ジャパンカップ2017リッチー・ポートが目の前に! 選手たちと濃厚な時間を過ごしたBMCレーシング交流会

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジャパンカップサイクルロードレースが行われた10月22日の夜、宇都宮市内でBMCレーシングのアフターパーティー・ファン交流会が開催された。今年で3回目の開催となるが、例年のプログラムとは異なり、最初と最後の挨拶以外はすべてフリータイムとなっていた。リッチー・ポート(オーストラリア)ら、憧れの選手たちを目の前にしながら、ファンは濃密でかけがえのない時間を過ごした。

BMCファン交流会に参加した左から、バルダート監督、ウィス、シェアー、ヴェルデン、エルミガー、ポートとポートの奥様 Photo:Yuu AKISANE

気軽に参加できるファン交流会

 BMCレーシングの選手・スタッフとの交流、コミュニケーションがメインコンテンツとなるため、会場は小規模なダイニングバーを貸し切って開催された。選手5人、監督やメカニックなどのスタッフが数人に対して、参加したファンは40人ほど。交流をメインで楽しんでもらいたい、という主催するフタバ商店(BMC国内取り扱い)の心意気だ。

会場内にはBMCのハイエンドバイクも飾られていた Photo:Yuu AKISANE
白いバイクはリッチー・ポートモデルで、名前入り Photo:Yuu AKISANE

 参加者に、今回来ようと思った理由を聞いてみた。

 「元々BMCのロードバイクを乗っていて、応援しはじめた。いろんなメーカーのロードバイクに乗ったけど、BMCが一番よく走る。次もBMCのバイクを買いたい」

 「サイクルロードレース全般が好きで、とにかく選手に会いたくてアフターパーティに参加した」

 「ツアー・オブ・カリフォルニアを現地観戦した際に、BMCレーシングの走りや選手・スタッフの雰囲気の良さに惹かれて以来、ずっとファン」

 「ブラッドリー・ウィギンスがツールを制した頃からチームスカイのファンで、スカイ時代のリッチー(・ポート)の走りに魅了されて彼のファンになった。けれども今も一番の推しチームはチームスカイ!(笑)」

 というように、ロードバイクブランドとしてBMCに思い入れが強い人や、長年追い続けている熱狂的なファンだけでなく、サイクルロードレース自体が好き、お気に入りの選手がいるからという理由で気軽に参加している人も多かった。

選手の内面を知ることができる

 選手たちが会場に到着すると、ファンのボルテージも最高潮に達した。ファービオ・バルダート監督とポートが開始の挨拶をして、ヨーロッパ式の乾杯で交流会がスタート。

グラスの下げてから、掛け声とともに高く掲げて乾杯をするヨーロッパ風のスタイル Photo:Yuu AKISANE

 まずは、一番人気のリッチー・ポート。「好きなグランツールは何?」との質問に対し、「ツールが一番好きだ。今年は戦えると思っていたから、ああいう状況(落車リタイア)になったのは悔しい。トラブルにあってしまったことはとても残念だった」と話していた。「日本にはいつまでいるの?」との質問には、「4日間くらい滞在する予定だ」とのことで、「東京を観光するならスカイツリーと浅草がいいよ」とおすすめしているファンもいた。

ツーショット撮影に応じるポートと、静岡県から来たケンさん。「RIDE BMC」と書かれたケンさんのTシャツを、ポートは「Good!」と褒めていた Photo:Yuu AKISANE
ポートと2人きりで、じっくり会話ができる。ファン交流会ならではの時間だろう Photo:Yuu AKISANE

 また、ポートは「富士山を見てみたいね」と話していたので、「ツアー・オブ・ジャパンで富士山を自転車で上るステージがあるので、リッチーも走ってみたら?」と聞いたファンに対しては「自転車で上るのは嫌だ(笑)」と答え、世界トップレベルのクライマーらしからぬ発言が聞かれる一幕もあった。

 さらに、「ディスクブレーキは好き?」や「ドグマ(※ピナレロのバイク。ポートのチームスカイ時代の乗機)とBMCはどっちが好き?」など、機材に関する質問をしているファンもいた。

