飛躍のシーズンを笑いと涙とともに振り返るキナンサイクリングチームがファン交流会 ライドとアフターパーティーで応援に感謝

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 雨中の熱戦となった「ジャパンカップサイクルロードレース」を戦い終え、国内UCIコンチネンタルチームのキナンサイクリングチームは閉幕翌日の10月23日、東京・稲城市でファン交流イベントに出席。昼は「プレミアムファンライド」、夜には「ファン感謝パーティー&トークショー」に臨み、ジャパンカップのみならず2017年シーズンの活躍を選手・スタッフの口から直接ファンに報告する場となった。

「CROSS COFFEE」をバックに、キナンサイクリングチーム プレミアムファンライド出発前に安全と健闘を誓っての記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

約60kmを走った「プレミアムファンライド」

 これらの催しは、キナンサイクリングチームのレーシングジャージサプライヤーであるオーダーサイクルウェアブランドの「チャンピオンシステム・ジャパン」が主催。同社が8月7日にオープンさせたばかりのコーヒーショップ「CROSS COFFEE -chocolate & sandwiches-」を主会場に行われた。

「CROSS COFFEE」店内に掲げられたイベント開催告知ボード Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この日の主役、キナンサイクリングチームは21日のジャパンカップクリテリウムで雨乞竜己が4位、22日のロードレースでは序盤から逃げ続けたトマ・ルバが5位と、並み居る世界の強豪に交じって好勝負を演じた。レース翌日のイベント出席となったが、雨乞やルバに加え、ジャイ・クロフォード、山本元喜、マルコス・ガルシア、中島康晴のジャパンカップメンバーが元気に勢ぞろいした。

参加者とキナンの選手とが入り混じってトレインを組んで走る Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 昼過ぎにスタートした「プレミアムファンライド」では、神奈川県相模原市のベーカリーショップ「オギノパン」を目指して出発。7人の参加者とともに、キナンの選手たち、さらには棈木亮二代表らチャンピオンシステム・ジャパンのスタッフも参加し、コースをアテンド。状況に応じ選手・参加者とが2組に分かれて走るなど、交通事情を考慮しながら目的地へと向かった。

 無理のないペースで進み、約30kmの往路を2時間程度かけてオギノパンへ。テレビ番組にもたびたび取り上げられるという「あげぱん」などを購入し、その場で“補給”。休憩中には同店の“自転車部”を自称する荻野隆介部長も加わって、しばしサイクリング談議に花を咲かせた。

参加者とマルコス・ガルシアが買ったばかりのパンをほおばる Photo: Syunsuke FUKUMITSU
オギノパン“自転車部”荻野隆介部長(前列左から4人目)を囲んで Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 復路は、通称「尾根幹」こと南多摩尾根幹線をライド。南関東のサイクリストにはおなじみのコースを走り、CROSS COFFEEへと戻った。

 総距離約60kmのプレミアムファンライド。参加者にとってはプロ選手と走ることのできる数少ない機会だったこともあって、トレインを組んで走ることや、走行時のアドバイス、またときには雑談をしながらサイクリングできたことに大満足の様子だった。

復路は“尾根幹”こと南多摩尾根幹線を走行した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

選手・スタッフが2017年の軌跡を振り返る

 夜はCROSS COFFEEを貸し切りにしてのファン感謝パーティー&トークショー。

選手と参加者との距離もパーティーの魅力に Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 普段は、木のぬくもりと心地よいライドの光がサイクリストを歓迎し、店内ではオーダーウェアのサンプルや豊富なアイテムがならぶほか、こだわりのドリンクやフードがラインナップ。だが、この時ばかりはレイアウトを大幅に変更しての“パーティー仕様”に。昼のライドから人数を増やし、17人となった参加者とキナンの選手たちとが「密着するのでは?」と思ってしまうほどに、濃密な空間となった。

レース写真を見ながら今シーズンの戦いを振り返った Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 このパーティーのコンセプトは、「キナンの主戦場であるUCIアジアツアーならではの裏話や勝利の裏の裏など、ここでしか聞けない話が盛りだくさん」。それに違わず、今シーズンの戦いを写真やエピソードとともにプレイバックしていった。

 なかでも盛り上がったのは、劇的勝利を挙げたレースでのエピソード。5月のツアー・オブ・ジャパン第7(伊豆)ステージ優勝や、9月のツール・ド・北海道総合優勝を挙げたガルシアや、6月のツール・ド・熊野第2ステージ優勝や7月のツール・ド・フローレス(インドネシア)総合優勝のルバらが当時の状況をつぶさに説明。これらのレースで彼らをサポートした山本や中島は「アシスト側の視点」を、チームカーから選手たちに激を送り続けた石田哲也監督はより戦術的な、それぞれにサイクルロードレースの奥深い話題を提供。選手・スタッフはときに笑いを、ときに思い溢れて涙を浮かべながら、今シーズンの熱き戦いの真実を参加者と共有した。

 また、9月のツール・ド・モルッカでステージ2連勝を挙げ、チームにUCIレース日本人選手初勝利をもたらした椿大志を“緊急招集”。会場近くの実家に帰省だったこともあり、急遽パーティーへの出席が決定したのだった。一方で、ガルシアとルバはこの夜に離日するため途中退席。参加者が明るく見送るなど、終始和やかなムードの中でパーティーは進行した。

「アシスト側の視点」も交えてレースを解説した山本元喜(左)と中島康晴 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
“緊急招集”された椿大志(左)はチームウェアの準備ができず私服で登場。参加者にパスタを振る舞うなどサービスも満点 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 もちろん、CROSS COFFEE名物の1つである充実のドリンクとフードにも一同は舌鼓を打った。シェフお手製のパスタやバゲットサンド、スイーツが続々と登場し、リキュール類も飲み放題とあって、選手との歓談と合わせて美味しい時間も堪能した。

キナンサイクリングチーム<br />ファン感謝パーティー&トークショー参加者全員で記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

「運営面への興味」ユニークな参加動機も

 大いに盛り上がった中にあって印象的だったのは、「このところのレース結果からキナンサイクリングチームを初めて知った」という人や、「近所にプロライダーが来るから」という理由で参加した人たちの多さだった。そして、これらのイベントを通じてツール・ド・熊野での個人総合優勝者の輩出を最大目標とするチーム姿勢や、選手・スタッフの人となりに触れたことで、チームを応援するきっかけにしていきたいとの声が多数聞かれた。

中島康晴(左端)と一緒に「オギノパン」名物のあげぱんをほおばる星見洋介さん(左から2人目) Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 さらにユニークな参加動機として、「サイクリングチーム運営面への興味」というのも。神奈川県川崎市から参加の星見洋介さんは他競技ながらチーム運営に携わっている関係から、サイクルスポーツの実情を知る絶好の機会だったとか。イベント終了後には、キナン・加藤康則ゼネラルマネージャーと情報交換に勤しむ姿が見られた。

 サイクリング歴は約4年半という星見さん。ライドを通じて「プロの選手たちは基本に忠実。ただただ上手い」と感服しきり。選手やスタッフの個性が前面に押し出されたイベント内容にも満足だったといい、「ツール・ド・熊野が、キナンサイクリングチームにとっていかに特別であるかが強く伝わってきた。きっと近いうちに個人総合優勝が実現すると信じているし、個人的にも一番観戦したいレースになった」と述べ、キナンのチームアイデンティティへの賛同も口にした。

 ジャパンカップ関連の活動を終えたキナンサイクリングチームだが、引き続きレースにイベントに活発な取り組みを続けていく。

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