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撥水・透湿・軽量・携行性どの機能も犠牲にしないレインウェア 「GORE-TEX® SHAKEDRY™プロダクトテクノロジー」をインプレ

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 「GORE-TEX®(ゴアテックス)プロダクト」ブランド史上最軽量、最高透湿性を誇る素材技術「GORE-TEX® SHAKEDRY™(シェイクドライ)プロダクトテクノロジー」を採用した自転車用のレインウェアが登場した。露出したゴアテックス®メンブレン(防水透湿膜)がダイレクトに水滴をはじく2レイヤーを実現した素材技術だ。ウィンドジャケットのような薄さ・軽さを誇る画期的なレインウェアだが、果たして撥水性、そして生地の強度はどうなのか─? 気になる着心地とその実力を、『Cyclist』編集部の記者が実際に雨天時のライドで試した。

ブランド史上最軽量、最高透湿性を誇る素材技術「GORE-TEX® SHAKEDRY™プロダクトテクノロジー」。その機能を『Cyclist』編集部が雨の中で検証 Photo: Naoi HIRASAWA

レインウェアのイメージを覆す素材感

 「ゴアテックス® シェイクドライ™ プロダクトテクノロジー」はゴアテックス®メンブレンを露出させた2レイヤーの素材技術。技術の改良でゴアテックス®メンブレン自体に強度を持たせることに成功し、外生地をなくすことでレインウェアとしての生地の印象を一変させた。

GORE-TEX® SHAKEDRY™プロダクトテクノロジー」を使用したレインウェアの1つが「ONE 1985 GTX® SHAKEDRY™ Jacket」 Photo: Naoi HIRASAWA
レインウェアとは思えない生地の柔らかさに、『Cyclist』編集部員(左・松尾、後藤)も興味津々 Photo: Naoi HIRASAWA

松尾 まず手に取ったときの生地の柔らかさは驚きました。「ゴアテックス®レインウェア」の生地はもっと固くて、ゴワゴワした印象がありましたが、この「ゴアテックス® シェイクドライ™プロダクトテクノロジー」を採用したレインウェアはとにかく軽くて薄い。「本当にレインウェアなの?」という印象でした。

外生地をなくすことでゴアテックス®レインウェア特有のごわつきがなくなり、柔らかな印象に Photo: Naoi HIRASAWA

後藤 「これが2レイヤーか」という感じでした。ストレッチ性素材というわけではないようですが、着心地が柔らかいのでポジションをとるときに動きを妨げられないし、体にフィットするから余計なばたつきもなかったよね。従来の「ゴアテックス®レインウェア」より格段に着心地が良い。レインウェアというより、ウインドブレーカーを着ている感覚に近いです。

落ちない撥水性

 レインウェアには「撥水性が落ちる」という問題が常につきまとう。その原因は表生地の存在にある。

2レイヤーの「GORE-TEX® SHAKEDRY™プロダクトテクノロジー」の構造(イメージ) ©W.L.Gore

 通常の3レイヤーのレインウェアの場合、撥水性は撥水剤によって生地の表面に膜を作ることで維持しているが、使用が重なるとそれはどうしても落ちる。撥水性が落ちると表生地が水分を吸収し、それによって重さを感じたり、ウェアが冷たくなって体温が奪われることになる。その点、2レイヤーのこのウェアは表生地自体がないため、そもそも「撥水性が落ちる」という心配がない。

後藤 肝心のレインウェアとしての機能ですが、この柔らかな生地からは想像がつかないほどの撥水性でした。

ウエスト部分がシェイプされた女性モデル。バタつきを抑えつつ女性らしいシルエットに Photo: Naoi HIRASAWA

松尾 防水というより、まるで生地が雨粒を弾いて寄せ付けない感じ。手でさっと表面をはらったり、脱いだジャケットを振るだけで生地が乾く、というか水滴が落ちるようなイメージでした。当然ながら内部に雨が沁みこんでくる不快感は一切なく、さらにいえば止まったときも着ていて汗冷えを感じることはありませんでした。着心地も良いので、まるで体を包み込むバリアのようでした。

後藤 洗濯後、一生懸命吹きかけていた撥水剤処理も不要だそう。何度洗ってもこの撥水性が変わらずに維持されるというのは、ヘビーユーザーとしては嬉しいポイントですね。

体を冷えから守る透湿性

松尾 透湿性もアップしましたよね。違いが体感でわかるくらいだからかなり変わったと思います。 雨から体を守ることを重視すると、レインウェアは透湿性を犠牲にせざるを得ないものが多くて、雨が止んだら内側の蒸気を逃がすようにすぐに脱いでいました。でも、この「ゴアテックス® シェイクドライ™プロダクトテクノロジー」はずっと着ていても内側が蒸れないので、ライド中、何度も脱いだり着たりすることなく快適な状態をキープできました。

「GORE-TEX® SHAKEDRY™プロダクトテクノロジー」の2層生地構造。水が染み込まない表面と優れた透湿性を両立 ©W.L.Gore

後藤 それも表地をなくしたことによるメリットだよね。単純に1枚生地をなくしたことで防水透湿膜の機能がよりダイレクトになった。先日の寒波で日中でも気温が7℃ほどで、北風も強かった冬日、長袖のサイクルジャージの上に着て走ってみたんです。さすがにこの薄さじゃ寒いだろうと思って試したんですけど、生地がある部分は風を感じなかった。ウインドブレーカーよりも生地がしっかりしているし、シームテープで縫い目もしっかり塞がれているので、生地の薄さのわりに防風性・保温性も高いんだと思います。

