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2012年全日本ロード以来の栄冠土井雪広が5年ぶり優勝、マトリックスが4位までを独占 Jプロツアー第21戦・大分ロード

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアー第21戦「JBCFおおいたサイクルロードレース」が10月15日、大分市の大銀ドーム周辺の特設周回コースで開催され、レース終盤に4選手が抜け出したマトリックスパワータグが1位から4位までを独占、土井雪広が2012年の全日本選手権以来となる優勝を飾った。

土井雪広(左端)が優勝。横一列に並んでフィニッシュするマトリックスパワータグの選手たちが完全勝利をアピール Photo: Nobumichi KOMORI

来年のUCI化に向けた新コース

 前日の第20戦「おおいたいこいの道クリテリウム」に続き、「OITAサイクルフェス!!!」の目玉として開催された今レース。翌年からはUCI(国際自転車競技連合)が公認するアジアツアー1.1のレースとして開催されることが決定している。そのため、今年は昨年まで開催されていた1周4.0kmのコースから、UCIの規定に則った1周10.0kmの新設コースでレースが行われることになった。

予報通り激しい雨が降りつける中、ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートラインに整列 Photo: Nobumichi KOMORI

 コースは2002年にサッカーW杯の試合も開催された大銀ドームをスタート/フィニッシュ地点に、地域住民の生活道路として利用量も高い県道や住宅街を通り、大銀ドームを擁する大分スポーツ公園に再び戻った後に、ショッピングモールや大型家電量販店や新興住宅が軒を連ねるパークプレイスを抜けて、再びスタート/フィニッシュ地点に戻るレイアウト。アップダウンが連続するうえにテクニカルな箇所も多いため、踏み続けなければ集団からこぼれ落ちてしまう過酷なレイアウトと言える。

1周目序盤から積極的にアタックを仕掛ける阿部嵩之に追走の3選手が迫る Photo: Nobumichi KOMORI
(前から)白川幸希、小野寺玲、入部正太朗、阿部嵩之の4選手が逃げ集団を形成する Photo: Nobumichi KOMORI

 スタートセレモニーに続き、安全確認のためのニュートラル走行区間を終えてリアルスタートが切られたレースは、激しいアタック合戦が繰り広げられる展開に。その中から阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が単独で抜け出し、さらに入部正太朗(シマノレーシング)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が合流して4人の逃げ集団が形成される。しかし、この逃げは2周目に入ると集団が吸収。再び激しいアタックの応酬が繰り返される展開となる。

パークプレイス内の新興住宅地をハイスピードで疾走する選手たち Photo: Nobumichi KOMORI

有力選手が先頭集団を形成

 レースが再び動いたのは4周目。積極的に逃げを狙う阿部と主催者推薦枠での出場となった石上優大(ジャパンナショナルチーム)の2人が集団から抜け出すと、さらに数人の選手が集団からブリッジをかけ、最終的に佐野淳哉(マトリックスパワータグ)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、入部を加えた7人の逃げ集団が形成される。

レース中盤に入り、7人の逃げ集団が形成 Photo: Nobumichi KOMORI

 7人の逃げ集団はメイン集団とのタイム差を順調に広げ、6周目に入るとその差は1分程度にまで拡大する。いっぽうメイン集団からはルビーレッドジャージを着るホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)やピュアホワイトジャージの雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)を含む6人が飛び出して追走集団を形成するが、この動きはメイン集団が吸収。それと時をほぼ同じくして、逃げ集団では阿部がパンクを喫して遅れ、逃げ集団は6人となる。

山本大喜のアタック田窪賢次が反応し、先行する逃げ集団への追走を開始する Photo: Nobumichi KOMORI
(前から)山本大喜、田窪賢次、横山航太、阿部嵩之の追走集団 Photo: Nobumichi KOMORI

 レースも終盤に差し掛かる8周目になると、メイン集団も活性化。山本大喜(ジャパンナショナルチーム)のアタックに田窪賢次(マトリックスパワータグ)が反応し、さらに横山航太(シマノレーシング)と阿部が合流して、4人の追走集団が形成された。さらにメイン集団からはトリビオと土井が追走に飛び出し、まずはトリビオが追走集団に合流。10周目についに追走集団が逃げ集団をキャッチする頃には、土井も合流して先頭集団は12人となった。

先頭に追走集団がついに合流する Photo: Nobumichi KOMORI

マトリックスパワータグがチーム力を発揮

 12人になった先頭集団では、最多の4人を送り込んだマトリックスパワータグが数的有利の状況を生かして攻撃を開始。トリビオが積極的に攻撃を仕掛け続けたことで集団が分断し、先頭は佐野、土井、トリビオ、フェルナンデスのマトリックスパワータグ4人と、岡、石上、山本の7人となる。さらに、同周の終盤の上り区間に差し掛かると、今度は佐野が強烈なアタックを仕掛けて単独で飛び出し、独走状態を築く。

ルビーレッドジャージを着用するトリビオの攻撃で先頭集団が分断 Photo: Nobumichi KOMORI
7人に絞られた先頭集団も佐野淳哉のアタックで崩壊 Photo: Nobumichi KOMORI

 佐野の独走状態が続くまま迎えた11周目になると、まずはトリビオ、続いて土井とフェルナンデスが佐野に追いつき、マトリックスパワータグ4人が先頭を固める状況となる。その後方は日本代表として今年のツール・ド・ラヴニールに出場した石上、山本、岡の3選手。レースは経験豊富なベテラン選手がそろうマトリックスパワータグ勢の先頭を、日本ロードレース界の将来を担う若手選手が追う展開となったが、経験値に優るマトリックスパワータグ勢が安定した走りで残る1周半ほどを走り切り、4選手がそろってフィニッシュに姿を現した。最後は4選手が横一列にならんでゴールし、マトリックスパワータグが1位から4位までを独占する圧巻のレースを見せた。

P1クラスタ表彰式。左から2位佐野淳哉、優勝した土井雪広、3位のアイラン・フェルナンデス Photo: Nobumichi KOMORI

 土井が表彰台に立つのは、2012年の全日本選手権ロード以来のこと。表彰ステージでそのことを問われた土井は「自分が勝つよりも、人を勝たせることの方が好き」とベテランらしいコメント。今シーズンのマトリックスパワータグは元全日本チャンピオンの土井と佐野がシーズンを通して好調を維持し、その走りと経験がチームの勝利量産に貢献している。この日の土井の勝利は、その働きに対するチームメートからの恩返しと言えるかもしれない。

ルビーレッドジャージのホセビセンテ・トリビオ(左)と、ピュアホワイトジャージの雨澤毅明 Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージはホセビセンテ・トリビオが、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージは雨澤毅明が、ともに堅守している。

 次戦は10月28日にシリーズ最終戦となる「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」が、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催される。

Jプロツアー第21戦「おおいたサイクルロードレース」結果
1 土井雪広(マトリックスパワータグ) 3時間14分11秒
2 佐野淳哉(マトリックスパワータグ)
3 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
4 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
5 石上優大(ジャパンナショナルチーム) +1分08秒
6 山本大喜(ジャパンナショナルチーム) +1分13秒

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