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御神火ライド2018

女子も前日2位のマクドーナウがリベンジ前日2位の豪州王者・ジョンジェワードが独走勝利で雪辱 RAPHAスーパークロス野辺山2日目 

by 小俣雄風太 / Yufta OMATA
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 シクロクロスの祭典「Raphaスーパークロス野辺山」の2日目が11月26日、長野県南牧村の滝沢牧場で開催された。エリート男子は前日のレースを作った2名の外国人選手による争いとなり、前日2位のクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC)が圧巻の独走劇で前日の雪辱を晴らした。エリート女子も、前日の表彰台と同じ顔ぶれでの争いとなり、前日2位に甘んじたエイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING)が他の2名を寄せ付けない独走で勝利を挙げた。今井美穂(CO2 BICYCLE)は2日続けて3位表彰台を獲得している。

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圧巻の独走勝利で野辺山2日目を勝利したクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 102名がスタートした男子エリートレース。前年大会の2日目を制しているギャリー・ミルバーン(オーストラリア・SPEEDVAGEN × MAAP)のホールショットでスタートしたレースだったが、主導権を握ったのはジョンジェワードだった。パワフルな走りを見せるジョンジェワードを追ったのはミルバーンと昨日優勝しているエミール・ヘケレ(チェコ・Stevens Bikes Emilio Sports)の2名。

男子エリートには102名が出走した Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc
男子エリートのホールショットはギャリー・ミルバーン(オーストラリア・SPEEDVAGEN × MAAP) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 前日3位の竹之内悠(Toyo Frame)や、アンソニー・クラーク(アメリカ・Squid Bikes)、ケヴィン・ブラッドフォード(アメリカ・SET/Coaching.com)、小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、沢田時(ブリヂストンアンカー)、横山航太(シマノレーシング)らが出入りを繰り返しながら4位グループを形成したが、最終的に前田とクラークの2名が生き残った。

1周目の舗装路の登りで積極的な走りを見せるクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 先頭をひた走るジョンジェワードが安定したリズムを刻む一方、前日に後半の強さを見せたヘケレはミルバーンとの争いにペースを上げ切れない。舗装路の登りでのパワーと、キャンプ場区間の泥でぬかるんだコーナーが連続するセクションでのテクニックで他選手との違いを見せたジョンジェワードが、ヘケレを24秒差で下し勝利を挙げた。ヘケレに力負けしたミルバーンだが3位表彰台を射止め昨年覇者の意地を見せた。

4位パックで競り合う.アンソニー・クラーク(アメリカ・Squid Bikes)と前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc
熾烈を極めた2位争いパックははギャリー・ミルバーン(オーストラリア・SPEEDVAGEN × MAAP)とエミール・ヘケレ(チェコ・Stevens Bikes Emilio Sports) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc
日本人最高位の5位に入った前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 前田とクラークのパックはミルバーンとの差を4秒まで詰めたものの表彰台には届かず。最後はスプリント勝負となり、強烈な加速を見せたクラークが先着した。粘り強く走りきった前田は日本人最高位の5位となり前日から大きく順位を上げた。

 オーストラリアではシクロクロスのシーズンが終了しており、大会前には自身のコンディションを「80%くらい」と評していたジョンジェワードだったが、野辺山の今日のコースは自分に合っていたと語る。この日、キャンプ場の林間セクションは前日よりもコーナーが多いレイアウトに変更されていた。

前日よりコーナーを問うレイアウト変更が施されたキャンプ場セクションを「楽しんだ」とクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 ジョンジェワードはレースを次のように振り返った。「今日は1周目を走ってみて、力がみなぎっている感じがあった。コンディション的には85-90%といったところかな。前半はとにかくパワーが必要だし、後半はスキルが問われるけれどうまく走れば体力をリカバリーできる、このコースが味方してくれたよ。テクニカルな箇所では体力温存に徹し、舗装路の登りでパワーを使う。その走り方でエミルに対してタイム差を稼げたから、これは行かなくちゃと思ったんだ。残り周回が少なくなってきて20−30秒差がついてからは、舗装路の登りでもレッドゾーンまで突っ込まずに力の使い方をマネージして走ったよ。そして昨日よりもテクニカルになった区間は楽しんで走れたね。マウンテンバイカーとしてのスキルが活きたと思う」。

男子エリート表彰台。優勝クリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC)、2位エミール・ヘケレ(チェコ・Stevens Bikes Emilio Sports)3位ギャリー・ミルバーン(オーストラリア・SPEEDVAGEN × MAAP) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc
優勝したクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC)を讃えるクリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 オーストラリアチャンピオンジャージを着るジョンジェワードは、翌週のUCI宇都宮シクロクロスを走って帰国する予定だ。宇都宮には昨シーズンの世界選手権U23で2位のフェリペ・オルツ(スペイン)の参戦も決まっており、野辺山に続いてハイレベルなシクロクロスレースとなることが予想される。