粒状になった雨で強力な撥水性がわかる。ライドポジションを妨げない肩回りの裁断と、シームテープでしっかり塞がれている縫い目も特徴的 Photo: Naoi HIRASAWA

 それで漕ぐと体は温まってきて、それほど運動強度が高くなかったというのもあるけど、衣服内の温度・湿度はちょうどよい感じになりました。こうなると、下は何℃まで耐えられるのか試したくなりますね。

松尾 軽さを重視するとビニールっぽくて防水・透湿性は弱くなる。防水性を重視すると生地がごわついて嵩張ったり、透湿性も悪かったり、何かを求めれば何かをあきらめるというのがレインウェアのイメージでしたけど、「ゴアテックス® シェイクドライ™プロダクトテクノロジー」は全てのニーズに対して何も犠牲にしていないのがすごい。レインウェアに求められているバランスを高次元で実現していると思います。

“自転車ニーズ”に応えるバランス

 メンブレンそのものの耐久性、強度が向上したことで実現した「ゴアテックス® シェイクドライ™プロダクトテクノロジー」だが、摩擦によってメンブレンに傷がつくことを防ぐため、特徴を最大限に活用できるスポーツとして、バックパックを背負わないサイクリングやランニングでの使用を推奨している。この点に関しては耐久性の強さを疑問視する声もあるが、スポーツの特性によっては、必ずしもそれがマイナスポイントになるとは限らない。

後藤 表生地がないことに対する耐久性の問題は、ユーザーとしては少々心配に思うところもありますよね。でも薄い、軽いとはいっても、そこはレインウェア。サイクリストが愛用するペラペラなウィンドブレーカーの生地よりは圧倒的に強いし、サイクリストとして使用する上では個人的にはまったく問題ない強度だと思います。

ライド中の突然の雨も、この一着を持っていれば安心 Photo: Naoi HIRASAWA

松尾 たしかに。登山のようにザックを背負ったり、藪漕ぎをする場合などは生地の強さが求められますが、ロードバイクだったらそこまでの強度は不要。そういう意味では、自転車においては柔らかさがある方が価値がありがたいですね。ライド中に動きながら脱いで丸めてバックポケットに突っ込むときも、生地が柔らかいのでストレスを感じなかったし。そういう意味では自転車に求められるレインウェアの要素がバランスよく取り入れられていると思います。

カラーの選択肢拡大に期待

後藤 あと肝心なのは値段との見合いだよね。一般的なレインウェアと比較した場合、約4万円という価格は少し値が張る印象があると思いますが、ウィンドブレーカーとレインウェアを別々に購入する必要もないし、撥水剤いらずで購入後の手入れのしやすさなども考えると、私は決して高くはないと思います。

手首にフィットする袖のデザイン。内側がストレッチ性素材になっており、「締め付け感がなく、グローブもはめやすい」と松尾のお気に入りポイント Photo: Naoi HIRASAWA
バックポケットも完備。雨が侵入しないように上蓋がついている。嬉しいリフレクター付き Photo: Naoi HIRASAWA

松尾 機能は確かだし、1枚もってれば安心と思える心強いウェア。雨の日をどう走るかにもよりますが、悪天候時の心強さや着心地、携行性の良さなどを総合すると、雨の日も乗ったり長距離を走ったりするハードなサイクリストにとっては有用な選択肢であることは間違いないと思います。ディティールもサイクリスト用によく考えられた設計になっていますしね。

バックポケット部分がそのまま収納袋になる。サドルバッグやジャージのバックポケットにすっぽり納まるサイズに Photo: Naoi HIRASAWA

後藤 最初から雨が降っている日はライドをあきらめることが多いけど、降水確率がきわどい曇りの日や、天気予報通りにならない山に向かうときなどは常にレインウェアを携帯するので、携行性の良さは選ぶ際のポイントでもあります。この素材技術を採用した「ONE 1985 GTX® SHAKEDRY™ ジャケット」のメンズモデルはバックポケットがそのまま収納袋になっているのも良いね。

松尾 唯一難点といえば、カラーがブラックのみということでしょうか。まあ、肩の「GORE-TEX®」というロゴがリフレクターで、夜にクルマの光が当たると相当光ると一緒に走ったチームメイトからもいわれたので、夜の視認性はそれほど心配はしていませんが。

上腕部分に描かれているロゴがリフレクターになっており、夜間でも視認性抜群 Photo: Naoi HIRASAWA

後藤 そもそもゴアテックス®メンブレン自体が白で、それに載せられる色が現在はブラックのみなんだそう。ブラック一色って、まさに「ゴアテックス®プロダクト」という感じがしてクールで好きだけど、そこも技術が進化して蛍光カラーとか選択肢が広がってくるのを期待したいですね。

 とはいえ、レインウェアは自転車のウェアカテゴリーではまだまだ弱い部分。こういうかゆいところに手が届くようなレインウェアの登場が雨の日のライドを変えてくれると思います。

■ONE 1985 GTX® SHAKEDRY™ Jacket(メンズモデル)
サイズ:S、M、L(ヨーロッパサイズ)
カラー:ブラック
重量:107g(Lサイズ)
税込価格:39,500円

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