スマートフォン版はこちら

単年契約の決意と、武井コーチが舞台裏語る與那嶺恵理がウィグル・ハイファイブ移籍会見 怒りのパワーで!?敢闘賞「獲得した日にオファーあり即決した」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
  • 一覧

 来季、UCI女子チームのウィグル・ハイファイブへ移籍を表明している與那嶺恵理(エフデジ・ヌーヴェル=アキテーヌ・フチュロスコープ)が11月23日、東京都渋谷区でスポンサーや支援者を集め、移籍会見と壮行会を開催した。会見にはパーソナルコーチの武井亨介氏も同席。2人で移籍の経緯や、来シーズンへの意気込みを語った。

笑顔で移籍会見する與那嶺恵理 Photo: Shusaku MATSUO

ワールドツアー表彰台が目標

ウィグル・ハイファイブや個人につくスポンサー製品が並ぶ Photo: Shusaku MATSUO

 與那嶺は今シーズン、エフデジの一員としてヨーロッパのレースを転戦。8月29日から9月3日までオランダで行われたUCI女子ワールドツアー「ブールス・レディースツアー」では2日目に100km近くを逃げ、敢闘賞を獲得する活躍をみせた。與那嶺は会見で、この敢闘賞獲得の当日にウィグルの担当者から2018年シーズンのオファーがあったことを明かした。

與那嶺:賞を取ったその日の夜にオファーのメールがあり、すぐに契約したいと書いてありました。オファーの内容もよく、即決しました。ウィグル・ハイファイブは強い選手が揃っており、私が勝ちを狙うことは基本的にありません。ポディウムに乗るのは展開次第ですね。私は勝てませんが、私たちは勝てます。より勝てる確率が上がるチームに入ることで、自分のモチベーションにもつながるでしょう。

「エフデジは経験を積み、自身の得手不得手を理解することができた」と振り返る Photo: Shusaku MATSUO

 エフデジではどんなレースも自分をセレクトしてくれた。自分にフィットしたレースも、しなかったレースも色々経験を積むことができました。向いているレースと向いていないレースがわかりましたね。経験できたことにとても感謝しています。これからはレースに(自身の脚質が)向いているから走りたい、走れない、仕事ができる、できないをわかったうえで希望をオーダーすることができます。

「アシストの過程で逃げの展開を作り、なおかつポディウムへ上ることが目標」と語った Photo: Shusaku MATSUO

 クラシックレースは自身で向いていないとわかりました。しかし、走れないなりに位置取りやアシストとは何かを学ぶことができた。反対にステージレースや上り、厳しいレースでは実力を発揮できました。来季の現実的な目標としてはワールドツアーで表彰台に乗ること。アシストをしながら、逃げが決まり、「狙っていいぞ」と言われた時にチャンスを逃さないようにしたいですね。

2倍以上のサラリーを提示

武井:エフデジは悪くないチームではありますが、予算規模が1億2000万円ほど。給与の遅延や、チームの半分の選手が給料をもらえてない状況もあり、移籍を考えた時期がありました。実はブールス・レディースツアーが始まる際、契約書を書いていたチームがあり、ツアー初日にそれを持って行きました。しかし話がまとまらなかった。給料の額も決まり、こちらはサインをしていたので、サイン貰えば終わりだっただけに「吹っ切るしかないね」と彼女と話していました。

「彼女は安い選手ではなくなりました。まだ彼女の価値が向上する可能性はある」と力強く話す武井氏 Photo: Shusaku MATSUO

 すると翌日、逃げを決め、敢闘賞を獲得。怒りのパワーというのでしょうか。その日のうちにウィグルのチームマネージャーからコンタクトがあり、すぐ契約をまとめたいから連絡が欲しいという内容でした。ユーロバイクの会場でチームのマネージャーと会い、話をまとめました。

 エフデジの2倍以上のサラリーを提示してくれ即決できましたね。女子チームの契約の際はいつもサラリーの話になると止まってしまうのが現状。彼女に取ってはとてもいいオファーでした。ウィグル・ハイファイブは7億円近い予算を持っています。チームのエキップメント(機材)、ロジスティック含めてさすがプロチームの中でもトップ3に入ると実感しています。

 契約の年数に関しては複数年の提示をされました。しかし、それは断った。彼女にとってチームがフィットするかどうか今の段階ではわからないですし、契約に縛られると他にさらにいい金額のオファーが来た時に動けない。私はまだ彼女がアスリートとしての価値を高められると確信しています。実力にそぐわない安売りはしたくありません。

 私は彼女が東京五輪が終わった後、預貯金が4〜5000万円残っている状態まで環境を整えたいと考えています。その金額を彼女がその時に、自分の声で発表してくれると後に続きたい選手への説得力が増しますね。ロードレースの競技に魅力を感じ、強い意志を持って来てくれる次世代の選手が増えることを望んでいます。

◇         ◇

 與那嶺は現在、ウエイトトレーニングといったオフトレーニングに励んでいる最中。新チームで最初のレースは1月にオーストラリアで開幕する「サントスツアー・ダウンアンダー」であることがこの日発表された。約1ヶ月、オーストラリアで過ごした後、與那嶺のホームタウンであるオランダ・マーストリヒトへと戻り、シクロクロス世界選手権へと臨む予定となっている。

関連記事

この記事のタグ

與那嶺恵理

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載