出場5人が完走トマ・ルバが個人総合10位確定、キナンがUCIポイント獲得 ツアー・オブ・イラン最終ステージ

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 10月8日に開幕したUCIアジアツアー2.1クラス、ツアー・オブ・イラン(Tour of Iran)は、13日に大会が終了。この日は最終の第6ステージがタブリーズ市内で行われた。キナンサイクリングチームは、トマ・ルバがチーム最高位となる個人総合10位でフィニッシュ。トマは第4ステージで2位になるなど好走し、最終的な総合トップ10にも結び付けた。そのほか、ジャイ・クロフォード、山本元喜、阿曽圭佑、中西健児も走りきり、 出場した5人全員が完走を果たした。

スタートを切るトマ・ルバとジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 標高1500mを超える高地であることや、中東特有の強い横風など、自然条件がレース展開に大きく影響してきた今大会。第1ステージから常にハイペースで進行し、険しい山岳で勝負できる人数が絞り込まれていった。そして、戦い抜いた選手たちは最終日、大会の拠点都市であるイラン北西部のタブリーズでの凱旋レースに臨んだ。
第6ステージは、市街地に設けられた、レース距離が 200km を超えるステージもあった中、最終日はショートステージとあってスピード感あふれる勝 負になることが予想された。

出走サインをする中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
スタート前に念入りに無線の設定を行う Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームは、前日の第5ステージまでを終えてトマが個人総合10位につける。最後の戦いに向けては、トマの順位を落とさないこととともに逃げへのトライや、ステージ優勝のチャンスをうかがっていくことを選手間で確認した。

メイン集団内で走る阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団内を走行する中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
誘導ミスでコースアウトしたジャイ・クロフォードは思わず苦笑い Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そうして迎えたレースは、スタート直後にクロフォードを含む5人が逃げグループを形成。メイン集団はイラン勢を中心にコントロールされ、前を行く選手たちとのタイム差をコントロールする。ところが、逃げグループへの誘導ミスが発生し、クロフォードたちがコースアウト。急遽プロトン全体にストップがかけられ、逃げメンバーがコースに戻ったところで直前までのタイム差を有効にして再スタート。

 改めて先行した5人だったが、メイン集団とのタイム差が広がらなかったこともあり、1人、また1人と後方へ戻ってゆく。クロフォードら3人となった逃げグループだったが、5周回目までには集団がキャッチした。

終盤に向けて戦術を確認し合うトマ・ルバと山本元喜 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

メイン集団では、総合上位がかかるトマのために山本や阿曽、中西がサポート。ときお り戦術を確認しながら次なる展開に備える。レースが後半に入ってからは、イラン勢2人が逃げる場面こそあったものの、スプリントフィニッシュを見据えるチームが集団のペースを上げて先行する選手を吸収。決定的なアタックはないまま、最終局面へと突入した。

終盤に入りペースアップするプロトン。1列になって進む Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団でフィニッシュしたジャイ・クロフォード Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 スプリンターチームに負けず劣らず、キナン勢もトマのトラブル回避のために隊列を 組んで集団前方へと上がる。特にラスト 1km を切ってから山本が最前列に姿を現すなど、 最後まで果敢に前をうかがう走り。結果的にスプリンターたちによるステージ優勝争いになったが、安全なポジションへと送り出されたトマは集団内でフィニッシュした。

個人総合10位を確定させたトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 総合上位陣に動きがなかったため、トマの個人総合10位が確定。チームの目標でもあるUCIポイントは20点獲得となった。また、大会中盤からアシストに専念したジャイを はじめ、山本、中西、阿曽もトマの総合成績に貢献。地元イラン勢や、実力者をそろえる ヨーロッパ勢とも十分に渡り合えるところを見せた。

メイン集団でフィニッシュした山本元喜 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団でフィニッシュした中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 激しい戦いを終えたキナンサイクリングチームは、9月から続いたインドネシアとイランへの遠征を終了。秋の UCI レース転戦は続き、次戦は10月20~22日に行われるジャパンカップサイクルロードレース(UCI アジアツアー 1.HC、レース本戦は22日)。チームとしても重要なビッグレース。アジア各地で示したチーム力と、好結果で得た勢いを日本 国内で披露する機会となる。

