ジャパンカップ出場チーム・選手紹介 第1弾ロットNL・ユンボ出場選手紹介 ジャパンカップ本戦はバッタリーン、ボウマンに注目

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 10月21、22日に開催されるジャパンカップサイクルロードレースの海外からの出場チーム・選手をプレビューしていく。第1弾は初来日するロットNL・ユンボだ。

ジャパンカップ初参戦で勝利を狙うロットNL・ユンボのメンバーたち Photo: Shusaku MATSUO

歴史あるオランダのワールドチーム

 ロットNL・ユンボは、前身のチームも含めると1984年から30年以上にわたる歴史を誇る、オランダの名門自転車チームだ。1996年から2012年までは、ラボバンクがメインスポンサーを務めていた。

前身チームを含めると設立から30年以上の歴史を誇る伝統チーム(提供写真)

 現在のチーム名に変わったのは2014年シーズンからだ。ロットNLはオランダの宝くじ公社、ユンボはオランダ国内2位のシェアを誇るスーパーマーケットチェーン店だ。

 ラボバンク時代にジャパンカップに参戦したことはあるが、ロットNL・ユンボとなってからは初来日となる。

ツール・ド・フランス2017の第17ステージでは、ガリビエ峠を超える難関の第17ステージをプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)が独走で制した(提供写真)

 使用するバイクブランドはイタリアのビアンキだ。同社を代表するチェレステカラーと呼ばれる水色に塗装されたバイクを駆って、選手たちはレースを走る。

 今シーズン、ツール・ド・フランスではプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)とディラン・フルーネヴェーヘン(オランダ)がそれぞれステージ1勝をあげる活躍を見せた。この2人がチームの勝ち頭であり、ロットNL・ユンボの今季25勝のうち13勝はログリッチとフルーネヴェーヘンによるものだ。

 2人は来日していないものの、今回のジャパンカップの出場メンバーは新進気鋭の若手主体の強力な布陣となっている。一人ずつ紹介したい。

エンリコ・バッタリーン

 パンチ力が魅力の27歳のイタリア人選手だ。

ジャパンカップ本戦ではエースを担うエンリコ・バッタリーン(イタリア) Photo: Shusaku MATSUO

 2013年、2014年と2年つづけてジロ・デ・イタリアでステージ優勝を飾っている実力者だ。

 2013年ジロ第4ステージは、終盤に2級山岳を上りきり、7kmほど下り基調のコースを走ってフィニッシュするレイアウトだった。ピュアスプリンターが脱落するなか、生き残った選手たちによる集団スプリント勝負をバッタリーンが制した。

「日曜日のロードレースは脚質に合ってるコース」と意気込むバッタリーン Photo: Naoi HIRASAWA

 2014年ジロ第14ステージは、1級山岳の頂上へとフィニッシュする難易度の高いステージだった。序盤から逃げに乗ったバッタリーンは、クライマーたちの登坂スピードに辛うじてついていけるような状態だった。しかし、ゴール前で驚異の追い上げを見せ、2位に入ったダリオ・カタルドを差し切ってステージ優勝を飾った。

 今シーズンもジロに出場し、平坦スプリントステージで上位に食い込みながら、第8ステージの上りフィニッシュで集団先頭をとり、4位に入っている。

 上りに強いうえに、スプリント力も高いパンチャー的な脚質をもつ選手だ。まさに、ジャパンカップ本戦に打ってつけの選手だろう。ロットNL・ユンボの作戦は、まずバッタリーンで勝利を狙うと見てよいだろう。

バッタリーン:日本に来る前の最後のレースはイタリアで開催されたイル・ロンバルディア。完走を果たし、コンディションは悪くない。以前、ジロで勝利した時は厳しいシチュエーションでセレクションがかかり、残ったメンバーでのスプリントだった。おそらくジャパンカップの本戦でも同じような展開になるだろう。脚質もコースに合っている。調子がいい他のチームメートとともに勝利を狙いたい。

