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ツール・ド・モルッカ第4ステージ椿大志が逃げ切りでUCIレース初優勝 終盤に渾身のアタックから独走

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 キナンサイクリングチームの椿大志が、9月21日に開かれたツール・ド・モルッカ第4ステージで序盤の逃げに入り、終盤にアタックを決めUCIレースで自身初優勝となる独走勝利を挙げた。キナンにとっても発足3年目で初めての日本人選手のUCIレース制覇となった。キナンはリカルド・ガルシア(スペイン)の山岳賞、 チーム総合での首位も守っている。

会心の逃げ切りを決めた椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 18日に始まった大会は後半戦に突入。第4ステージは、中盤に4級山岳が控えるほかはおおむね平坦基調。とはいえ、ところどころで細かなアップダウンがあるなど、決してイージーとは言い切れないレイアウト。力のある選手やチームがどう動くかが焦点となった。

 キナンはここまで同様、個人総合2位につけるジャイ・クロフォード(オーストラリア)のリーダージャージ獲得を意識しつつ、逃げにも選手を送り込めるよう序盤の動きをポイントに置いた。そして、その狙い通りに椿が前方でレースを展開することになった。

序盤に形成された逃げグループに加わった椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 逃げが決まったのは、スタートから約30km進んだ地点。5人ほどが先行したタイミングで、それを追った椿が合流。さらに追随した選手たちも含め、13人という大人数の逃げグループが形成された。

 メイン集団は、リーダージャージを着用するマーカス・クレイ(オーストラリア)擁するセントジョージコンチネンタルとキナン勢が主にコントロール。一方で、キナンとセントジョージともに逃げグループに選手を送り込んでいることもあり、逃げを容認しながらも先行する他チームの選手たちの総合ジャンプアップは許さないよう、適度なタイム差で進行。前を走る椿も後続とのタイム差を見ながら先頭交代のローテーションに加わった。

メイン集団前方で隊列を組んで進むキナン勢 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
椿大志が他の逃げメンバーとともに登坂区間に入る Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 約6分差となったのを境に、逃げとメイン集団との差は少しずつ縮まり始める。キナンからは阿曽圭佑、トマ・ルバ、(フランス)さらにガルシアが集団のコントロールに加わるが、椿たちに逃げ切りの可能性があることから、一気にタイム差を詰めることはしない。

チームカーへと下がって戦況を確認する椿大志。レース中何度も雨が強まった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 やがてタイム差は1分を切ったが、残り15kmを切ったあたりから椿たちが逃げ切りに賭けてペースアップ。椿は上りでアタックしてメンバーの絞り込みを図るが、10人を超える人数に変化は起きず。それでも、メイン集団との差を広げることに成功し、逃げ切りが濃厚な状況を作り出した。

 ステージ優勝をかけた勝負は、残り5kmから活性化した。他選手のアタックに一瞬反応が遅れた椿だったが、落ち着いて対処。残り3kmを切ったところでブリッジを決めて追いつくと、追ってきた選手もろとも振り切る渾身のアタック。

ホッとした表情の椿大志。自身のUCIレース初優勝に加え、チームに日本人選手UCIレース初勝利をもたらした Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 かつては個人タイムトライアルで23歳未満の日本チャンピオンに輝くなど、独走力に長ける椿。後続の追い上げにあいながらも、自慢のスピードでライバルの望みを断ち切った。フィニッシュへと向かう長い直線に先頭で現れると、残り100mで勝利を確信しガッツポーズ。後方では着順争いのスプリントが始まっていたが、最後は余裕をもってフィニッシュラインを通過。会心の逃げ切りとなった。

 今年キナン入りした椿にとっては、キャリア初のUCIレース勝利。また、キナンにとっても、発足3年目にして初めて日本人選手でのUCIレース制覇となった。

チームメートと勝利の喜びを分かち合う椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 これにより、キナンは前日の第3ステージでのガルシアの勝利に続く2連勝。初開催の大会にあって、キナン勢の好調ぶりがひときわ目立っている。

 なお、メイン集団は椿から46秒差でこのステージを終えている。総合上位陣や各賞に大きな変動は起きず、キナンではクロフォードが個人総合2位、ルバが同4位、ガルシアが同10位と続く。ガルシアの山岳賞、チーム総合での首位も安定してキープしている。

ステージ上位3選手の表彰 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ポディウムに上がった椿大志。壇上からの景色をスマートフォンに収める Photo: Syunsuke FUKUMITSU
リカルド・ガルシアは山岳賞ジャージをキープ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 インドネシア・モルッカ諸島を舞台に行われてきた大会も、残すところ1ステージ。最終日は、4日間を駆けたセラム島を後にし、南隣のアンボン島での第5ステージ。スタート後しばらくしてアンボン市内へと入り、市街地の周回コースをめぐる82.9kmで争われる。

椿大志のコメント「前だけを見て走った」

「キナンの一員として、そしてUCIレースでの初勝利に、うれしいと同時にホッとしている。最後のアタックを決めたのはラスト3kmを過ぎてから。先にアタックした選手めがけてブリッジを仕掛けて、追いつきざまにチェックされないくらいのペースに上げて独走に持ち込んだ。それでも後ろが追ってきているのが分かって、気持ちで負けたら終わりだと思って前だけを見て走った」

■ツール・ド・モルッカ第4ステージ結果(141.5km)
1 椿大志(キナンサイクリングチーム) 3時間21分9秒
2 ジャマリディン・ノヴァルディアント(インドネシア、PGN サイクリングチーム) +3秒
3 モハマド・アブディルハリル(マレーシア、チーム サプラサイクリング) +3秒
4 アブディル・ガニ(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +3秒
5 チャ・ドンヒョン(韓国、LX サイクリングチーム) +3秒
6 ムハマド・モハドザリフ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +3秒
25 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +46秒
30 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +46秒
42 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +46秒
51 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +2分56秒

■個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) 13時間23分59秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +5秒
3 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)+9秒
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +6分21秒
5 ジャマル・ヒバトゥラー(インドネシア、KFC サイクリングチーム) +6分43秒
6 アイマン・カヤディ(インドネシア、チーム サプラサイクリング) +6分44秒
10 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +8分22秒
27 椿大志(キナンサイクリングチーム) +9分56秒
38 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +12分55秒

■ポイント賞
1 アクマイ・ハキーム・ザカリア(マレーシア、チーム サプラサイクリング) 37 pts
2 椿大志(キナンサイクリングチーム) 20 pts
6 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 16 pts
7 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 15 pts
14 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 9 pts

■山岳賞
1 リカルド・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 10 pts
2 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 7 pts
6 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) 2 pts

■チーム総合
1 キナンサイクリングチーム 40時間26分25秒

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