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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第16ステージ異次元のスピードで駆け抜けたフルームが圧勝しリード拡大 ラストTTのコンタドールは5位

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージは、シルクイト・デ・ナバーラからログローニョへの40.2kmの個人タイムトライアルで争われ、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が圧巻の走りを見せ、大会2勝目となるステージ優勝を飾った。マイヨロホ争いでは、総合2位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)とのタイム差を1分58秒に拡大した。また、現役最後の個人TTとなったアルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)はステージ5位に入る好走を見せ、総合5位に浮上した。

圧巻の走りでステージ優勝を飾ったクリストファー・フルーム Photo : Yuzuru SUNADA

最終週、決戦の舞台はスペイン北部へ

 フランスのニームを出発して、地中海に沿うような形でスペイン南部までたどり着いたプロトン一行だったが、2回目の休息日明けからは一転してスペイン北部のナバーラ州にて、総合争いが再開される。この日は40.2kmの個人TTとなっており、コースは多少のアップダウンは含むもののほとんど平坦路となっている。純粋にTT力が試されるとレースとなった。

 最初に好タイムを記録したのは、23番手スタートのダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム)だった。48分49秒をマークし、平均時速49.409kmで走破した。オスの記録しばらく抜かれなかったが、66番手スタートのレナード・ケムナ(ドイツ、チーム サンウェブ)が19秒更新して、暫定トップとなった。

 次にトップタイムをマークしたのは、106番手スタートのトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、エフデジ)で、ケムナのタイムを23秒上回った。スウェーデンのTTチャンピオンジャージを身にまといながら、フィニッシュ後は地面に仰向けで倒れ込むほど追い込んでいた。

 ルドヴィグソンが暫定1位のまま、いよいよ総合上位勢がスタートしていった。

コンタドールが激走し好タイムを記録

 総合9位につけいてるコンタドールは、今大会をもって引退を決めている。つまり、これが現役最後のTTだった。最後まで総合優勝を諦めないコンタドールは、序盤からハイペースで飛ばしていった。第1計測ポイント、第2計測ポイントとトップタイムを更新して快走。そして、47分59秒とルドヴィグソンのタイムを8秒上回って暫定トップに躍り出た。

 コンタドールより上位にあたる、総合8位のマイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック)、7位のファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム)、6位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)、5位のエスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)は揃って、平凡なタイムに終わる。コンタドールは総合タイムでこの4人をごぼう抜きにした。

3分3秒遅れのステージ26位に終わったファビオ・アル Photo : Yuzuru SUNADA
4分1秒遅れのステージ45位のエステバン・チャベス。表情から苦しさが伝わってくる Photo : Yuzuru SUNADA

 総合4位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)は、第1計測ポイントでコンタドールを18秒上回った。第2計測ポイントでは27秒タイムを更新し、スピードが全く衰えないままフィニッシュ。コンタドールのタイムを大幅に更新する47分29秒をマークして暫定1位となった。

最終的にステージ2位となったウィルコ・ケルデルマン。大幅にTT能力の向上が見られた Photo : Yuzuru SUNADA

 ケルデルマンは2015年にオランダ国内TTチャンピオンに輝いた経歴もあったが、これまでのグランツールやステージレースでの個人TTでは、際立ったタイムは記録していなかっただけに、TT力が大きく改善されたものと思われる。

フルーム圧勝でリード拡大

 総合3位のイルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)もスタート直後から快調に飛ばしていった。第1計測ポイントでは、ケルデルマンには及ばずともコンタドールを2秒上回った。第2計測ポイントでは、ケルデルマンから19秒遅れながらも悪くはないペースをキープ。最終区間で失速してしまい、コンタドールと同タイムの37分59秒でフィニッシュした。ケルデルマンに総合順位の逆転を許してしまった。

 総合2位のニーバリは、なかなかペースが上がらなかった。第1計測ポイントはケルデルマンから25秒遅れで通過し、第2計測ポイントでも38秒遅れとじりじりと差が広がっていった。しかし、最終区間で追い上げを見せ、ザカリンとコンタドールを2秒上回るタイムでフィニッシュ。暫定2位に滑り込んだ。

57秒遅れのステージ3位となったヴィンチェンツォ・ニーバリ Photo : Yuzuru SUNADA

 最終走者、マイヨロホを着る総合1位のフルームは、第1計測ポイントでケルデルマンから23秒遅れと出だしでつまづいたかのように見えた。ところが、次の区間で一気にペースアップを図り、第2計測ポイントではケルデルマンを7秒上回る最速タイムをマーク。14.9kmで好走を見せているケルデルマンに対して30秒を挽回する異次元の走りを披露したのだ。

 フルームの勢いはとどまることを知らず、最後はケルデルマンのタイムを30秒と大幅に上回る47分0秒でフィニッシュし、圧巻のステージ優勝を飾った。総合争いでもニーバリに対して1分近くリードを拡大し、ダブルツール達成に向けて大きく前進した。さらに、マイヨロホ、マイヨプントス、マイヨコンビナータとジャージ3枚を独占しているうえに、敢闘賞も獲得。まさにフルームの独壇場となった。

フルームと握手するミゲル・インデュライン。ツール5連覇を達成しているレジェンドだ Photo : Yuzuru SUNADA

 だが油断は禁物である。翌第17ステージは、ビジャディエゴからロス・マチュコスへの180.5kmで争われる。最後の超級山岳ロス・マチュコスは登坂距離7.2kmながら、第20ステージの魔の山・アングリルの最大勾配を上回る、最大26%の区間が登場する。数値上は、今大会最大の勾配だ。大激戦が期待される。

第16ステージ結果
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 47分0秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +29秒
3 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +57秒
4 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +59秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +59秒
6 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、エフデジ) +1分7秒
7 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +1分11秒
8 レナード・ケムナ(ドイツ、チーム サンウェブ) +1分30秒
9 ダニエル・オス(イタリア、BMCレーシングチーム) +1分49秒
10 アレクシー・グジャール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +1分50秒

個人総合(マイヨロホ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 62時間53分25秒
2 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分58秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +2分40秒
4 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +3分7秒
5 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +4分58秒
6 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +5分25秒
7 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +6分27秒
8 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +6分33秒
9 エスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) +6分40秒
10 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +7分6秒

ポイント賞(プントス)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 135 pts
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 108 pts
3 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 104 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) 49 pts
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 41 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 29 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 5 pts
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) 19 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 188時間20分35秒
2 チーム スカイ +9分33秒
3 モビスター チーム +33分37秒

敢闘賞
クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)

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