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個人総合でも9位にアップキナンのトマ・ルバがステージ2位 ツアー・オブ・イラン第4ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームらが出場中のツアー・オブ・イランは10月11日、第4ステージが行われ、横風が選手たちを苦しめた中、キナンのトマ・ルバが区間2位に入る快走をみせた。ルバは個人総合でも9位にジャンプアップし、大会終盤戦へとつなげている。

ステージ2位で表彰台に上がったトマ・ルバ。観衆からの拍手に応える Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 イラン北西部を舞台に開催される大会も後半戦へと突入。標高1500mを超える高地で行われているレースは、険しい山岳とともに強い風が戦いをハードなものとしている。ここまでの3ステージは終始ハイペースで進み、力のある選手たちだけが上位争いに生き残るような状況が続いている。

スタートまではテントで日差しを避ける Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 196.2kmに設定された第4ステージは、前半に2級山岳が控えるほか、後半は3級山岳からの長い下りを経て、最後は4級山岳の頂上へとフィニッシュ。今大会唯一の山頂フィニッシュであると同時に、合計3つのカテゴリー山岳が待ち受けるクイーンステージだ。

 キナンサイクリングチームは、第3ステージまでを終えてジャイ・クロフォードが個人総合8位、ルバが同15位につける。前日には阿曽圭佑が逃げで好走するなど、明るい材料も多い。この重要なステージにあたっては、阿曽のほか山本元喜、中西健児の日本人ライダーが、クロフォードとルバの上位進出をアシストする明確な任務が与えられた。

第4ステージのコースレイアウト。選手たちはスタート直前までチェックを繰り返した Photo: Syunsuke FUKUMITSU
チームカーから石田哲也監督が手を振る Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ペースの上がる集団内でトマ・ルバとジャイ・クロフォードが前方をキープする Photo: Syunsuke FUKUMITSU
チームカーへと下がって補給を受け取る Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースはスタートから速いスピードで進行した。出入りが激しいまま、32.6km地点に設けられた2級山岳へと入っていったが、山頂通過をきっかけに3選手が逃げグループを形成した。集団はこの動きを容認。キナン勢は後半の勝負どころに備え、メイン集団に待機した。

標高2000mを超える高地を進むプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU
横風の影響で選手たちがコース左側に集中する Photo: Syunsuke FUKUMITSU
エシュロン(斜め隊列)を組んで進むメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ところが、50km地点を過ぎたあたりから強い横風によってメイン集団全体が慌ただしくなった。リーダーチームのヴィノ・アスタナモータースや地元イラン勢が中心となり、集団を猛然とスピードアップ。集団後方に位置していたり、チームカーへと下がっていた選手たちは、次々と中切れにあって集団から脱落してしまう。こうした状況下で、キナン勢はクロフォード、ルバ、中西が集団前方を確保。遅れまいと必死に集団に食らいついた。

 しかし、速いペースに耐えられなくなった選手をきっかけに集団は粉砕。3人の逃げも吸収された一方で、いくつものグループに割れ、キナン勢はいずれも後方へと下がる形になってしまう。さらには、荒れた路面でクロフォードがパンクトラブル。すぐに車輪を交換し前を追うが、風が強かったこともあり集団復帰に時間を要した。

強い横風の中を走る山本元喜 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
集団に食らいつくジャイ・クロフォード。この後パンクトラブルで後退を余儀なくされた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この状況下で気を吐いたのがルバだ。力のある数人と前を目指すべく飛び出すと、100km地点を過ぎて先頭集団に復帰。約20人が後続との差を広げながら先を急いだ。149.8km地点の3級山岳ポイントに向けて、いくつかのアタックはあったものの、いずれも決定打とはならず。そのまま下りに入り、フィニッシュを目指した。

 最終局面となる4級山岳は、登坂距離8.7kmながら平均勾配2.1%と難易度は低め。結局、ルバたちの集団は約20人のままステージ優勝争いのスプリントへと突入した。

 ラスト数百メートルで好位置につけたルバは、勝利に向けて一気に加速。あと一歩届かず2位だったが、一時は後方に取り残される苦しい状況から、持ち直して好結果に結びつけた。

ステージ2位となったトマ・ルバ。苦しい局面から盛り返しての好リザルトだった Photo: Syunsuke FUKUMITSU
上位3選手の表彰 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 この走りを受けて、ルバは総合順位を9位に浮上させた。トップとは1分19秒差だが、総合上位陣はいずれも数秒間隔で続いており、残るステージの結果次第ではさらなる順位アップの可能性が大いにある。また、クロフォード、山本、阿曽、中西はそれぞれレース後方で形成された完走を目指すグループでフィニッシュ。クロフォードは総合8位から34位に後退している。

 翌12日からは大会終盤戦へ。第5ステージは、サレインからタブリーズまでの191.7km。序盤から登坂距離約18kmの1級山岳が登場。後半は2級山岳を経て、フィニッシュに向かって30km以上に及ぶダウンヒル。最終の第6ステージが市街地周回のショートステージとなっていることから、総合争いの形勢は実質第5ステージで固まるものと見てもよさそうだ。キナンサイクリングチームとしては、ルバの総合上位進出をかけての1日となる。

グルペットでフィニッシュした選手たち Photo: Syunsuke FUKUMITSU
地元メディアからの取材に応じるトマ・ルバ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

●トマ・ルバのコメント

 「今日もハードな1日だった。横風の影響で一度集団から遅れてしまい前を追う格好となったが、追いついてからはトラブルなく走ることができた。その後はイラン人選手をチェックしながら、チャンスを見極めた。結果として2位だったが満足している。
 総合に関しては、トップとのタイム差が少し開いているので、一気にジャンプアップすることは難しいかもしれない。ただ、いまの順位を守りながらステージ優勝のチャンスもうかがっていきたいと思う。
 インドネシアで体調を崩したが、いまは回復している。高地でのレースとあり、苦しいことは確かだが、走った後のケアをしっかりしてこの先のスケジュールに備えたい」

ツアー・オブ・イラン第3ステージ(155.1km)結果
1 アミール・コラドザハ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) 4時間25分40秒
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +0秒
3 ロブ・ルイヒ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) +0秒
4 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマンサイクリングチーム) +0秒
5 エフゲニー・ネポムニャンフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +0秒
6 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +0秒
65 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +29分6秒
69 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +29分9秒
70 中西健児(キナンサイクリングチーム) +29分9秒
72 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +29分9秒

個人総合時間賞
1 ロブ・ルイヒ(ベルギー、タルテレット・アイソレックス) 16時間5分58秒
2 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +1秒
3 ジェシー・フィートンビ―(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+11秒
4 エフゲニー・ネポムニャンフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +37秒
5 マシュー・ロス(オーストラリア、ドラパック・ペッツベグホリスティック)+39秒
6 サイード・サファルザデフ(イラン、タブリーズ シャハルダリチーム) +47秒
9 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分19秒
34 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +29分48秒
66 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +53分8秒
67 中西健児(キナンサイクリングチーム) +54分45秒
71 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1時間0分46秒

スプリント賞
1 マルコ・ドーツ(オランダ、ベイビーダンプサイクリングチーム) 18 pts

山岳賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) 42 pts
10 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) 10 pts
16 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 2 pts
23 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 1 pts

ヤングライダー賞
1 イリヤ・ダヴィデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) 16時間5分59秒
37 中西健児(キナンサイクリングチーム) +54分44秒
41 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +1時間0分45秒

チーム総合
1 タブリーズ シャハルダリチーム 48時間20分27秒
12 キナンサイクリングチーム +1時間21分45秒

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