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ドイツブランド「ION」と、ノースウェーブも初体験信州・伊那、晩秋の極上トレイルを「SANTA CRUZ」のバイクと、快適ウェアで満喫

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 信州・伊那に全国からマウンテンバイカーが集まるというトレイルがあり、人気のガイドツアーは平日でも予約でいっぱいだという。マウンテンバイク(MTB)初心者のCyclist編集部が長野県伊那市の「TRAIL CUTTER」(トレイルカッター)を訪問。アメリカの山々でダウンヒルを中心に人気を築いてきた「SANTA CRUZ」(サンタクルズ)のMTBで、晩秋の南アルプスの山々を堪能した。

トレイルカッターが作った極上のコーナーを4人で満喫 Photo: Naoi Hirasawa

口コミで人気「トレイルカッター」へ

まずはバンの後部にバイクを載せ、一気に1500m付近まで連れて行ってくれた Photo: Naoi Hirasawa

 東京から中央自動道を使って車で3時間強で集合場所の「道の駅・南アルプスむら長谷」に到着。南アルプスの山々を眺めながら深呼吸していると、今回お世話になる「トレイルカッター」代表の名取将さんが出迎えてくれた。あいさつもほどほどに、バイク4台をクルマに積み込み、伊那市長谷の標高1500m地点まで上った。今回、山の本格的なトレイルは初めて。景色の良いコースをリクエストすると、名取さんが「今回は中級コースですね」と車を運転しながら説明してくれた。遠くの山頂には初雪が降ったということで、晩秋の最後のチャンスで山に入った。

 Cyclist編集部が訪れたのは、設立11年目を迎えるマウンテンバイクガイド&トレイルビルド。長野県伊那市に本拠を置き、自然を生かしたトレイルを作りながら管理、それらを巡るガイドも行っている。初級からベテランまで、訪れたライダーのレベルに合わせて、トレイルを組み合わせたコースを組んでくれるのが魅力だ。

ここからどんなトレイルが待っているのか? 期待に胸を膨らませる Photo: Naoi Hirasawa

 標高1500メートルに着くと、腕時計の指し示す気温は0度近くと、この秋一番の冷え込みだった。クルマからバイクを下ろし、タイヤの空気圧や装備を確認。「では1日楽しみましょう!」と盛り上げてくれる名取さんを先頭に、緩やかなダウンヒルを開始。最初は砂利混じりの林道を走っていたが、すぐに「ここから山に入ります」と名取さんは一気に180度近くターンしながら、山に入っていく。

 コースは「超快適」なほぼ下り基調。右側は斜面、左側は谷というシチュエーションの道幅80センチほどのシングルトラックを進む。ガイドの名取さんは無駄のない動きで、先頭を引っ張り、そのラインをできるだけトレースするようについていく。離れそうでなんとか着いていける絶妙なスピードだ。初心者の私を振り返りながら、調節してくれているのだ。

先頭の「トレイルカッター」名取さんの的確な指示でトレイルを走る Photo: Naoi Hirasawa

 序盤のコースを最初は何も考えず下っていたが、スピードが出る下りの後は、コブのような上りがあり、また下る、の繰り返し。ジェットコースターがずっと続くような痛快なコースだった。片側は谷底のようになっているが、次のコーナーがどう曲がっているかに気をつけて、スピードを落とさず、バイク1台くらいの間隔を空けついていった。下るときは重心を低く、コブを超えるときは舐めるように体重移動するようなイメージでトレイルを楽しんだ。

ガイド中も笑顔を絶やさないトレイルカッターのお二人。代表の名取将さん(左)と木村悠馬さん Photo: Naoi Hirasawa

 本格的なマウンテンバイク初体験の私がここまで、山奥のトレイルを楽しめるのは、名取さんたち「トレイルカッター」の努力によるものだった。トレイルカッター代表の名取さんは、90年代を、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のノースショアという場所でマウンテンバイクに乗って過ごした。そこでは一人のトレイルビルダーが少しずつ理想のトレイルを作り、聖地を作っていったと言う。その人物が尊敬の念を込めて「トレイルカッター」と呼ばれ、自分もそのような活動を目指そうと思い、団体名に採用したという。

 そして名取さんは帰国後、富士見パノラマなどでMTBコース管理やパトロールとして活躍し、2007年から縁のあった伊那で「トレイルカッター」を設立。地元の森を管理する自治体と話し合いをすすめ、森を保持しながら、MTB用のトレイルを整備することで、全長60kmにもなる自然をそのまま生かしたトレイルを作り上げた。ガイドの合間に時間を作り整備、そしてその道はまだまだ伸びつつある。その極上の道の噂を聞きつけ、口コミだけで平日のガイド予約も埋まっているという。

