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雨中のサバイバルレースを制する23歳の横塚浩平が初優勝、女子は金子広美が2勝目 ジャパンカップ・オープンレース詳報

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 宇都宮森林公園で開催の「2017 ジャパンカップサイクルロードレース」は10月21日、プロロードレースの前日にアマチュアのオープンレースが開かれた。男子は10.3kmの周回コースを7周する、計72.1kmで争われ、横塚浩平(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)が優勝した。女子のレースは周回コースを3周する計30.9kmで争われ、金子広美(イナーメ信濃山形)が2013年以来の優勝を飾った。

勝利を確信し、ジャージのジッパーを上げながらフィニッシュする横塚浩平 Photo:Naoi HIRASAWA

横塚がロングスパートに成功

 雨が降りしきる森林公園で、エントリー224人に対して184人が出走。Jプロツアーを走る強豪選手も多く参戦していた。

180人を越える選手がスタート。だがこの大集団も2周目には3分の1まで減るサバイバルレースとなった Photo:Naoi HIRASAWA

 午前11時ちょうどに、スタートの号砲が打ち鳴らさると、ポジション取りをめぐって直後の上りから高速でレースが展開されていった。この動きに集団は大きく人数を削られ、1周目を終えた時点でメイン集団は60人ほどまで人数を減らしていた。

 1周目から2周目にかけて、2人の選手が集団からリードを築いたものの、3周目を迎えるころには吸収された。60人ほどの集団のままレースが展開していく。

 スプリント賞が設定された3周目では、鈴木浩太(明星大学)が1人で飛び出しており、独走のままフィニッシュラインを通過してスプリント賞を獲得。12秒遅れて60人ほどの後続集団が続いた。

古賀志林道の上りでペースアップするメイン集団 Photo:Naoi HIRASAWA
3周目のスプリント賞を獲得した鈴木浩太 Photo:Naoi HIRASAWA

 しばらくして、鈴木の逃げも吸収。終盤に向けて徐々にペースも上がるなか、メイン集団は徐々に人数を減らしていった。

 再びスプリント賞が設定された6周回を終えるポイントでは、沢田桂太郎(日本大学)を含む4人の選手がスプリント賞獲得を狙って飛び出した。沢田が先頭で通過して、4人はそのまま逃げを続行していた。続く追走集団は30人ほどまで絞り込まれていた。

 だが、沢田らのアタックは実らず、集団に吸収。その後も断続的にアタックが続くものの決定的な逃げには繋がらなかった。

 ラスト1kmを切って、集団は一つのままゴールスプリントになるかと思われた矢先、横塚と武山晃輔(日本大学)が集団から抜け出してロングスパートを仕掛けた。

会心のレースで優勝を勝ち取った横塚浩平 Photo:Naoi HIRASAWA

 横塚が武山を置き去りにして、ホームストレートを駆け抜けていくと、最後はジャージのジッパーを上げる余裕も見せながらフィニッシュ。7月のJプロツアー矢板ステージに続く勝利を手にした。

 2位には武山が入り、3位には猛烈な追い上げを見せた中井唯晶(京都産業大学)が入った。

 レース後のインタビューで横塚は「終盤は前のアタックにひたすらついていったら、日大の選手(武山)と抜け出していた。最後は気持ちで踏み切って、先着できたのでよかった。チームメイトの米谷(隆志)くんが途中でアタックをしかけてくれたので、動きやすいところもあった。だから本当にチームでとった勝利。(雨のコースはどうか?との問いに)下りがスリッピーでかなり慎重に走った。下りきったところで、前との差が開いていて踏み直すことが多かったが、とにかく転ばないことを意識した。シーズン終盤だけど、もう1勝したいと思っていたので得意なコースのジャパンカップで勝てて良かった」とレースを振り返った。

