女王・豊岡英子は8連覇ならず竹之内が2連覇、宮内が新女王に 2012全日本シクロクロス選手権

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 2012年12月9日、静岡県富士宮市朝霧高原で行なわれた第18回全日本シクロクロス選手権。エリート男子は昨年の覇者竹之内悠(チームユーラシア)がライバル達を力でねじ伏せ2連覇を達成。一方エリート女子では女王豊岡英子(パナソニックレディース)の8連覇を阻止した宮内佐季子(CLUBviento)が、悲願の全日本チャンピオンの座についた。またジュニアカテゴリーは、横山航太(篠ノ井高校)が独走勝利で初タイトルを手にした。

男子エリートは竹之内悠(チームユーラシア)が2連覇を達成男子エリートは竹之内悠(チームユーラシア)が2連覇を達成
富士山麓の会場。快晴だが気温は氷点下富士山麓の会場。快晴だが気温は氷点下

 今年で18回目を迎えた全日本シクロクロス選手権の会場は、雪化粧を纏った富士山の麓、霧で有名な朝霧高原内に位置する宿泊体験施設「ふもとっぱら」。普段はオートキャンプ場となっている広大な草原が、この日はレース会場に姿を変えた。標高はおよそ800メートル、レース当日、快晴に見舞われたものの朝の気温はマイナス4度まで下がり、シクロクロスならではの過酷なレースが予想された。

 今回、全日本タイトルを懸けたレースはジュニア、エリート女子、そしてエリート男子の3クラス。コースは1周2.9キロの起伏の少ないオール草原コース。シクロクロスの名物、シケインと呼ばれる障害物は1箇所に設けられているのみで、あとはコーナリング技術と、ペダルを踏み倒すパワーがモノを言うコース設定となった。

 レース前、優勝候補たちに勝敗のポイントについて聞くと、口々に「気力」という答えが返ってきた。気温の低さ、コースの単調さも加わり、選手たちは精神力が大きなウエートを占める“我慢比べ”のレースを覚悟した。

ジュニア男子は横山航太(篠ノ井高校)が独走勝利ジュニア男子は横山航太(篠ノ井高校)が独走勝利

 まず初めにチャンピオンが決定したのはジュニアクラス。昨年まで2連覇していた沢田時(チームブリヂストンアンカー)が、エリートに上がったため、新たなジュニアチャンピオン誕生に注目が集まった。そうした中、今年、このクラスで世界選手権に初出場を果たした横山航太(篠ノ井高校)が格の違いを見せつけた。1周目から独走体制に入り、そのまま6周回を逃げ切り優勝。見事初タイトルを手にした。

女子の先頭パックは宮内佐季子、豊岡英子、福本千佳。福本が脱落し豊岡と宮内の一騎打ちに女子の先頭パックは宮内佐季子、豊岡英子、福本千佳。福本が脱落し豊岡と宮内の一騎打ちに

 続いてエリート女子。注目は8連覇のかかった豊岡英子(パナソニックレディース)。11月に行なわれた国内シリーズ戦の際に負った怪我の影響が心配されたものの、女王らしい強い走りに期待が集まった。

 序盤から豊岡英子、宮内佐季子(CLUBviento)、福本千佳(同志社大学)の3人がパックとなり、レースが展開される中、終盤に差し掛かると福本千佳が脱落。豊岡と宮内の一騎打ちとなり息詰まる攻防が繰り広げられた。

 しかし、レースは思わぬ形で幕を閉じた。迎えた最終周回。豊岡が痛恨のミスを犯してしまう。コーナリングを誤り、コーステープを支える杭にタイヤが接触しストップ。その隙に一気にスピードを上げた宮内がそのまま逃げ切り、悲願の全日本タイトルを手にした。昨年、最後に豊岡に力負けした宮内が雪辱を果たす形となった。

宮内佐季子が悲願の全日本チャンピオン、女王の座に上り詰めた宮内佐季子が悲願の全日本チャンピオン、女王の座に上り詰めた
エリート女子表彰台。左より2位の豊岡英子、優勝の宮内佐季子、3位の福本千佳エリート女子表彰台。左より2位の豊岡英子、優勝の宮内佐季子、3位の福本千佳

 大会のトリを飾ったのはエリート男子。午後になり、薄い雲が空を覆い、時折吹き付ける冷たい風が、スタートラインに立つ84名の選手たちの体温を奪っていく。そうした中、ゼッケンナンバー1をつけ最前列中央に堂々と立つ昨年の王者、竹之内悠(チームユーラシア)。今年ベルギーを拠点にロードレースで実績を積み上げ、再びこの舞台に戻ってきた。

 誰もが認める成長にライバルたちが警戒を示す中、レースはやはり竹之内が主導権を握った。そのスピードに反応し序盤で抜けだしたのは小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス)、丸山厚(MASSA-ANDEX)、沢田時(チームブリヂストンアンカー)の4選手。その後、決定的なアタックは決まらず、先頭交代を繰り返し、勝負は終盤までもつれていく。一方、スタートで出遅れた小坂正則(スワコレーシングチーム)が後続からジワジワと先頭4人との差を詰めにかかる。

エリート男子、84人が一斉にスタートエリート男子、84人が一斉にスタート
レース序盤。先頭を走る3人を沢田が追走レース序盤。先頭を走る3人を沢田が追走
竹之内、沢田、小坂光、丸山の4人が先頭グループを形成竹之内、沢田、小坂光、丸山の4人が先頭グループを形成

 そうした中、小坂正則の勢いを脅威に感じた竹之内が残り2周でアタック。それに小坂光が反応するものの、竹之内のヨーロッパ仕込みの加速について行くことができず勝負あり。竹之内悠が貫禄の2連覇を達成した。2013年シーズンはベルギーのコンチネンタルチーム「コルバ・スペラーノハム」への移籍が決まっている竹之内。「もっと圧倒的に勝ちたかった。まだ2連覇です。来年は(新しいチームに移籍して)更に厳しい年になると思うけど、一歩ずつ成長していきたいです。」優勝後、すぐに来年に目を向けて気持ちを切り替えた。

バイクを持ち上げてシケインを飛び越える竹之内悠バイクを持ち上げてシケインを飛び越える竹之内悠
エリート男子表彰台。左より2位の小坂光、優勝の竹之内悠、3位の小坂正則エリート男子表彰台。左より2位の小坂光、優勝の竹之内悠、3位の小坂正則

エリート男子結果(26.30km)
1 竹之内悠(チームユーラシア) 1:00:36
2 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロス) +3
3 小坂正則(スワコレーシングチーム) +24
4 丸山厚(MASSA-ANDEX) +29
5 沢田時(チームブリヂストンアンカー) +46
6 濱由嵩(BRIDLER) +2:00

エリート女子結果(14.70km)
1 宮内佐季子(CLUBviento) 0:37:29
2 豊岡英子(パナソニックレディース) +17
3 福本千佳(同志社大学) +29

ジュニア結果(17.60km)
1 横山航太(篠ノ井高校) 0:40:09
2 山田誉史輝(HAPPYRIDE) +54
3 中井唯晶(瀬田工業高校) +4:07

文・写真 シクロチャンネル

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