東海地方のシリーズ戦ロードレース中島康晴が3選手のスプリント制す 年間王者は雨乞竜己 キナンAACAカップ最終戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 東海地区で開催されるロードレースシリーズ「KINAN AACA CUP」(キナンAACAカップ)は11月19日、2017年シーズンの最終戦が国営木曽三川公園 長良川サービスセンター前特設コースで行われた。メインカテゴリーの1-1クラスは5.1kmを20周回する102kmで争われ、キナンサイクリングチームの3選手による優勝争いを中島康晴が制した。また、全戦のポイント合計で決まるシリーズランキングでは、キナンの雨乞竜己が1位となり、 初のシリーズ王座に輝いた。

チームメート同士の優勝争いを制したキナンサイクリングチームの中島康晴 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

野中竜馬はラストレース

 約2カ月ぶりの開催となったシリーズは、国内におけるビッグレースがひと段落したこの時期にシーズン最終戦を設定。本格的な冬を前に、もうひと踏ん張りしようと意気込む選手や、来年に向けた足掛かりとして臨む選手、オフシーズンのトレーニングを兼ねてスタートラインに就く選手など、その目的はさまざま。ホストチームであるキナンサイクリングチームも、前週のツール・ド・おきなわを戦い終え、今年のレース締めくくりとして参戦。今回は山本元喜、椿大志、阿曽圭佑、中西健児、野中竜馬、雨乞竜己、中島康晴の7選手がエントリーした。

キャリア最終レースとなる野中竜馬がスタート前にスピーチ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 長良川名物ともいえる強い北風に加え、正午のスタートを前に雨が降り始め、気温10度を下回る中でさらに寒さを感じながらレース開始のときを迎えた。スタート前には、この日がキャリア最終のレースとなる野中がスピーチ。「最後までシリーズ総合1位を目指して走る」と宣言し、スタートラインに並んだ選手たち、会場に訪れたファンから多くの拍手を浴びた。

 レースは、序盤に設けられた周回賞を狙ってのアタックやスプリントこそ見られたものの、集団から抜け出す選手は現れず、しばし一団となって進む。逃げグループが形成されたのは3周回目。7人がリードし、キナンからは山本と椿、下部組織のキナンAACAから高山恭彰が加わった。

序盤に形成された逃げグループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
縦長になってコントロールライン付近を走るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 やがて6人となった逃げグループだが、風を受けてレース全体がハイペースで進行。メイン集団も前を行く6人を射程圏内にとらえながら走り続け、レースが中間地点を迎えようかという頃には吸収する可能性が徐々に高まっていった。

 10周回目に入ったところで逃げグループにアクシデントが発生。選手同士の接触による落車に山本が巻き込まれ、椿も足止めを食う。体勢を整えて再スタートを切るが、すぐ にメイン集団が合流。レースは振り出しへと戻った。その後は3選手が参戦したウォークライド・シクロアカデミア勢が飛び出すなど、出入りが激しい時間が続くが、いずれも決定打には至らなかった。

レース後半に形成された13人の先頭グループが180度ターンを通過 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
13人の先頭グループがレース終盤へ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

逆転総合優勝へ山本がアタック

 レースが終盤に差し掛かろうかというタイミングで、山本が再びアタック。これをきっかけに最大13人が先頭グループとして固まり、キナンから中西と中島も加った。力のある選手がそろったこともあり、そのままリードを広げてゆく。後続からもブリッジを狙って飛び出す選手が散発的に現れるものの、勢いを増す先頭グループとの差は大きくなる一方。この時点で13人の中から優勝する選手が出る可能性が高まった。

 少人数での争いとなり、優勝を目指してのサバイバルが激しくなる。残り2周回となったところでおおよそ半数の6人に先頭のメンバーが絞られ、最終周回の鐘を聞いた。

牽制し合う優勝争い。左から中島康晴、中西健児、山本元喜 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 フィニッシュまで半周となったあたりで勝負が大きく動く。このレースで優勝すると逆転でのシリーズ王座を手にする山本が渾身のアタック。中西と中島も続き、KINAN勢3選手による優勝争いへ。普段はチームメートだが、このレースに関しては互いにライバル視。それぞれが勝利を目指して走るため、最終局面を前に牽制状態となるシーンも見られた。

優勝争いはスプリント勝負に Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そして優勝を賭けた最終コーナーを勢いよく抜けたのは中島。後ろから山本が続く。逃げる中島に粘る山本の構図が続いたが、スプリント力に勝る中島に軍配。2位が山本、3位が中西となった。

 中島は今シリーズ初優勝。シーズンの締めに会心の勝利となった。一方の山本は、シリーズ王座獲得ならず。今年2勝を挙げ、この日もリーダージャージで出走した雨乞がトップを守りきり、初のシリーズ総合優勝を決定させた。

中島康晴、山本元喜、中西健児が最終レースを走り終えた野中竜馬を労い胴上げ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
優勝した中島康晴の表彰。メインスポンサーの株式会社キナン・角口賀敏会長がプレゼンターを務めた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この日をもって、2017年のキナンAACAカップは終了。1-1クラスに限らず、どのカテゴリーでも熱戦が展開され、選手やシリーズ全体のレベルアップが見られたシーズンだったといえる。それらにともない、運営面でもさらなるシステム構築を図りながら、来年のシリーズ開幕を目指していくことになる。

 2018年シーズンの第1戦は2月10日、また連戦で第2戦を翌11日に行う。なお、今季のシリーズ表彰は12月17日のエンデューロイベント「ヴェロフェスタ2017 in モリコロパーク」(愛・地球博記念公園)の中で催される。

■2017 キナンAACAカップ 最終戦 1-1 クラス(102km、5.1km × 20 周回)結果
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
2 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
3 中西健児(キナンサイクリングチーム)
4 小島渓円(ウォークライド・シクロアカデミア)
5 島倉必勝(チーム・ウォークライド)

■2017 キナンAACAカップ ポイントランキング(最終)
1 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) 1184pts
2 トム・ボシス(フランス、インタープロ サイクリングアカデミー) 1024pts
2 山本元喜(キナンサイクリングチーム) 1024pts
4 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) 768pts
4 椿大志(キナンサイクリングチーム) 768pts
4 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) 768pts

テーマはコーナーリング「レーススキルアップ講座」

 キナンAACAカップ恒例の「レーススキルアップ講座」。ビギナーから上級者まで幅広く参加が可能で、国内外のレースで経験と実績を積む キナンの選手たちが講師を務めるとあって、毎回多くの参加者でにぎわう。

コーナーリングをテーマに行ったレーススキルアップ講座。お手本を見せるのは山本元喜 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 前回に引き続き、「コーナーリング」をテーマとして実施。各自が使用するバイクにまたがって、コーナーの効率的なクリアの方法を参加者にアドバイス。180度コーナーを使って、体重移動やスピードに乗った状態でのターンの入り方などを実践した。

 また1-1カテゴリーのレース前には、恒例となったキッズ限定のオープニングランを実施。サイクリングを志す子供たちとキナンの選手たちとが交流を図りながら、なかにはレースさながらの熱い走りを見せながら、レースコースを走った。

キナンAACAカップ恒例のキッズラン Photo: Syunsuke FUKUMITSU
子供たちもレースさながらの熱い走りを見せる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

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