地域活性化への“野望”栃木・那須地域はなぜ自転車が盛んなのか 今季は新たにJプロツアー4レース

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 栃木県北部の那須地域で自転車を活用した活性化への取り組みが広がっている。平成27年、大田原市と那須町で自転車の全日本選手権が開催され、周辺自治体にも機運が高まり、今年、那須地域では自転車ロードレースのJプロツアーで4レースが初開催された。両市町に加え、那須塩原市、矢板市で新たなレースが設定されたのだ。観光のきっかけにもなるとして各市町では自転車を活用した“野望”にこぎ出している。(産経新聞宇都宮支局・伊沢利幸)

JR那須塩原駅の駅前大通りがコースになった「JBCF 那須塩原クリテリウム」 Photo: Ikki YONEYAMA

 那須地域の自転車イベント開催は東日本大震災がきっかけだ。福島第1原発事故による風評被害で離れた観光客を呼び戻そうと那須町の観光施設関係者らが目をつけた。発起人の一人で那須どうぶつ王国総支配人の鈴木和也さん(56)は「一過性で終わらないイベントとして自転車にたどりついた。当時は震災でイベントは自粛すべきだとの声もあった」と振り返る。

 自転車イベントの運営母体「那須高原オールスポーツアソシエーション」(NASA)を中心に、24年10月にはロードレースのプロチーム「那須ブラーゼン」が誕生。NASAは那須町と協力、自転車の全日本選手権誘致にも成功した。

 「自転車は那須町の魅力を引き出す重要な役割を持っている。観光との接着剤として活用できる」と鈴木さん。農業体験のツーリズム会社との共同事業も考えている。

初開催された「JBCF大田原クリテリウム」 Photo: Nobumichi KOMORI

 同選手権で個人タイムトライアルの会場となり、ブラーゼンを設立時から支援する大田原市は今年7月、Jプロツアーのクリテリウムを開催、約4000人が観戦した。同市教委スポーツ振興課は「これだけ人を集められるイベントはなかなかない。大田原は那須に向かう通過点だったが、立ち寄ってもらえるよう、レースを継続、市単独のイベントも企画したい」と意気込む。

 隣接する矢板市では若手職員がプロジェクトチームを組織。発起人でもある同市総合政策課の斎藤厚夫さんは「レースは開催だけが目的ではなく、地域活性化へ次につなげていくためのもの。自転車に乗れば地域の景色も楽しんでもらえる。地域資源を生かせる可能性も感じた」と話し、「サイクリストにとって市町境は関係ない。那須地域全体で情報発信に取り組む必要がある」と訴える。

激しいレース展開になった「 JBCFやいた片岡ロードレース」 Photo: Nobumichi KOMORI

 大田原、矢板、那須の3市町は国の地域創生推進交付金を受け、協議会を発足。ホームページを立ち上げ、サイクリストが気軽に立ち寄れる飲食店の紹介を始めた。

 またJプロツアーのクリテリウムを初開催し、約1万人の来場者があった那須塩原市も「経済効果もあり、まちづくりの一つのアイテム」と、今後もレースを継続する意向だ。

産経ニュースより)

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