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9月8日からツール・ド・北海道出場「勝つことを確信して飛び出した」全日本選手権を制した畑中勇介にインタビュー

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ことし6月に開催された全日本選手権を優勝した畑中勇介(チームUKYO)。数々の勝利を上げながら“無冠の帝王”と呼ばれていた前評判を跳ね除け、見事に独走勝利を飾った。チームの成長とともに歩むことが今後の目標だと語る。畑中は9月8日に始まったツール・ド・北海道に、アジアナンバーワンチームのキャプテンとして、純白の全日本チャンピオンジャージを纏って挑んでいる。

「勝ち」にこだわりレースを組み立てたことを強調 Photo: Shusaku MATSUO

“無冠の帝王”からの脱却

――全日本選手権優勝というタイトルを取った感想を教えてください

「狙って逃げた」を実行し、独走で全日本選手権を勝利した Photo: Shusaku MATSUO

畑中:めっちゃ嬉しかったですよ! 優勝するまでが長かったので。実は全日本選手権あとにNHKでレースを振り返る番組があったのですが、名前の前の枕詞に「無冠の帝王」とついて紹介されていました。言われてみれば確かにと思いましたね。今までの最高位は2015年の2位。チームメートだった窪木一茂の優勝をアシストしての結果です。

 国内最高峰のJプロツアー(JPT)では何度も優勝し、年間を通してルビーレッドジャージを守った年もあります。スペイン人も多く参戦しているし、JPTのほうがレベルが高いレースもあった。UCIアジアツアーでもステージ優勝を経験しています。

全日本選手権を制し、表彰台の真ん中に立った Photo: Shusaku MATSUO

 いろいろな成績を出してきましたが、全日本のタイトルはなかった。「やっと勝ったの?」と言われましたが、僕も同じ感想。いつかは獲るものだと思っていましたが、そんな簡単なものではありません。独特な難しさがあります。

――得意の小集団スプリントではなく、独走の勝利でした。狙っていましたか?

最終周回に単独で入り逃げ続ける畑中勇介(チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO

畑中:みんな勘違いをしています。もともと僕は独走でも勝てます。絶対に勝てると思ったから飛び出した。よく逃げれば評価が上がると思い、アタックをする選手がいますが、あれはただの自己満足。勝つために逃げなければ意味がありません。

 今までも、たとえアタックに出遅れてもブリッジで追いついたことも何度もあります。U23の全日本タイムトライアル選手権で優勝したこともあり、単独で走ることも得意。皆あの時は僕の評価を間違えていました。

 僕は勝つことに対してこだわりが強い。出場したレースの勝率は現役選手のなかでは一番高いんじゃないかな。小集団のスプリントで勝つことが多いのは、その展開に毎回もっていっているから。どうやったら勝てるかを考えて常にレースをしています。

UCIレースに集中して功を奏した

――全日本に向けた特別な練習や準備はしてきましたか?

畑中:ことし、いままで毎年出場していたJPTのレースにチームは参戦していません。JPTは距離が短く、強度が高いので、それに合わせたトレーニングを行ってきました。しかし、ことしはJPTレースを走らないため、距離を相当乗り込んだ練習を積めました。初めての試みだったので不安でしたが、コンディションをピークに合わせることができましたね。

「みんな僕の評価を間違っていました」と分析し、逃げでも勝てる実力をアピールした Photo: Shusaku MATSUO

 チームとしてもUCIレースに集中する体制となり、結果を出せています。ツール・ド・台湾で総合優勝も経験し、現時点でUCIアジアランキングで1位です。これ結構快挙ですよ! 次のステップへ向かうという観点からみてもいい結果です。

――次のステップとは?

キャプテンとしてチームに加入する若手や外国人選手をまとめている Photo: Shusaku MATSUO

畑中:やっとスタート地点に立てたという印象です。若手は大学や各カテゴリーのチャンピオンが入ってきます。彼らが入りたいと思い、魅力に感じるチームになってきたということです。僕がチームに加入して3年目。やっとその流れが来ました。次に入ってくるチャンピオンにも期待ですね。

 チームとしてはプロコンチネンタルチームというカテゴリーを目指しています。しかし、コンチネンタルチームとは比較にならないほどお金もかかるし、スタッフも必要。これらは片山右京代表にお任せします。選手はチームを裏切らない結果が求められますが、ことしは全日本のタイトル、アジアでの結果、若手の成長を考えるとやることはできている状態だと思います。

――畑中選手個人の次の目標は?

畑中:年齢も重ねてきたので、今から「ツール・ド・フランスで総合優勝」という目標はさすがに言えません。いまチームが盛り上がっている最中。それがチームの実力と目標が一致しています。そんなチームとともに歩んでいきたいと思います。具体的には、いまUCI2クラスのレースをチームでコントロールして勝つことができていますね。しかし、1クラスではそうはいかない。選手がプロコンチネンタルチームへとステップアップし、カテゴリーに合わせた活躍ができるよう、チームと成長していくことが目標です。

チーム練習後にもローラーで汗を流す畑中勇介(チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO

「手洗いするから白で!」

――チャンピオンジャージを着て走るレースはいかがですか

「チャンピオンジャージはビブタイツまで純白で!」とこだわりをみせる Photo: Shusaku MATSUO

畑中:日本のナショナルチャンピオンジャージはルールが定められ、シンプルになりましたね。僕は「これぞ日本!」というデザインでとても気に入っています。実用性を考えれば、ビブショーツは(泥が跳ねたり、汚れやすい)黒を混ぜてもいいのですが、絶対に真っ白にしてほしいとリクエストしました。自分で毎回手洗いする手間があっても譲れません!

 このジャージを初めて着用したのはスペインのレースでした。UCIワールドチームも多く参戦し、チームとしては格上のレースで苦戦を強いられました。しかし、日本のチームが、日本チャンピオンジャージを着て、さらにモビスター チームを引き連れて集団をコントロールする場面は観客も自分たちも盛り上がりました。ジャージとともにステップアップしていければと思います。

◇         ◇

 この日、チーム合宿を行った畑中は、積極的に若手に話しかけムードメーカーとしてもチームをまとめていた。チームの次の目標は3日間のステージレース「ツール・ド・北海道」。若手から外国人選手までをまとめ上げるとともに、全日本チャンプとしての走りと結果も期待される。

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