「上りがあるためスペシャリッシマをチョイスした」と明かすバッタリーン Photo: Naoi HIRASAWA

 今回はビアンキのカウンターヴェイル(振動除去機能)を使用した「スペシャリッシマ」でレースに挑む。「オルトレXR4」をチョイスするときもあるが、ジャパンカップのコースは山岳区間があるため、スペシャリッシマを選んだ。ペイントは故マルコ・パンターニのダブルツール(ツール・ド・フランス、ジロ・デ・イタリアを同じ年にそれぞれ総合優勝)から20周年を記念した特別カラー。ビアンキに乗ってレースに挑めることを誇りに思うし、どんなシチュエーションでもベストな結果を求めるうえで必要なバイクだ。期待してほしい。

“パンターニカラー”にペイントされた「スペシャリッシマ」で勝利を目指す Photo: Naoi HIRASAWA

クーン・ボウマン

オールラウンドに活躍するクーン・ボウマン(オランダ) Photo: Shusaku MATSUO

 アグレッシブな走りで逃げを得意とする23歳のオランダ人選手だ。

 今シーズン、クリテリウム・デュ・ドーフィネでは第3ステージでは、スプリンター向きの平坦ステージにもかかわらず逃げ切りを決め、プロ初勝利となるステージ優勝を飾っている。6人の逃げ切りが決まったのだが、この小集団にはスプリンターが複数人残っていた。

 身長178cm・体重60kgと華奢な見た目のボウマンは、純粋なスプリント力ではライバルたちに劣っていただろう。しかし、残り200m付近から思い切りよくラストスパートを仕掛けて、ライバルスプリンターたちを差し置いて先着することに成功したのだ。この思い切りの良さがボウマンの天性の武器だろう。

 ドーフィネでは連日のように逃げまくり、山岳ポイントをコツコツ溜めて山岳賞にも輝いた。一方で、傾斜の厳しく登坂距離の長い本格的な山の上りでは遅れるシーンも目立った。脚質はクライマーではなく、ルーラーに近いものを持っていると思われる。とはいえ、身体が軽いためジャパンカップの周回コースであれば十分に対応できる力を持っているのではないか。

 序盤から逃げに乗っていきたいところであるが、集団内に待機しながら勝負どころで持ち前の思い切りの良さを生かして独走に持ち込むことができれば、勝利も期待できるだろう。バッタリーンとの連携に注目したい。

ファンホセ・ロバト

 上りもこなせる28歳のスペイン人スプリンターだ。

クリテリウムで勝利の期待がかかるファンホセ・ロバト(スペイン) Photo: Shusaku MATSUO

 今シーズンは、ツール・ド・ランというフランス1クラスのステージレース(ツアー・オブ・ジャパンと同じクラス)で、第1ステージで勝利を飾っている。2位に入ったフランスを代表するスプリンターであるナセル・ブアニを抑えての勝利だった。

 続くブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージでは、優勝したマッテーオ・トレンティンに及ばず、惜しくも2位となった。

 身長173cm・体重64kgとのことで、ピュアスプリンターたちに比べると小さな体格である。ゆえに、上りをそれほど苦にしないため、アップダウンの多いジャパンカップ本戦ではアシストとしてチームに貢献することも可能だろう。

 そして、何よりジャパンカップクリテリウムでは優勝候補の一人にあげられる。ロットNL・ユンボのチーム構成的にもロバトでのスプリント勝利を狙ってくるはずだ。

アレクセイ・ヴァーミューレン

 高い独走力をもつ22歳のアメリカ人選手だ。

独走力が持ち味のアレクセイ・ヴァーミューレン(アメリカ) Photo: Shusaku MATSUO

 アメリカのジュニアロード王者の経歴をもち、2016年よりロットNL・ユンボでプロレーサーとして走り始めた。2年目の今シーズンはプロ初勝利をあげるには至っていないものの、要所で光る素質を感じされる走りが見られた。