 自作のフラッグにサインを貰ったり、プレゼントを贈ったりと、思い思いの方法で選手との交流を楽しんでいた。

リッチー・ポートにプレゼントを手渡しするファン。ヨーロッパでは、プレゼントを貰うことは滅多にないので、選手は喜ぶとのこと Photo:Yuu AKISANE
リッチー・ポートのイラスト入りの手作りの応援フラッグ Photo:Yuu AKISANE

 ミヒャエル・シェアー(スイス)は身長196cmもあるため、天井に頭がぶつかりそうになり、かがみながら会場内を移動していた。

 そんなシェアーの持ちネタは、何にでも「Tall(背の高さ)!」と答えることで、筆者が「アシスト選手にとって重要なことは何ですか?」と聞いたところ、「Tall!」(身長だよ!)とジョークで返すような、とても気さくな人だった。後述するジャンケン大会では、率先してジャンケン役を務め、場を盛り上げていた。

BMCのロードバイクを所有する、東京都の関原さんは身長180cm。シェアーは16cmも屈んで、目線を合わせてくれていた Photo:Yuu AKISANE

 一方で、来日して宇都宮まで移動するバスのなかでは、「コーヒーをくれ」とスタッフに要望し、レース前にも関わらずお酒を飲んだりして盛り上がるチームも少なくないなか、調和と秩序を保つ真面目な一面も見られたそうだ。

 ファンからの記念撮影に応じる際は、ファンの目線に合わせて屈む姿も見られた。シェアーはユーモアと気遣いの塊のような人物だったのだ。

テーブルで食事しながら、ファンと会話を楽しむミヒャエル・シェアー(左)とブラム・ヴェルデン(右) Photo:Yuu AKISANE

 レース中継を見ているだけでは、「大型ルーラー」以上のことは知る機会は少ない。こうして直接選手と触れ合ったことで、「全体の調和とバランスを見ることができる視野の広い選手で、チームの雰囲気から盛り上げていく真のアシスト選手」というように、選手をより深く知ることができる。

 ジャパンカップが引退レースとなったマルティン・エルミガー(スイス)には、「これまでのキャリアで一番キツかったレースは何か?」と聞いてみた。すると「今日のレースかな」とおどけてみせ、「前回2001年に来た時も雨だったんだよ」とジャパンカップ=雨という印象がついてしまったようだった。

東京都からお越しの三好ご夫妻はマルティン・エルミガーと記念撮影 Photo:Yuu AKISANE
エルミガーはファンの言葉に真剣に耳を傾け、じっと目を見つめながら優しく話す紳士だった Photo:Yuu AKISANE

 また「ワンデーレースとステージレースはどっちが好き?」との質問には、「どちらも好きだよ。ワンデーなら、ツール・デ・フランドル(ロンド・ファン・フラーンデレン)、パリ〜ルーベは、走りきった時の気持ちが最高だった。あとストラーデ・ビアンケも好きだね。ステージレースでは、ツール・ド・フランスが素晴らしかった」と語ってくれた。

バルダート監督のファーストネームは「Fabio」だが、「ファビオ」ではなく「ファービオ」という感じで発音した方が嬉しいらしい Photo:Yuu AKISANE

 ファービオ・バルダート監督には、ずばり「今シーズンのチームMVPは誰か?」と聞いてみた。すると即答で「グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)だね。パリ〜ルーベなどたくさん勝ったし、UCI個人ランキングでも世界1位だしね」とのことだった。また「来シーズン、期待の若手選手は誰か?」とも聞いてみたところ、「ディラン・トゥーンス(ベルギー)だ。今シーズンは8勝あげて、驚異的だった。来年はもっと活躍するよ」と語っていた。

ダニーロ・ウィスの奥様がつくったというお寿司 Photo:Yuu AKISANE

 ダニーロ・ウィス(スイス)は初めての来日だったが、実はかなりの親日家だったようだ。ウィスの奥様は日本料理をつくることができて、寿司も握れるとのこと。奥様が握った寿司の写真を披露すると、まわりのファンも驚いていた。

