輪行にも困らず、何台もバイクを乗り換える際にも、それぞれに調整を行う必要はない。クランクが回転すると起動するので、「ペダル」として取り扱うだけで、特別な設定もなく始められとにかく楽だ。価格がよりリーズナブルな片側計測タイプの「ベクター3S」も登場しているので、パワーメーターデビューを考えているのであれば最適な製品だろう。もちろんエッジシリーズとの相性はぴったりなので、ガーミンユーザーは必見のパワーメーターだ。

■Vector 3
品番:010-01787-20
税抜価格:128,000円
使用電池:LR44もしくはSR44(×4)
重量: 316g
※左右計測、サイクリングダイナミクス対応

■Vector 3S
品番:010-01787-21
税抜価格:79,000円
使用電池: LR44もしくはSR44(×2)
※片側計測

<Vector 3 / 3s 共通スペック>
稼働時間:最大120時間
耐荷重量: 105kg
測定精度: ±1.0%
対応クリート: LOOK keo
Qファクター:53mm、55mm(付属ワッシャー使用時)
スタックハイト: 12.2mm
校正機能: ○
リリーステンション調整: ○

■Vector 3S アップグレードキット(vector3sを左右計測に変更できるセンサー内蔵の右ペダル)
品番:010-12578-20
税抜価格:69,000円

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