カヴェンディッシュがうなぎを手掴み&調理忍者・フルームは手裏剣の名手!侍・キッテルが殺陣を披露 豪華選手が日本文化を体験

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 さいたま市のサイクルフェスタ内特設ステージ上で11月3日、「J:COM presents 2017 ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」に出場する選手たちによる市内交流会が開催された。選手たちは地元の名物である「うなぎの蒲焼」を堪能し、侍と忍者によるアトラクションショーを楽しんだ。

侍と忍者の衣装をまとった(左から)ワレン・バルギル、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート、クリストファー・フルーム、マルセル・キッテル Photo: Naoi HIRASAWA

うなぎに手を焼くトップスプリンター

 さいたまで「うなぎ」と聞くと、意外に思うかもしれない。実はうなぎの蒲焼は、さいたま市内の浦和が発祥だといわれているそうだ。浦和にはかつて沼や湿地が多く、たくさんのうなぎが採れたといわれている。また江戸時代に中山道の宿場町と栄え、浦和のうなぎが立ち寄った旅行者たちに振る舞われていたそうだ。アンパンマンの作者、やなせたかしさんがデザインした、さいたま市浦和区のマスコットキャラクター「うな子」ちゃんはさいたま観光大使を務めている。

うなぎの掴み取りに挑戦するマーク・カヴェンディッシュ Photo: Naoi HIRASAWA

 水槽に入ったままの生きたうなぎを、手づかみして取り出すイベントにはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)とファビオ・サバティーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が挑戦した。

 生魚を手でつかむなど、恐らく人生初の経験だっただろう。水槽内でバタバタと暴れだすうなぎに驚く2人の姿がとてもチャーミングだった。時速70kmの高速スプリントバトルを平然と走り抜けるトップスプリンターたちも、暴れるうなぎには手を焼いていた様子だった。

 徐々にコツを掴み始めた2人は、水槽からサッとうなぎをすくい上げて、たらいに放り込んでいた。こうして、カヴェンディッシュとサバティーニは2匹ずつうなぎを手づかみして無事に水槽から取り出すことができた。

うなぎの掴み取り成功させたマーク・カヴェンディッシュ(左)とファビオ・サバティーニ Photo: Naoi HIRASAWA

 手づかみに挑戦したカヴェンディッシュは「滑りやすかったよ」と語り、悪戦苦闘していたサバティーニは「でもそんなに悪くなかった」と感想を残していた。

 これらのうなぎを、明治時代から続く老舗の「かのうや」の職人が、ステージ横のテント内で調理を行った。生きたままのうなぎを捌く様子も、大型ビジョンに映し出されていた。しかし、頭に針を突き刺したり、血が出たり、内臓を取り出す映像が続いたため、顔をしかめる選手が続出。多くの選手やその家族たちが、耐えきれずに目を背けていた。

モニターに映し出されたうなぎを捌く様子に顔をしかめる海外選手たち Photo: Naoi HIRASAWA
「マジであれを食べるの?」という声が聞こえてきそうな表情 Photo: Naoi HIRASAWA

 捌き終えたあとは、蒸して焼きあがるまで30〜40分ほど時間がかかるため、選手たちは次のイベントを楽しんだ。

手裏剣がど真ん中にヒット

 続いてはプロスタント集団「大江戸忍者」による、侍と忍者の体験ショーが披露された。緊迫の殺陣が繰り広げられ、忍者の攻撃に苦戦する侍が何度も斬られ、「I’m pain.」(苦しい)というセリフを喋ると、観劇していた選手たちの表情に笑みが戻った。

 そして、この侍に助太刀しよう!ということで、マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)とワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ)の2人が甲冑姿で登場。続いてクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)とグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)が忍者装束姿で登場した。フルームはマイヨジョーヌに由来した黄色装束に身を包んでいた。

マルセル・キッテルの斬撃で相手役の忍者が派手に宙を舞う Photo: Naoi HIRASAWA
やや控えめに忍者を斬りつけたワレン・バルギル Photo: Naoi HIRASAWA

 まずはキッテルとバルギルが殺陣に挑戦。忍者の攻撃を2回かわし、最後は胴体に一太刀入れるという一連のアクションを体験した。脇差を使った忍者の攻撃を読み切ることは難しかったようだが、最後は華麗に斬り込んでいた。倒れた忍者を踏みつけて、「どや!」といった表情を浮かべると、選手たちは笑っていた。

