フルームのサルブタモール陽性続報反ドーピング団体「MPCC」がフルームの暫定的出場停止をチーム スカイに要求

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 サイクルスポーツの倫理促進活動を行う団体「MPCC」(世界アンチドーピング倫理運動)は12月18日、「サルブタモール」の異常値が発覚した2017年のツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャ2冠のクリストファー・フルーム(イギリス)の暫定的出場停止を、所属するチーム スカイに要求した。

自身初のブエルタ・ア・エスパーニャ総合優勝を達成し表彰台に登ったクリストファー・フルーム =2017年9月10日 Photo : Yuzuru SUNADA

 MPCCは今回の要請に際し、「最終的な裁定までの期間、チーム スカイに対し該当ライダーを自発的に出場停止状態に置くよう求めた」と声明。さらに、「この措置は、該当ライダーとチームが自らの弁護に集中することを可能とするだけでなく、他チームのマネージャーとライダーとの関係性に緊張感が生まれることを避けるためのものでもある」と、そのねらいについても説明した。

MPCC加盟チームの車両には同団体のロゴが記される Photo: Sport-phot.com/Nicolas Götz

 MPCCでは加盟チームに対して、禁止薬物に陽性反応を示した所属選手が現れた場合、自発的に暫定的出場停止にすることを規定している。一方で、MPCCは任意団体のため、UCIに登録するサイクルロードレースチームの加盟義務は存在しない。トップカテゴリーのUCIワールドチームのうち、7チームがMPCCに加盟しているが、チーム スカイは参加しておらず、今回の要請に対するこれからの動きはチームとフルームの判断にゆだねられる。それでもMPCCは、「この競技の透明性を目的としたルールであることから、サイクルスポーツ界全体のメリットになる」と強い姿勢を示し、未加盟のチーム スカイにも加盟チーム同様の動きを求めた。

 2007年にフランスにて創設されたMPCCは、現在はアージェードゥーゼール ラモンディアル、ボーラ・ハンスグローエ、キャノンデール・ドラパック、チーム ディメンションデータ、エフデジ、ロット・ソウダル、チーム サンウェブのUCIワールドチーム7チームのほか、20の同プロコンチネンタルチーム、9の同コンチネンタルチーム、6の女子チームが加盟。ツアー・オブ・ジャパンやエキップアサダなど、日本からもレースオーガナイザーやチームが参加している。「信頼できる自転車界を作るムーヴメント」(Mouvement Pour un Cyclisme Crédible)を合言葉に、UCIやWADA(世界アンチ・ドーピング機関)よりも厳しい倫理規定の中でレース活動を行うことを、加盟チームに意識づけていることが特徴に挙げられる。

マイヨロホを着て頂上ゴールを制したクリストファー・フルーム =ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ、2017年8月27日 Photo : Yuzuru SUNADA

 フルームの尿サンプルからサルブタモールの異常値が表れたのは、ブエルタ・ア・エスパーニャ期間中の9月7日。同20日にフルームへ通知がなされ、その後Bサンプルによる再検査を行ったが、同様の結果となっていた。検出されたのは、WADAが定める上限値1000ng/ml(ナノグラム・パー・ミリリットル)の2倍にあたる2000ng/ml。UCIが12月13日に公表し、チーム スカイとフルームは「ブエルタ期間中に喘息が悪化し、サルブタモールの投与量を増やしていたが、既定の容量を超えて使用しないよう細心の注意を払っていた」とコメント。UCIは現在、チーム スカイとフルームに対し異常値の理由説明を求めている。

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