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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第21ステージフルームが初の総合優勝でダブルツール達成 マドリードでのスプリントはトレンティンが制し大会4勝目

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第21ステージが9月10日、アロヨモリーノスからマドリードへの117.6kmで争われ、マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)が集団スプリントを制し、大会4勝目となるステージ優勝を飾った。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は、ポイント賞ジャージを狙ってスプリントに参加してステージ11位でフィニッシュ。自身初の総合優勝を果たし、ダブルツールを達成。さらにマイヨロホに加え、マイヨコンビナータとマイヨプントスも獲得した。

総合優勝を果たしたクリストファー・フルーム(写真中央) Photo : Yuzuru SUNADA

恒例のパレード走行でマドリードを目指す

 ブエルタもツール・ド・フランスと同様に、最終日はパレード走行をしながらマドリード周回コースを目指すのが慣例となっている。

 フルームを擁するチームスカイが横一列に並んで、肩を組みながらフォトセッションを行ったり、瓶ビールやシャンパンで乾杯などしていた。ツールに続いてブエルタでも、通常の青いラインのジャージではなくマイヨロホをイメージした赤のラインがデザインされた特別ジャージを着用し、フルームのバイクはスペインカラーである赤と黄色の限定カラーで走っていた。

特別カラーのバイクに乗って走るクリストファー・フルーム Photo : Yuzuru SUNADA

 前日、ステージ優勝を飾ったアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)は、エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)を「スペイン自転車界の未来」と紹介していた。22歳のマスは、今大会が初めてのグランツール参戦。コンタドールが運営するアマチュアチーム出身の選手ということを差し置いても、将来に期待が持てる実力者だ。

 マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)は、エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)と共に「Un ano mas Alberto!(アルベルト、もう一年!)」と歌っていた。陽気なチームの空気感も、コンタドールの花道を飾る上でプラスの影響を与えたことだろう。

 3週間にわたる激戦を終えた選手たちは、和気あいあいとした雰囲気を満喫しながら、お互いの健闘を称え合ったり、じゃれ合いながら、最後の目的地であるマドリードの中心地へと向かっていった。

 マドリード周回コースまで、あと数キロとなったところで、コンタドールが単独で集団から抜け出した。沿道のファンの歓声に応え、手を振りながら、マドリード周回コースに入っていった。フィニッシュ地点付近には、大勢のファンが沿道を埋め尽くしており、コンタドールは最後のお別れの時間をスペインのファンたちと共有した。

 チームスカイが集団の先頭にメンバー全員横一列になって、フィニッシュ地点を通過すると、いよいよ本格的なレースのスタートとなった。

トレンティンが抜群の加速力を見せる

 そのまま先制の口火を切ったのは、チームスカイだった。フルームが持つポイント賞ジャージを守るために、2人の選手にアタックをかけさせたが、ポイント賞ジャージを奪還したいトレンティン擁するクイックステップが動きを封じた。

 クイックステップが集団のコントロール権を握ったまま、周回を重ねていくものの、チームスカイの選手が度々アタックを仕掛けて逃げを試みていた。都度、クイックステップがアタックを潰して、決定的なリードは与えなかった。

 中間スプリントポイントが設定された周回では、フルームがアシストを伴って集団前方に位置取りする。イアン・スタナード(イギリス)がフルームのリードアウトを担い、加速すると、1ポイントでも与えたくないクイックステップ勢がなだれ込むように3人がかりでスプリントを開始。トレンティンが1位通過し、フルームのポイント獲得を阻止した。

 一旦、集団のスピードが緩んだところで、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ)、ニック・シュルツ(オーストラリア、カハルラル・セグロスRGA)の3人が飛び出した。

 レースを落ち着かせたいクイックステップは、3人の逃げを容認したものの、20秒程度のタイム差で泳がせていた。

 残り9kmで、逃げのシュルツが脱落。メイン集団とのタイム差は10秒以下に縮まってくると、最終周回に入るタイミングでコスタとデマルキの2人も吸収された。

ステージ優勝のトレンティンは大会4勝目と大爆発 Photo : Yuzuru SUNADA

 集団スプリントに向けて、キャノンデール・ドラパックとクイックステップの主導権争いが激しくなりつつ、残り1kmの最終コーナーはクイックステップが先頭で通過。フルームは10番手付近にいた。

 ジュリアン・アラフィリップ(フランス)の好リードアウトによって、トレンティンを先頭で発射。圧倒的な加速力を見せ、ライバルを寄せ付けない盤石のスプリントで先着。大会4勝目となるステージ優勝を飾った。

 フルームは単騎でスプリントに挑み、ステージ11位に滑り込んだ。5ポイントを獲得して、ポイント賞ジャージを守り抜いたのと同時に、初めてのブエルタ総合優勝が決定した。

フィニッシュ後、アシストのニエベと共に優勝を喜ぶフルーム Photo : Yuzuru SUNADA
スペイン国旗を掲げて、ラストランをするコンタドール Photo : Yuzuru SUNADA

史上初のツール・ブエルタの同年制覇

 最終日は、日が暮れた夜にライトアップされた特設のポディウムで、総合表彰式が行われる。

 大会を通じて最も攻撃的に走った選手に贈られるスーパー敢闘賞はコンタドールが受賞した。トレック・セガフレードのチームメイトと共に登壇し、「バキューン」ポーズをチーム全員で見せていた。

最後はトレック・セガフレードのメンバー全員で「バキューン」 Photo : Yuzuru SUNADA

 フルームは改めてマイヨロホに袖を通した。イギリス人がブエルタを制することも初めてのことだ。さらに、7月のツール、8・9月のブエルタを同年に制するダブルツールは史上初の出来事であり、マイヨプントス・マイヨコンビナータも同時に獲得する、まさに偉業ずくめの大会となった。

 チームスカイの選手は、9人全員が完走したように、抜群のチーム力にも支えられての快挙達成となった。

誰ひとりとして欠けることなく、マドリードにたどり着いたチームスカイのメンバーたち Photo : Yuzuru SUNADA

 また、山岳賞はダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック)が獲得。昨年のジャパンカップの勝者でもある。特別ジャージでの表彰はないが、新人賞にはミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)が輝き、チーム総合成績もアスタナが1位となった。

第21ステージ結果
1 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 3時間6分25秒
2 ロレンゾ・マンザン(フランス、エフデジ) +0秒
3 ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ) +0秒
4 トム・ヴァンアスブロック(ベルギー、キャノンデール・ドラパック) +0秒
5 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) +0秒
6 マグナスコルト・ニールセン(デンマーク、オリカ・スコット) +0秒
7 ケネット・ヴァンビルセン(ベルギー、コフィディス) +0秒
8 サーシャ・モードロ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +0秒
9 ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
10 ダニエル・ホールゴール(ノルウェー、エフデジ) +0秒

個人総合(マイヨロホ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 82時間30分2秒
2 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +2分15秒
3 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +2分51秒
4 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +3分15秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +3分18秒
6 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +6分59秒
7 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +8分27秒
8 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +9分13秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +11分18秒
10 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +15分50秒

ポイント賞(プントス)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 158 pts
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 156 pts
3 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 128 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) 67 pts
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 47 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 35 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 5 pts
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 17 pts
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) 18 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 247時間16分21秒
2 モビスター チーム +6分16秒
3 チーム スカイ +8分12秒

スーパー敢闘賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)

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