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安全指導の重要性を教員同士で再確認自主的な思考で事故を防ごう 教員向け「自転車通学指導セミナー」を広島県で開催

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 高校生の登下校時の安全確保について学ぶとともに、積極的な意見交換の場として「自転車通学指導セミナー」が9月5日と6日、広島県の2会場で行われた。県内の高校で安全指導を担当する教員らが多数参加し、専門家の講演やディスカッションを通して生徒の自転車事故を防ぐための具体案や現状の取り組みを共有。生徒1人ひとりが自主的な思考で事故を防ぐ必要性を再確認した。

広島県内の高校教員が集まって行われた「自転車通学指導セミナー」。写真は9月5日の様子 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

自転車の定期的なメンテナンスも重要

 セミナーは、広島県教育委員会と「自転車の安全利用促進委員会」が実施。「一般社団法人 自転車協会」の協力のもと、5日が広島市、6日が福山市で開催された。

講演した自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さん Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 講演では、「自転車の安全利用促進委員会」のメンバーであり自転車ジャーナリストの遠藤まさ子さんが、全国の事例とともに広島県における自転車事故に関してデータを用いながら実態を紹介。シニア世代より16~18歳の年代に自転車事故が多発しているとし、なかでも広島県は人口1万人あたりの事故件数が6.95%と、全国平均6.15%を上回っていることを説明した。

 また、広島県全体での自転車事故件数は年々減っていながら、中学生・高校生年代の事故は増加しており、法令違反がその一因となっている現状にも触れた。

 一方、教育現場における自転車通学指導も学校によって実施頻度の差が大きく、「どんな教育をしたらよいのか分からない」といった声が挙がっている点も指摘する。

 そこで遠藤さんは、自転車通学指導のポイントとして「生徒と一緒に考える」「まわりの団体(警察や自動車学校)を巻き込む」「生徒に体験する機会を与えている」の3点をピックアップ。さらに、ブレーキやライトといったパーツのメンテナンスの必要性にも着目。2016年の調査では、定期メンテナンスを推奨している学校が28.6%にとどまっていることを挙げ、定期的なチェックによって安全性が高まることを強調。合わせて、「事故が起きにくい自転車を選ぶ」こととして、購入時に自転車安全基準に適合したことを示す「BAAマーク」が貼付されているか確認してほしいと呼びかけた。

生徒自身の責任感を養う

 5日の広島会場では県内の事例として、広島県立祇園北高校(広島市)の磯村浩・生徒指導主事が「生徒自身の責任感を養い、自主的な思考で事故を防ぐ自転車通学指導」と題して、同校での取り組みを紹介した。

広島県内の自転車通学マナーアップのモデルケースとして講演した広島県立祇園北高校の磯村浩・生徒指導主事 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 高台に位置する同校は、在校生徒951人中約8割の760人が自転車で通学。毎年20件程度の大きな事故が起きており、過去には地域住民から「通学路を変更してほしい」との強い苦情も寄せられたという。

 そこで同校では、地域の声を生徒自身がしっかりと受け止め、安全な自転車通学への自覚を促すために、「毎月の登校時交差点指導」「自転車安全利用街頭キャンペーンによる自転車利用者への交通事故防止を呼び掛ける」といった通学指導を実施。

 また、「たとえお互いがけがをしていなくとも、接触があれば必ず学校へ報告」「単独での転倒も学校へ報告」など、事故処理や報告を“義務化”。それにより、今年1学期の事故件数が昨年度の同期から6件減少したという実例も挙げた。

 現在は放送部が中心となって、生徒参加による自転車マナーアップ啓発ビデオを製作中とのこと。これまでに地域から危険であると指摘された路地での下校時の様子を撮影し、その実態を把握する内容にするとともに、生徒たちの意識についてもまとめていくという。完成次第、全体集会などで放映する予定であることも明らかにした。

 セミナーの最後にはグループディスカッションが行われ、教員同士がそれぞれの学校における実情や交通安全のノウハウを意見交換。安全安心な自転車通学への効率的な指導を目指していくことを確認し合った。

グループディスカッションでは各校の実情や交通安全のノウハウを意見交換した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

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