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栗村修の“輪”生相談<114>匿名男性「10年で3回も鎖骨骨折してしまい、家族にもう辞めてと言われています」

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 初めまして、ロードに乗って10年ぐらいの者です。興味を持って始めたわけですが、10年のうちに3回も鎖骨骨折してしまいました。

 家族にも、もう辞めてと言われています。不注意からの落車ばかりですが、やはり才能がないんですかね〜。辞めた方がいいのでしょうね。

 けがをしない、もしくは、しにくくする方法は無いのでしょうか?

(匿名男性)

 ロードバイクがブームになっているのは喜ばしいニュースですが、反面、事故や落車が増えているのも事実でしょう。暗い話題ですが、避けるわけにはいきません。

 ご家族がおっしゃることも無理はないと思うんです。仕事にも影響はあるでしょうし…。それ以前に、心配ですよね。失礼な言い方かもしれませんが、鎖骨骨折で済めばまだ不幸中の幸いと言えますが、もっとひどいけがもあり得るわけです。いや、最悪の場合は、命を落とします。そんな危険な趣味はやめてほしいと思うのは、普通の感覚です。

 落車の原因は2つあります。一つはテクニック不足、もう一つは不注意です。質問者さんは、後者ですね。

 テクニック不足による落車の原因は、「タイヤがなんらかの要因(オーバースピードやブレーキングなど)でグリップを失うこと」、及び、「接触(カラダやハンドルなどが当たる・ハスり・段差など)」の2点でほぼ網羅できると思いますが、いずれもトレーニングでそれなりにカバーできるんです。僕がよく言うように、クローズされた安全なところでスラローム走行やジムカーナ、急ブレーキの繰り返し、段差越えなどを経験すれば、改善するでしょう。まずは曲がる・止まる・乗り越える、の基本トレーニングを繰り返すわけです。

鎖骨骨折は自転車スポーツにおいて、最も多いと言われる骨折のパターンだ Photo: Yuzuru SUNADA

 接触だって、トレーニングできますよ。やはりクローズされた安全なところで、お仲間と肩組み走行をしたり、肩を当ててみたりしてください。テクニックも、繰り返せば順応していくんです。フィジカルトレーニングと一緒です。

 問題は、質問者さんの落車の原因になった不注意ですね。これはちょっと手ごわい。トレーニングが難しいからです。

 どんなにテクニックがあっても、よそ見中に障害物にぶつかったら落車します。プロでもあり得ますし、体が衝撃に備えられないぶん、けがが大きくなる印象もあります。怖いタイプの落車です。

 とはいえ、一日中集中し続けるのも難しい。対策としては、基本的なことになりますがまずは「前を見る」ということを徹底することです。下を向いてしまった時に目に入るステム部分などに「前を見ろ!」と書いたテープを貼っておくとかはいかがでしょう。また、スピードメーターや各種データ端末などもよそ見の原因になりますので、あえて走行中は見えない角度にしておくという手もあります。

 それと意外に多いのが、安全確認のために横や後方を確認した直後になんらかの原因で転倒するというケース。周囲を確認することは良いことなのですが、慣れていない方などはやはり「前方」に集中した方が良いと思います。

 そして、けがをしにくくする、という部分についてですが、こちらは柔道の受け身などを繰り返し練習することで、一定の効果が現れるような気がします。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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