 クリテリウム・デュ・ドーフィネ第3ステージでは、先にあげたボウマンと共に逃げに乗り、積極的にローテーションを回って逃げ切りに大きく貢献した。

 アメリカ国内ロード選手権では、3位表彰台を獲得した。短い上りを含む平坦基調の周回コースで争われたが、非常にハイペースでレースが展開していった。そのなかで、ヴァーミューレンを含む3人の選手が抜け出すことに成功する。他の2人はプロコンチネンタルチーム所属選手とコンチネンタルチーム所属選手だ。ワールドチーム所属のヴァーミューレンが先頭を引く時間が長くなっていた。

 後続の追走集団にはワールドチーム所属選手が2人いたにもかかわらず、ヴァーミューレンのいる先頭との差が徐々に開いていった。逃げ切りが確実となり、3人のスプリント勝負に持ち込まれたものの、ヴァーミューレンには力が残っておらず3位となった。

 今シーズンは出場した27レース中25レースで完走している。ステージレースだけでなく、ワンデーレースの完走率も高い。ある程度の上りをこなす力と、長時間の逃げも厭わないタフな選手だといえよう。

 ボウマンと同様に序盤から逃げに乗ることもできるし、クリテリウムと本戦どちらにおいても集団コントロールも担うことができる貴重な平坦アシストとして活躍が期待される。

アントワン・トルホーク

 高い登坂力を誇る23歳のオランダ人選手だ。

総合力が持ち前のアントワン・トルホーク(オランダ)Photo: Shusaku MATSUO

 自身初のグランツール出場となったブエルタ・ア・エスパーニャ2017では、総合28位で完走を果たしている。グランツールデビュー戦で、UCIポイント獲得圏内の順位でフィニッシュすることは上出来だといえよう。

 2016年のツール・ド・スイスでは22歳ながら山岳賞を獲得した。連日雨が降り、最終日は降雪のためコース短縮になるほど荒れたレースであったが、トルークは積極的に逃げに乗りつづけ、2位以下に2倍以上の差をつける断トツのポイント数で山岳賞を手に入れた。2017年ツール・ド・ポローニュでは最終ステージで逆転されるまで山岳賞ジャージを着用しており、最終的に山岳賞ランキングで2位だった。逃げに乗ることが上手いうえに、厳しい上りをこなす力を持ち合わせている選手だといえよう。

 ジャパンカップ本戦のような、断続して上りが続くコースレイアウトは、トルークの脚質に合っているはずだ。さらに、2016年ツール・ド・スイスのように、寒い雨にも十分対応できる力を持っているため、降雨が予想される本戦での活躍も期待される。

状況に応じた攻撃的なレース展開を期待

 クリテリウムでは、ロバトの勝利が期待できるだろう。バッタリーンが最終発射台となり、ヴァーミューレンの平坦牽引力の高さが活きるだろう。ロバトのコンディション次第では、バッタリーンでスプリントを狙う可能性もある。

森林公園内のビアンキブースではチームグッズが販売される Photo: Shusaku MATSUO

 本戦では、第一にバッタリーンでの勝利を狙った動くものと思われる。逃げが得意なボウマン、ヴァーミューレン、トルホークがいるので、逃げに選手を送り込んで間接的にバッタリーンをアシストする動きを生み出したいところだ。

 ボウマンは逃げに乗れずとも、キレ味鋭いアタックで集団を置き去りにする力は持っているので、バッタリーンと共に勝利を狙うジョーカー的な存在として期待したい。

 ジャパンカップ本戦が行われる森林公園では21日、22日にチームのマフラータオルやビアンキのナップザックが販売される。オフィシャルグッズを持って会場でチームを応援しよう。

■ロットNLユンボ、ビアンキオフィシャルグッズ
マフラータオル:1,500円
ビアンキナップザック:1,500円
缶バッチ:500円(2個)

関連記事

この記事のタグ

2017 ジャパンカップ 2017ジャパンカップ・選手チーム情報 ビアンキ

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載