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つれづれイタリア~ノ<100>ロードレース裏話やファッションチェック 連載100回の人気記事トップ10

by マルコ・ファヴァロ / Marco FAVARO
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 このコラムの連載が開始してから、今回で100回目を迎えることができました。前身だった「今日の自転車イタリア語」のコーナーの一つとして2013年1月にスタートし、自転車と私の母国、イタリアを結びつけながら、さまざまな観点から自転車の魅力を紹介することを心がけました。最初の話題が「イタリア人の“自転車初詣”」。今読むと、とても懐かしい。

 100回目という節目は、今まで歩んできた道を顧みるための重要なものです。ライターとしての責任感を感じさせる大きな数字です。この場を借りて、このコラムを読んでくださる皆さまに心よりお礼を申し上げます。

 100回目にふさわしい内容として、今まで書いたコラムの中で人気のあった記事を紹介したいと思います。皆さまが持っていた関心、そして日本の自転車環境をよりよくするために役に立てばと思います。

【1位】マイヨジョーヌにつながった「とんでもない姿勢」

“プロごっこ”に潜む危険性 フルームの「あのポジション」をマネしてはいけない理由(2016年10月1日掲載)

 驚きの数字を見せたこのコラムが、今まで書いた中でナンバーワンに輝きました。2016年に行われたツール・ド・フランスの最中に、マイヨジョーヌを狙っていたクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)がダウンヒルでとんでもない姿勢をとり、猛スピードで下りながらプロトンを一気に離しました。結果として、総合優勝の獲得に貢献したアタックです。

ツール・ド・フランス2016第8ステージ、最後のダウンヒルで‟奇襲アタック”をかけたフルーム ©RCS Sport 2016

 姿勢があまりにも不自然だったので、イタリアの天才的なダウンヒラー、パオロ・サヴォルデッリ(2008年引退)に意見を求めました。自転車のトップチューブに身を乗せると、体重が前輪にかかりすぎて自転車の制御が不安定になる危険があります。やはりやめたほうがいいという結論にたどり着きました。プロ選手は閉鎖された道路という特殊な環境の中で実験を繰り返し、さまざまなフォームを模索しつづける者です。一般レーサーが真似をしてしまうと、重大な事故につながりかねません。実際にそれ以降、フルーム自身がそのポジションを封印し、見ることはありませんでした。選手のやっていることを鵜呑みにすべきでないと、よく理解できた出来事です。

【2位】駄作が出たら、めった斬り

カッコいいジャージが増えた“当たり年” プロチームの2015年ウェアをファッションチェック(2016年1月15日掲載)

 毎年1月にレースシーズンが始まると、ファッションチェックを公開しています。ジャージのトレンドやカラーを分析しながら面白おかしく点数をつける。どちらかというと、笑いを誘いたいコーナーです。

プロチームの2015年デザイン。ベストドレッサー賞を獲得したのは!? Photo: Yuzuru SUNADA

 きっかけだったのはモデルの仕事と2つのジャージとの出会いです。私は自転車ファッションモデルという仕事をしていますので、ジャージの機能性のほか、そのファッション性が気になります。そして当時の日本代表チームとジャイアントチームのジャージです。お世辞でも格好いいとは言えず、どちらかというと歴史に残る駄作に近いです。そこからワールドツアーで戦っているチームのファッションチェックがスタートしました。

 皆さまから寄せられるコメントの一部から「年々評価が甘くなっていませんか」という批判(?)を受けましたが、絶対にそうではありません。きれいなものはきれいで、執拗に攻めることはありません。駄作が出たら、めった斬りにします(笑)。

【3位】勝利のための野性的な本能

選手たちの“堪忍袋の緒”が切れる時…代表的な「キレやすい男」とは?(2016年7月23日掲載)

騒動のあったツール・ド・フランス2016第8ステージでマイヨジョーヌを奪い取ったクリストファー・フルーム  Photo : Yuzuru SUNADA

 この記事はレース中に発生した暴力行為から生まれました。自転車選手たちは基本的に紳士的に振る舞います。一方、自転車に乗ると秒を争う戦いが始まるので、その様子が変貌し、とても切れやすくなります。特にスプリンターが切れやすいようです。勝利のために野性的な本能を爆発させ、ゴールをしても、その変貌はしばらく続きます。ヒルクライマーも同じです。自転車競技はファンから一番近いスポーツと言われていますが、馴れ馴れしく選手たちに近づくと、痛い目に合うかもしれないことを忘れないでください。特殊な精神状態に陥っているからです。

【4位】話題をさらった極限状態の脚

ポリャンスキーの脚は「真似すべきではない」!? 自転車の乗りすぎによる健康被害(2017年7月29日掲載)

パウェル・ポリャンスキーが第16ステージ後に公開した写真 (インスタグラムより)

