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工具はともだち<125>強さと薄さを兼ね備えたKTCの「ペダルレンチ」 独特な形状に強さの秘密

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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 強い北風が冬の到来を告げる中、今年で3回目を迎えたKTCとCyclist編集部とのコラボレーションイベントも無事終了。今年は「福田萌子さんと走る秋の京都&工場見学」と題して、恒例となりましたTOJ京都ステージの一部と京都府から奈良県に渡って伸びる木津川のサイクリングロードを走る約45kmのライドと、KTCの工具製造の現場の見学、さらにゲストに迎えたモデルの福田萌子さんのトークショーと、他では体験できない盛りだくさんなイベントとなりました。

「福田萌子さんと走る秋の京都&工場見学」のライドに出発する参加者たち =2017年11月23日、京都府久御山町 Photo: Yoshiyuki KOZUKE

 毎回多くの方に支えられて開催しているイベントですが、ゲストやスタッフは勿論のこと、ライドを先導していただいたシルベストサイクルの皆さんをはじめ、参加者の皆さんにもかなり助けられながら、毎回感謝してもしきれないほどありがたい気持ちでいっぱいになるイベントです。

 今回は特に祝日ながら、KTCの工場が稼働しているという非常にレアなタイミングを利用して開催しましたので、このイベントで初めて工具を製造する工程をご覧いただけた事が大きかったと思います。これまでも「工具はともだち」の中で「工具の製造工程」をご紹介して参りましたが、やはり実際に見るのは迫力も臨場感も大きく違いますし、何と言っても工場見学は理屈抜きでとにかく楽しいものです!(これは筆者の私見ですが。笑)

 今回の工場見学ではKTCの製造部長自らが案内するという非常にレアなものでしたが、KTCの製造部長は実はサイクリストでもあり、昨年に続き今年のライドも伴走をしてくれています。そんなサイクリストでもある製造部長が愛してやまない自転車工具を今回はご紹介したいと思います。

太目のグリップと薄いヘッド

 その工具とはペダル交換時の重要工具「ペダルレンチ」です。最近のロードバイクでは六角棒レンチ(アーレンキー)を使う方も多いかもしれませんが、まだまだ必要とされる方は多いと思います。KTCの「ペダルレンチ」の特長はなんといってもその強さにあります。一般的なペダルレンチには鉄板をプレス加工した物が多いのですが、KTCの「ペダルレンチ」は鍛造で作られています。

KTCの「ペダルレンチ」 ©KTC

 これを聞いても「だから?」と思われる方も多いと思いますが、鉄板を打ち抜いて作られた物と鍛造では強度の差は歴然です。近年は適切な範囲で締められている自転車が増えましたが、かたく締まっているペダルを外すのは一苦労するものです。プレス品の場合、力を掛け過ぎると工具が壊れる可能性すらありますが、鍛造品ならその点は随分安心できます。今回のイベントで工場案内をしてくれた製造部長も、この「ペダルレンチ」の強さについて、熱間鍛造の鉄以上に熱く語っていたようです。

 ただ、この「ペダルレンチ」、工法だけで強い訳ではなく、その独特な形状にもその強さの秘密があります。一見してわかるのですが、口径に対し非常に頭が大きくなっています。通常のスパナ形状だと強い力が加わった際、どうしても先端に力が集中し、口が開いたり食い込んだりしてしまいますが、「ペダルレンチ」は厚みを持たせるわけにはいかないため、その独特な形状で強度を出しているんです。

KTCのペダルレンチには2種類の角度が設定されている ©KTC

 また、グリップを太目にする事で力を掛けやすくするなど形を工夫しているのですが、造るとなると結構大変だったようです。先端とグリップで大きく異なる厚みや、大きく薄いヘッドなど鍛造にとっては難しい条件が揃っているためで、開発時には何度も失敗したようです。どんな物でも同じかもしれませんが、簡単にできた物より、苦労して作った物の方が愛着も沸くものです。この「ペダルレンチ」にはそんな開発者の想いも一緒に、KTCのエアスタンプハンマーで形作られています。

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Cyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShopCyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShop

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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