白樺も混じる森の中のトレイルを一列で走る Photo: Naoi Hirasawa

中級コースが「サンタクルズ」で快適に

 そんな手塩にかけたトレイルを、下っては上り、上っては下りながら、名取さんは「楽しいでしょ〜」と言う。その言葉には、自慢も含まれている気もするが、ジェットコースターのような楽しさ満載の下りを、子供に戻ったように全身で山を感じるトレイルが楽しくないわけがない。「最高ですね!」と答え下りを楽しんでいると、今度は連続するコーナーに突入。BMXコースのように高くカーブし、減速しないで一気に走り抜けられるようなもので、4人はそのまま次々とコーナーを回った。ここも名取さんたちの手作りのトレイルの一部だった。

 やはり、トレイルの名人が作るトレイルは、乗り心地抜群だ。厳しい山のトレイルだと、もっと手や足や腰に負担が来ると思っていたが、コースの半分を走っても疲れがなく、「自分がMTBに、向いているのではないか」と内心思いながら、そのことを告げると、名取さんから「バイクがいいですもんね」と返答があった。

今回試乗した「NOMAD」(手前)、「BRONSON」(後方中央)。2018年モデルはともに、森に溶け込むアースカラーが特徴だ Photo: Naoi Hirasawa

オールマウンテン「NOMAD」と「BRONSON」

 今回、メインで乗ったのは、サンタクルズのオールマウンテンモデルの「NOMAD」(ノマド)。英語で「遊牧民」と言う名の通り、ダウンヒルはもちろん、トレイルもこなせる「遊べる」バイクだ。2018年モデルでは、同社のダウンヒル用フラッグシップモデル「V10」のリアサスペンションを導入したもので、細かい段差や岩もほとんど感じないほど滑らかにクリア。初心者の私でも体にストレスがなく、「中級用のトレイル」を楽しめたのは、アメリカの山々で信頼を得てきた高性能機材のおかげでもあった。

赤松の生える岩場の尾根もフルサスペンションのMTBで楽しんで進めた Photo: Naoi Hirasawa

 
 中盤からは、サンタクルズの「BRONSON」(ブロンソン)に乗り換え、白樺に囲まれた森に入った。やや平坦のコースだったが、晩秋を迎えた森の中で、落ち葉の絨毯は深さ20cmほどになるところもあり、水溜りの中を走っているような感覚を楽しめた。少し上りもあったが、落ち葉の中でもスイスイと進んでいった。普段はロードバイクやシクロクロス車を楽しむ筆者だが、「フルサスペンションでもこれだけ軽いのか」と感じた。実際に重量も13キロ台後半というが、新開発の同社オリジナルのカーボンホイールを履いていたことが、走りの軽さにもつながっているように感じた。

終盤のハイライト、連続コーナーを4人で楽しむ Photo: Naoi Hirasawa

 終盤は岩の多い尾根伝いに下った。杉林が多い関東近郊に比べると、赤松の木と荒々しい岩場が続く信州の山々は、海外に行ったような気分にさせてくれる。(海外の山を走ったことはないが。。)パンクに注意しながらも、フルサスペンションのMTBで思いのほか、岩場や急な下りを攻めることができた。約10kmの下り基調のトレイルのクライマックスは名取さんたちが作った連続コーナーだった。「斜度のあるコーナーでは、タイヤがしっかり垂直に接地するように、体重移動してください」と言う教えを守り、見よう見まねでクリアしていった。「何回も同じコースを走りたい!」と思いながらも、一度きりの下りコースの楽しさを、体にしっかり覚えこませるように走った。

長いトレイルを走り終え、晩秋の山々をバックに記念撮影 Photo: Naoi Hirasawa

 トレイルを抜けると、いつの間にか里山に降りていた。もう森の中ではないが、竹林の間をクールダウンするように走る。海外のような大自然のトレイルから一転、日本の田舎らしい、牧歌的な風景にホッとしながら、集合場所の道の駅へと戻った。

 「今は昔からある走りやすい道と、自分たちで作ったマウンテンバイク用のトレイルをつなげて走っていますが、もっともっとトレイルを伸ばして、すべて自転車用の道ができたらと思っています」と名取さんは目標を話した。筆者にしてはトレイル初体験にして、最高の場所を走ってしまったわけだが「もっと上手くなって、より『トレイルカッター』のコースを楽しめるようになりたい。そして、また春の木々が芽吹く時期に来よう」と心に誓い、伊那を後にした。