堂々と手裏剣を構えるクリストファー・フルーム Photo: Naoi HIRASAWA

 フルームとヴァンアーヴェルマートは手裏剣投げに挑戦した。4〜5mほど離れた的に向かって、フルームが手裏剣を投げつけると、なんと的のど真ん中に命中!お手本を見せた役者さんたちよりも扱いがうまかったこともあり、会場は大いに盛り上がった。続いてヴァンアーヴェルマートが挑戦するも大苦戦。なかなか的に当たらない上に、当たっても綺麗に刺さらなかった。6〜7投目にして、ようやく的に刺さって一件落着となった。

フルームが投げた手裏剣は美しい軌道を描いた Photo: Naoi HIRASAWA
クリストファー・フルームが投じた手裏剣は見事に的中 Photo: Naoi HIRASAWA
侍に向かって手裏剣を投じるフルーム Photo: Naoi HIRASAWA

 感想を聞かれたキッテルは自身の甲冑姿を「とてもユニークな姿だ。インスタグラム用にも写真を撮った。一人では脱げないので、誰かの助けが必要だね」、バルギルは「この格好は好きかもしれない。面白かったよ」とコメントを残した。

 見事な手裏剣投げを披露した忍者・フルームは「ビギナーズラックだよ」とおどけてみせ、苦戦したヴァンアーヴェルマートは「投げるのは少し大変だった。良いトライだったと思うけど、フルームの方がうまかったね」と脱帽した様子だった。

手裏剣が的に刺さらず苦戦したグレッグ・ヴァンアーヴェルマート Photo: Naoi HIRASAWA
不慣れな手つきで、刃を持って刀を納めるマルセル・キッテル Photo: Naoi HIRASAWA

 続いてネイサン・ハース(オーストラリア、ディメンションデータ)、ペトル・ヴァコッチ(チェコ、クイックステップ・フロアーズ)、サイモン・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック)、ニキアス・アルント(ドイツ、チーム・サンウェブ)、新城幸也(バーレーン・メリダ)も手裏剣投げに挑戦。

的に向かって手裏剣を投げるネイサン・ハース Photo: Naoi HIRASAWA

 ハースはなぜかでんぐり返しをしながら投げるという高等テクニックを披露し、後続の選手たちも続いた。

 体験後にヴァコッチは「手裏剣を投げることが夢だったから、願いがかなって嬉しい」と喜びの表情を浮かべ、アルントは「生まれ変わったら忍者になりたい」とコメントした。

ウランとカヴが焼いたうなぎに舌鼓

調理服を着て、うなぎを焼くマーク・カヴェンディッシュ Photo: Naoi HIRASAWA

 一連のショーが終わると、いよいようなぎの蒲焼きを試食する時間となった。ステージ横のテントでは、リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)とカヴェンディッシュが真っ白な調理服姿となり、うちわで風を送ってうなぎを焼いていた。

うちわを口にくわえ、職人のような表情のリゴベルト・ウラン Photo: Naoi HIRASAWA

 選手たちには、熱々のうな重が振る舞われた。解体シーンを見せられたものの、肉厚でタレの風味がご飯に絶妙にマッチしており、選手たちは先を争うように舌鼓を打っていた。

サイモン・ゲシュケは「温かい寿司みたいだね」と笑顔 Photo: Naoi HIRASAWA

 味の感想を聞かれたサイモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム・サンウェブ)は「温かくて美味しいよ。寿司が温かくなったような感じかな」と答え、ケニー・エリソンド(フランス、チームスカイ)は「うなぎは初めて食べたけど美味しいね」と好評の様子だった。

 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チームスカイ)は器用に箸を使って歩きながら食べるほど気に入っており、他にも多くの選手が用意されたスプーンではなく割り箸を使って食べていた。

自ら焼いたうなぎを口にするマーク・カヴェンディッシュ Photo: Naoi HIRASAWA
選手たちに振る舞われた、さいたまの川魚料理店「かのうや」のうなぎ Photo: Naoi HIRASAWA
選手と観客らでの記念撮影 Photo: Naoi HIRASAWA