 来シーズンはフォルトゥネオ・オスカロへの移籍が決まっているトレーニーのブラム・ヴェルデンに、「将来の目標は何?」と聞いてみた。すると「アルカンシェルを着たい」と答えてくれた。「ということは(ペテル・)サガンと戦うの?」と聞くと、笑顔で「オレはやるぜ!」と自信を覗かせていた。

最年少ということもあり、仲間にいじられつつも、世界チャンピオンを目指すブラム・ヴェルデン Photo:Yuu AKISANE

 また、ヴェルデンは巧みに箸を使って、料理を食べていた。「箸使いがうまいね」と聞くと、「週に1回はお寿司を食べているんだ」とヴェルデンは答えた。「日本人ならお寿司は手で食べるんだよ」といったところ、「いや、オレは箸を使うんだ!」と、箸へのこだわりを見せていた。一方で、ピザも大好物らしく、ステージレース中にも食べてしまうため「よく栄養管理の人に怒られるんだ」という話も披露していた。

 さらに、ヴェルデンは20歳でまだ独身ということもあり、日本に来た目的の一つにガールフレンドを探すことがあったそうだ。ところが、ガールフレンド探しには失敗したようで、バルダート監督とシェアーから、「お前はスプリンターの脚を持っているのに、なんでできないんだ」などといじられていた。ヴェルデンは「レースと恋愛は違うんだよう」と弁明していた。年頃の若者らしい、人間味あふれるエピソードだった。

最後は記念撮影・サイン大会で締め

 交流会もお開きの時間が近づきつつあった。最後は、選手全員とバルダート監督の直筆サイン入りチームジャージをめぐって、ジャンケン大会が開催された。

リッチー・ポートにサインする場所を示す、ブラム・ヴェルデン Photo:Yuu AKISANE
同じくジャージにサインするバルダート監督 Photo:Yuu AKISANE

 「最初はグー」という日本式のやり方で、シェアーが代表してジャンケンを行った。

ジャンケン大会の音頭をとるシェアー。「最初はグー」が「サイショアブー」といっているように聞こえたがご愛嬌だろう Photo:Yuu AKISANE

 見事に賞品をゲットしたのは、神奈川県から参加の小林さん。奥様と一緒に始めたロードバイクがきっかけでBMCレーシングのファンとなり、交流会は3回目の参加で初めて賞品を獲得したとのことだった。

6人の直筆サインが入った世界で一つだけの特別ジャージ Photo:Yuu AKISANE
ジャンケン大会に見事勝利した小林さん(右)。BMCファンになったのは奥様の影響とのこと Photo:Yuu AKISANE

 そして、残った時間はサイン大会となった。ジャージ、ボトル、色紙、自作のペナントやフラッグ、様々なものにサインをお願いし、選手たちは快く応じてくれていた。

ファンが持ってきたグッズにサインするシェアー Photo:Yuu AKISANE
ジャージにサインするダニーロ・ウィス Photo:Yuu AKISANE

 手作りの応援グッズに、選手たちからサインをもらうことで、まごうことなき世界に一つだけの宝物となるだろう。そして、日本人ファンの熱心さに選手たちは心を打たれるようだ。

菊地さんは、BMCの巨大応援フラッグを自作してきた。選手全員と記念撮影した後は、全員からサインをもらっていた Photo:Yuu AKISANE
小林さんは、シェアーの応援ペナントを制作するにあたって、BMCチームの広報に写真を使用していいか問い合わせ、「OK」との許可をもらったとのこと Photo:Yuu AKISANE

アフターパーティの参加敷居は高くない

 選手とこれほど近い距離で、長い時間会話する機会はなかなかないだろう。交流会が終了したあとのファンの方々の充実した表情を見ると、交流メインのアフターパーティは大成功だといえよう。

 選手との会話は英語がメインだ。英会話力が高いに越したことはないが、「中学レベルの英語力でも大丈夫!」と話しかけ、選手から貴重なエピソードを引き出しているファンもいた。また、選手と直接話すほどのコミュニケーション力がなくても、その様子を眺めているだけで充実感に浸っている人もいた。楽しみ方は千差万別だ。

 総じて感じたことは参加敷居は低いということだ。憧れの選手をもっと近くで見たいという思いがあれば、BMCレーシングに限らず、アフターパーティへの参加を検討してみるといいだろう。

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