●トマ・ルバ のコメント

「できればもう少し総合上位でフィニッシュしたかった。順位に関しては悔しい。6日間トータルで自分の走りを振り返るならば、可もなく不可もなくというところ。(第4ステージで)ポディウムに上がることができたのはよかった。とても難しいツアーだったし、 ジャイに不運(第4ステージのパンクトラブルで後退)もあった。一方で、若い日本人選手たちにとってはチームワークを高める機会になったのではないだろうか。大会はオーガナイズされていた。とにかく毎日レーススピードが速かった。それに尽きる。次はジャパンカップ。自分にとってはよい印象しかないから本当に楽しみ。コンディションも上がってきているし、ベストリザルトを目指して走りたい」

ツアー・オブ・イラン第6ステージ(114km)結果
1 テオドール・イェーツ(オーストラリア、ドラパック・パッツベグホリスティック) 2時間40分34秒
2 モハマド・ガンカンロウ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +0秒
3 マルコ・ドーツ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) +0秒
4 ソウフィアン・サーバウィ(モロッコ、ヴィブバイクス) +0秒
5 メフディ・ソフラビ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +0秒
6 イェーレ・マンナーツ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) +0秒
37 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +0 秒
52 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +0秒
53 中西健児(KINAN Cycling Team) +0秒
60 山本元喜(KINAN Cycling Team) +0秒
69 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +8分49 秒

個人総合時間賞
1 ロブ・ルイヒ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) 23時間11分31秒
2 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +4秒
3 ニコラ・トッファーリ(イタリア、0711 サイクリング) +7秒
4 ジェシー・フィートンビー(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+14秒
5 マシュー・ロス(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+39秒
6 エフゲニー・ネポムニャンフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +40秒
10 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分22秒
37 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +36 分 3秒
63 山本元喜(KINAN Cycling Team) +54分1秒
65 中西健児(KINAN Cycling Team) +54分48秒
69 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +1時間19分43秒

スプリント賞
1 マルコ・ドーツ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) 26 pts

山岳賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) 48 pts
14 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) 10 pts
17 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) 7 pts
23 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 2 pts

ヤングライダー賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズシャハルダリチーム)23時間11 分35秒
35 中西健児(KINAN Cycling Team) +54 分 44 秒
39 阿曽圭佑(KINAN Cycling Team) +1 時間 10 分 50 秒

チーム総合
1 タブリーズ シャハルダリチーム 69 時間 37 分 15 秒
12 KINAN Cycling Team +1 時間 22 分 35 秒
●選手コメント
トマ・ルバ 「できればもう少し総合上位でフィニッシュしたかった。順位に関しては悔しい。6 日間 トータルで自分の走りを振り返るならば、可もなく不可もなくというところ。(第 4 ステ ージで)ポディウムに上がることができたのはよかった。とても難しいツアーだったし、 ジャイに不運(第 4 ステージのパンクトラブルで後退)もあった。一方で、若い日本人選 手たちにとってはチームワークを高める機会になったのではないだろうか。
大会はオーガナイズされていた。とにかく毎日レーススピードが速かった。それに尽きる。
次はジャパンカップ。自分にとってはよい印象しかないから本当に楽しみ。コンディショ ンも上がってきているし、ベストリザルトを目指して走りたい」
写真説明
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最終ステージの出走サインを行うジャイ・クロフォード
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出走サインを行うトマ・ルバ
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出走サインを行う阿曽圭佑
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出走サインをする山本元喜
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出走サインをする中西健児
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スタート前に念入りに無線の設定を行う
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個人総合トップ 10 がかかるトマ・ルバ。スタート前も穏やかな表情
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スタートを切るトマ・ルバとジャイ・クロフォード
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誘導ミスでコースアウトしたジャイ・クロフォードは思わず苦笑い
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レース前半は逃げグループで進んだジャイ・クロフォード
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メイン集団内を走行する中西健児
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メイン集団内で走る阿曽圭佑
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懸命に逃げるジャイ・クロフォード
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集団内で淡々とレースを進めたトマルバ
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最終の第 6 ステージは市街地の周回コース。向こうに高層マンション群が見える
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グレーチングをホップで越える山本元喜
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終盤に向けて戦術を確認し合うトマ・ルバと山本元喜
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列を組んで走るジャイ・クロフォードと阿曽圭佑
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終盤に入りペースアップするプロトン。1 列になって進む
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市街地でのレースとあって沿道には多くの人が駆け付けた
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メイン集団でフィニッシュしたジャイ・クロフォード
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メイン集団でフィニッシュした中西健児
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メイン集団でフィニッシュした山本元喜
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個人総合 10 位を確定させたトマ・ルバ。フィニッシュ後の表情

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