勝利した横塚浩平(右)と、終盤にアタックで揺さぶりをかけた米谷隆志(左)。泥だらけの姿が激闘を物語っている Photo:Naoi HIRASAWA

 また、ライバルたちの動きについて「人数的にも有利だったので常に日本大学をマークしていた。あとは高岡(亮寛、Roppongi Express)さんも強いと聞いていた。中央大学の2番(尾形尚彦)も上りで強かったので、警戒していた。沢田(桂太郎)くんは強かった。ずっと積極的に前で動いていて強いなと。若干自分の方が上り強いかなと思っていたので、最後の上りで切れてくれればと思ったけど、最後まで残っていたので強かった。スプリントも最後危なかった」とコメントしていた。

 来年の目標を聞かれた横塚は「世界を視野に入れて、UCIレースにも出ていきたい。そういう(UCIレースを中心に戦う)環境にいけるように頑張っていきたい」と世界へのステップアップを宣言した。

序盤から逃げ続けた金子が待望の勝利

 男子オープンレースがスタートした2分後に、女子オープンレースがスタート。男子レースと並行して開催された。

男子オープレレースの2分後にスタートした女子レース Photo:Naoi HIRASAWA

 1周目の古賀志林道の上りで、金子、大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING)、中井彩子(鹿屋体育大学)の3人が集団から飛び出した。1周目の周回を終えた時点では、金子ら3人の逃げグループと追走するメイン集団は7人まで人数を減らしているものの、その差はわずかだった。

 2周目の古賀志の上りに入ると、中井が脱落してしまう。金子と大堀の2人は後続に追いつかれないよう、協調しながらリードを広げていった。

上り区間で後続集団とのリードを広げる金子広美(左)と大堀博美(右) Photo:Naoi HIRASAWA
2周目の上りで脱落してしまった中井彩子だが、粘りの走りを見せ3位表彰台を獲得する Photo:Naoi HIRASAWA

 最終周回を迎える頃には、後続集団との差は40秒まで広がった。中井らを含む3人が追走、その後ろさらに40秒後方には昨年大会2位の吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)を含む5人の集団が追いかける展開となっていた。

 逃げ切りを確実なものにした金子と大堀は、2人によるマッチスプリントとなる。サイドバイサイドの状態から、先に前に出たのは金子。そのまま力を振り絞り、フィニッシュラインに最初にたどり着いた。マウンテンサイクリングin乗鞍を6連覇中のヒルクライムの女王が、2013年以来のジャパンカップオープンレースでの優勝となった。

横並びの状態から、一歩抜け出す金子広美 Photo:Naoi HIRASAWA

 後続グループの先頭は、中井がとり3位表彰台を獲得した。

 レース後のインタビューで金子は「1周目の上りで、3人で逃げる展開になった。2周目の上りで鹿屋の子(中井)が切れて、2人になって回した。でも後ろとの差が詰まってきていた。一瞬離れるけど、このコースは油断するとすぐ後ろが詰まってくる。追いつかれたらスプリント(では勝ち目が)ないので、それはもう逃げるしかないと。最後のスプリントは2人並んで、ここだというタイミングで前に出た。亡くなられた高木(秀彰)さんのためにも勝ちたかった」と語っていた。

インタビューに答える金子広美 Photo:Naoi HIRASAWA

 また2013年優勝時には、鶴カントリー倶楽部のコースも含まれていた。そのコースをメインに周回する今年の宇都宮ロードレースでも優勝していた金子は「(ジャパンカップの)コースが短縮されて、自分が得意なコースではなくなっていた。仕掛けるポイントは古賀志の上りしかなかった」とコメントしており、唯一の攻撃ポイントで逃げに持ち込む展開はプラン通りだったようだ。

男子オープンレース結果
1 横塚浩平(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム) 1時間57分0秒
2 武山晃輔(日本大学) +1秒
3 中井唯晶(京都産業大学) +1秒
4 沢田桂太郎(日本大学) +2秒
5 西原裕太郎(榛生昇陽高) +4秒

女子オープンレース結果
1 金子広美(イナーメ信濃山形) 58分21秒
2 大堀博美(YOKOSUKA UNO RACING) +0秒
3 中井彩子(鹿屋体育大学) +1分5秒
4 西加南子(LUMINARIA)
5 合田祐美子(BH BIORACER) +1分11秒

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