◇         ◇

「フレーム生涯保障」など心強いサービス

 今回、使用したバイクはサンタクルズの「BRONSON」と「NOMAD」。サンタクルズは、もともとスケートボードも製造していたアメリカンブランド。同社の製品には「フレーム生涯保障」と「ベアリング生涯保障」という、山で激しく乗り倒すライダーには、心強いサービスがついている。入門用には、決して安い買い物ではないが「いつかはサンタクルズ」と欲しくなる魅力や機能が満載なブランドだ。

「NOMAD」のニューモデルは、ダウンヒル用バイク「V10」のリアサスペンションの技術を取り入れた Photo: Naoi Hirasawa
「NOMAD」のリアサスペンション部分 Photo: Naoi Hirasawa
車種名の「NOMAD」はチラ見せ Photo: Naoi Hirasawa
オールマウンテンライド・レースバイクの「BRONSON」 Photo: Naoi Hirasawa
「BRONSON」のリアサスペンション Photo: Naoi Hirasawa
「BRONSON」のロゴ Photo: Naoi Hirasawa

足元はノースウェーブの「エンデューロ・ミッド」

「ノースウェーブ」のオールマウンテン用シューズ「エンデューロ・ミッド」 Photo: Naoi Hirasawa

 シューズはイタリアの人気メーカー「ノースウェーブ」のオールマウンテン用シューズ「エンデューロ・ミッド」を着用。トレイル初挑戦のため、ビンディングペダルでなく、フラットペダルで山に入ったが、ソールがペダルにしっかり食いつき、ぐらついたりすることなく、ダウンヒルに集中することができた。くるぶしも守ってくれるミッドカットも「もしも」の時に心強かった。

ソールにはミシュランのタイヤパターンと同じものを採用 Photo: Naoi Hirasawa
「ノースウェーブ」のオールマウンテン用シューズ「エンデューロ・ミッド」はカラーも豊富だ Photo: Naoi Hirasawa

「ION」でトータルコーディネート

IONのウェアはサンタクルズの渋いカラーリングとコーディネートも抜群 Photo: Naoi Hirasawa

 今回着用したドイツブランドのウェア「ION」(アイオン)は、もともとカイトボーディングやウィンドサーフィン用のウェットスーツなどの製造から始まったウォータースポーツ寄りのブランドだ。2012年からバイクウェア部門が始まったばかりだが、サイクリングギアとプロテクターをメインに、デザインはもちろん、機能性抜群のウェアが揃う。

ストレッチが効きながら防水性も高いジャケット「3LAYER JACKET SHELTER」 Photo: Naoi Hirasawa
ルーズシルエットながらフィット感も抜群なバイクショーツの「SCRUB」 Photo: Naoi Hirasawa
ウェアの内側が「メガネ拭き」になっている仕掛けも Photo: Naoi Hirasawa

 ジャケット「3LAYER JACKET SHELTER」(3レイヤー・ジャケット・シェルター)は、軟らかい4ウェイストレッチ素材を3層構造で縫い合わせることで、高い防水性も持ち合わせている。ジャケットやジャージには「メガネ拭き」のクロスが忍ばせてある仕掛けも大変機能的だった。バイクショーツの「SCRUB」(スクラブ)同様、スタンディングで前かがみになっても、シッティングで漕いでも、突っ張ったりすることがなかった。

ウェアとトータルで合わせることのできる「RAMPART(ランパート)8」 Photo: Naoi Hirasawa
「RAMPART(ランパート)8」には機能的な収納がたくさん Photo: Naoi Hirasawa
背面にはたくさんの穴が開き、汗が逃げやすくなっている Photo: Naoi Hirasawa

 同社のバックパック「RAMPART(ランパート)8」も、体にフィットしながら、背面は細かくクッションが分かれ、さらにはたくさんの穴が空くことで、背中に汗や温度が溜まるのを避けてくれた。中にはメッシュ状の収納ポケットが、たくさん設置され、それぞれに空気入れや、工具など、収納できるものがイラスト化されたタグでついているなど、ドイツ製品らしい機能が満載だった。

機能的なグローブもコーディネート Photo: Naoi Hirasawa
サイドジップ付きニープロテクター「K-LITE ZIP」は伸縮性も抜群だった Photo: Naoi Hirasawa

 IONの日本入荷は2018年2月の予定だが、是非トータルコーディネートで楽しみたくなるブランドとしてお勧めだ。

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