 5位の前田にとって、2週間後に全日本選手権が行われる野辺山で日本人最高位に入ったことの意味は決して小さくない。昨年の全日本選手権で2位まで上り詰めた23歳が見据えるのは初めての全日本タイトル獲得だ。

UCI男子エリート2日目結果
1.クリストファー・ジョンジェワード(オーストラリア・Port Adelaide CC)57:27
2.エミール・ヘケレ(チェコ・Stevens Bikes Emilio Sports)57:51
3.ギャリー・ミルバーン(オーストラリア・SPEEDVAGEN × MAAP)58:04
4.アンソニー・クラーク(アメリカ・Squid Bikes)58:08
5.前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)58:08
6.ケヴィン・ブラッドフォード(アメリカ・SET/Coaching.com)58:22
7.竹之内悠(Toyo Frame)58:54
8.小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)59:07
9.横山航太(シマノレーシング)59:07
10.キャメロン・ベアード(アメリカ・Cannondale p/b Cyclocrossworld.com)59:07

女子はカチョレック、今井がホールショット

34名が出走した女子エリート Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 時折冷たい風が吹き付けるものの、昨日と同じく晴天のもと行われたRaphaスーパークロス野辺山2日目。34名の女子ライダーが一斉にスタートすると、ホールショットはエミリー・カチョレック(アメリカ・Squid BIKES)が取り、今井美穂(CO2 BICYCLE)が続く昨日同様の展開に。

エミリー・カチョレック(アメリカ・Squid BIKES)と與那嶺恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)、松本璃奈(GRM) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 舗装路の登りを経てエイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING)が先導する形でカチョレック、今井、與那嶺恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)、松本璃奈(GRM)による先頭グループにまとまる。松本は下位カテゴリーで目覚ましい走りを見せていた若手選手で、UCIレースのトップグループで存在感を示した。

先頭で独走を開始するエイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc
マクドーナウを追う今井美穂(CO2 BICYCLE)のグループ Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 マクドーナウがハイペースな維持しこの先頭グループは崩壊。食い下がったのは今井。遅めの立ち上がりとなった前日覇者のサマンサ・ルーネルズ(アメリカ・Squid BIKES)は舗装路の登りでポジションを上げ、今井に合流してマクドーナウを追うがその差が詰まらない。

女子エリートを制したエイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 前日よりもギアのかかったペダリングでパワフルに突き進むマクドーナウの勢いは衰えず、今井を切り離したルーネルズとの差を40秒以上に開いていく。「オーストラリアには泥のレースがあまり無いけど、だから泥が好きなの」と語っていたマクドーナウ。期待に反して泥が勝負を決めるファクターとならなかった今年の野辺山だったが、僅差で2位に甘んじた前日の悔しさをパワフルな走りで消し去ってみせた。ルーネルズは57秒差の2位に、1分18秒の遅れをとった今井は前日に続いて3位でフィニッシュした。

エリート女子表彰台。優勝エイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING)、2位サマンサ・ルーネルズ(アメリカ・Squid BIKES)、3位今井美穂(CO2 BICYCLE) Photo: Kei Tsuji / nobeyamacyclocross.cc

 2日間を通して表彰台の顔ぶれが同じという結果になったエリート女子。海外勢の強さを見せつけられる結果となったが、2日続けての3位を獲得した今井の安定感、そしてこの日7位に入った松本の積極的な走りが光った。

UCI女子エリート2日目結果
1.エイプリル・マクドーナウ(FLANDERS JBLOOD RACING)0:44:15
2.サマンサ・ルーネルズ(アメリカ・Squid BIKES)0:45:12
3.今井美穂(CO2 BICYCLE)0:45:32
4.エミリー・カチョレック(アメリカ・Squid BIKES)0:45:47
5.與那嶺恵理(FDJ Nouvelle Aquitaine Futuroscope)0:46:18
6.唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)0:46:26
7.松本璃奈(GRM)0:46:43
8.宮内佐季子(ClubLa.sistaOffroadTeam)0:47:08
9.西山みゆき(Toyo Frame Field Model)0:47:19
10.フィオナ・モリス(オーストラリア・SPEEDVAGEN X MAAP)0:48:31

福光俊介
小俣雄風太(Yufta)

Raphaプレスを経てライター /エディター。ロードサイクリングとシクロクロスレース愛好家。自身もシクロクロスではC1を走る傍ら、年に2回開催される前橋シクロクロスレースではMCを務める。

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