「ファンが温かい」口をそろえる海外選手たち

笑顔でインタビューに応じるクリストファー・フルーム Photo: Yuu AKISANE

 イベント終了後、注目選手へのインタビューの場が設けられた。フルームは「まず皆さんに本当に大きな大きなありがとうを申し上げたい。日本のファンの皆さんの応援に感謝している」と日本のファンの声が届いていると語り、「明日のレースはスピードの速いレースになると思う。ライバルたちもすごく強い。しかし、私のチームにはクウィアトコウスキーがいるので、一生懸命頑張って良いレースを見せたいと思う」と抱負を述べた。

 キッテルは日本の印象を「まるで異世界に来た気分になる。空港に降り立つとまわりの文字は何が書いてあるか全く分からないけれど、日本のファンはとても温かく歓迎してくれる。大好きな国だよ」と語っていた。

 ヴァンアーヴェルマートは今季と来季のレースについて「2017年は春のクラシックで成績を残し、パリ〜ルーベにも勝って、ワールドツアーでも1位なのでとても良いシーズンだった。来年の世界選は自分向きではないので、難しいと思うけど頑張りたいね」とコメントを残した。

囲み取材に登場したマルセル・キッテル Photo: Yuu AKISANE
グレッグ・ヴァンアーヴェルマート Photo: Yuu AKISANE

 ウランは初来日の印象を聞かれ「みんな親切で、美しく、第一印象としてとても好きな国だと思いました」と答えた。2017年を振り返り「ツールで総合2位、ミラノ〜トリノにも勝てたので、個人的にはとても満足できる結果だった。明日のレースは起伏がない上にテクニカルなコース。強い選手も多いので、他の選手たちの動きを見ながら作戦を立てていきたい」と意気込みも語った。

「日本を好きになった」と思いを語ったマーク・カヴェンディッシュ Photo: Yuu AKISANE

 カヴェンディッシュはシーズンを振り返り「ツールで落車して肩を骨折した。まだ完全に復活はしてない」と万全の状態には戻っていないことをほのめかした。また初来日の印象を聞かれ「昨日に到着して24時間しか経っていないけれど、まるで恋に落ちたような気分だ。日本のことがすごく好きになっている。皆さんの温かく、礼儀正しい応援がとても好きだ。また絶対に日本に来たい」と目を輝かせながら、日本への想いを語ってくれた。

 バルギルは「2013年以来勝利が経験できてなかったので、ツールで2勝もできて素晴らしいシーズンだった」と振り返り、「私にとっては2度目の来日になるけど、空港に到着したときから皆さんが温かく、リスペクトがある。そして日本文化は大好きだ」とコメントしていた。

 クウィアトコウスキーは「初来日だったけど、成田に降り立った時からファンの皆さんが待っていて嬉しかった。とにかくファンの皆さんが温かく、良い印象を持った。また日本に戻ってきたい」と日本への印象を語った。また「個人的にはクリテリウムが得意ではないけど、他のメンバーは強い選手が揃っている。ツールのようにフルームをアシストして良いレース展開にしていきたい」と抱負を述べた。

別府史之 Photo: Yuu AKISANE

 別府は「さいたまクリテリウムではエキサイティングで自分らしい走りが見せられている。今年もしっかりとした走りを見せたい」と抱負を述べ、「クリテリウムは日本で開催するけどツール・ド・フランスそのものだ。ツールがさいたまの土地で行われているといっても過言ではない。世界最大のサイクルイベントを日本で開催できることは素晴らしく、映像のカメラワークや大会のオーガナイザーなども見て欲しい」と見どころを語った。

新城幸也 Photo: Yuu AKISANE

 最後に新城は「新チーム(バーレーン・メリダ)で様々な良い経験ができた。世界選手権では久々に自分のために走って、まだまだ行けるなという感触を得た」と来季への意気込みも語っていた。「ツールは誰もが憧れるレース。7回出たけれど、毎年シャンゼリゼ通りが楽しみ。ファンの大歓声に、7回走って7回とも鳥肌が立っている。さいたまでも、皆さんの歓声で鳥肌が立つかと思うと、とても楽しみ。ツールの3週間と同じくらいさいたまを楽しみにしていた」と語っていた。

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2017ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム

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