 この記事もよく扱う「マネしてはいけない」シリーズの一つです。今年のツール・ド・フランス第16ステージを終えたパウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が、ゴール直後の自分の脚の写真をインターネット上で公開し、話題になりました。血管が浮き出て、ツールの疲労感を見事に表現する写真でした。「プロの脚だから、こうならないとレースに勝てない!」と必ずマネに走る人がいますが、これはレース直後の脚で極限の状態であり、10分立てばすぐに元に戻ります。ポリャンスキー選手は面白がって写真を載せたにすぎず、鵜呑みすべきでない良いケースです。

【5位】ダウンヒルの落車問題

なぜ増加? 多発する落車の原因にNIPPO ヴィーニ・ファンティーニのジュリアーニ監督が迫る(2016年6月11日掲載)

ジロ・ディタリア2016で第19、21ステージと2度の落車に見舞われたステフェン・クライスヴァイク Photo : Yuzuru SUNADA

 2016年ジロ・ディタリア終了後に公開した記事です。多くの人が悩むダウンヒル時の落車問題です。実はプロも無縁ではありません。実際にこの年のジロのマリアローザだったステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)が下りで落車し、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、当時チーム アスタナ)が総合優勝しました。そこで、バランス感覚の天才、NIPPO・ヴィーニファンティーニのステファノ・ジュリアーニ監督に増加する落車の原因について聞いてみました。やはり経験を積んだ人の言葉に耳を傾けるべきです。

【6位】サッカーにも負けない自転車選手の「顔」

イタリア人イケメン図鑑! イタリアにおけるかっこよさの基準とは?(2014年2月11日掲載)

キラキラと王子のような雰囲気を漂わせるダミアーノ・クネゴ Photo: Yuzuru SUNADA

 バレンタインデーが近かったので、女性の心をくすぐる話題を考えていたところ、思いついたのが「イケメン図鑑」です。サッカーのトップ選手には、顔で選ばれているのではないかと思うぐらい端正な顔立ちの持ち主が多いですが、自転車競技も負けていません。甘いマスクのダミアーノ・クネゴから、ワイルド系のファビアン・カンチェッラーラまでジャンルが広い。ジャパンカップに女性陣が詰め掛ける訳がよくわかりました(笑)。

【7位】eバイクの進化の過程

イタリアで進化を続ける電動アシスト自転車 ロードやMTBにも「見えない力」を搭載(2014年9月19日掲載)

イタリアンブランド「Frisbee」(フリズビー)のe-bike「フリズビー」 ©Frisbee

 電動アシストバイク!最近多様化が進み、実は私も気になっているアイテムの一つです。最近イタリアではサイクリングイベントのみならずグランフォンドでの使用も認められ、最大出力だけ制限されています。その進化を追求する記事でした。

【8位】連載50回記念の「自信作」

マルコ直伝!ジャージの着こなし方 色の黄金比を意識しておしゃれライダーになろう(2015.5.29)

マルコさんのジャージコレクション。マルコさんがジャージの着こなし方を伝授した Photo: Marco FAVARO

 嬉しいベストテン入りです。連載50回を記念した記事で、テーマはずばり「格好いいウェアの選び方」です。簡単にまとめますと、格好良く見えるには、お金ではなく色のバランスが重要とのことです。実際に私が持っているウェアを使いながら伝授する内容となっています。ジャージ選びに迷ったらぜひ目を通してください。自信作です。

【9位】愛され続ける悲劇のヒーロー

マルコ・パンターニの急逝から10年 “イル・ピラータ”を愛してやまないイタリア人たち(2014年2月14日掲載)

“死の山”モン・バントゥーでランス・アームストロングとの死闘を繰り広げたマルコ・パンターニ(ツール・ド・フランス2000) Photo: Yuzuru SUNADA

 ドーピングの汚名を着せられた悲劇のヒーロー、マルコ・パンターニ。34歳の若さで自ら命を絶ったとされています。没後10周年にあたるこの日は、世界中のスポーツ新聞が彼の短い生涯と素晴らしい選手生命について語りました。やはり永遠のヒーローです。

【10位】アマチュアが前代未聞の不祥事

イタリアのアマチュア大会で機材ドーピング発覚 市民レースにもメスが入る!(2017年8月12日掲載)

Vivax Assistのモーターとフレーム © vivax drive GmbH & Co KG

 新しい記事もランクイン。アマチュアを対象にしたイタリアのレースで起きた、前代未聞の不祥事を紹介した記事です。50代の参加者が、自転車に隠しモーターを積んで参加し、入賞してしまいました。結果を不自然だと思った参加者が組織委員会に通報し、本人が不正を認めたため大騒ぎに。イタリアでは実名も公開!アマチュアレースレベルで初めての機材ドーピング発覚です。正直に言いますと、あまり書きたくない記事でした。

◇         ◇

 さて、このコラムが公開される時点で、私は伊豆大島にいます。翌日にロングライドイベント「伊豆大島御神火ライド」が開催され、伊豆大島の美しい景色を見ながら、駆け付けたみなさまと走ります。そして、おなじみの栗村修さんの連載「“輪”生相談」も100回を迎え、書籍化されました。栗村さんもゲストとして登場し、イベント中にも本が紹介されますので、ダブルの楽しみです。

 みなさん、まだまだ「つれづれイタリア~ノ」と末永くお付き合いください。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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