スマートフォン版はこちら

title banner

挑戦のそばにアミノバイタル<3>仕事は自己記録更新!? 実は過酷な「坂バカ俳優」猪野学さんの“やりくり”乗鞍トレーニング

  • 一覧

 国内屈指の剛脚が結集するアマチュアヒルクライマーの甲子園「マウンテンサイクリングin乗鞍」が開催された8月26・27日、今年もその会場に1人の男性の姿があった。いまや「坂バカ」が代名詞となった俳優・猪野学さんだ。NHKの自転車情報番組『チャリダー★』で見せる“体当たりロケ”が人気だが、体当たりできる走力を維持する裏側には人知れず積み重ねている努力がある。今回も乗鞍の舞台で自己記録を更新するという‟使命”に挑む猪野さん。多忙な俳優業と坂練習をどう両立させているのか、そのプライベートに密着した。

ヒルクライマーの“甲子園”と呼ばれる「マウンテンサイクリングin乗鞍」に出走した猪野学さん。ゴール直前、最後の力を振り絞る Photo: Masami SATO

身近な坂「尾根幹」をフル活用

「もう何万回と通っている」というホームグラウンド、通称「尾根幹」の激坂コース Photo: Kyoko GOTO

 猪野さんがロードバイクに乗り始めたのはいまから遡ること8年前、36歳のとき。始めた直後、ふじあざみラインを舞台とする「富士国際ヒルクライム」に初出走し、20%を超える圧倒的な激坂に洗礼を受けた。以来、坂の虜になり、毎年プライベートで同レースで記録更新を目指すという筋金入りのヒルクライマーへと変貌した。

 やがて『チャリダー★』がスタートし、誰がつけたか「坂バカ俳優」という肩書をもってレギュラー陣に抜擢。ペダリング効率や体幹のぶれなど一般サイクリストが陥る壁にリアルにぶち当たりながらも、ヒルクライムレースでの表彰台を夢見てもがく姿が共感を呼び、公私の境目のない「坂バカ・猪野学」が誕生した。

 しかし、「坂バカ俳優」とはいえ本業は俳優。ひとたびドラマや舞台の撮影が始まると生活リズムは不定期になり、峠エリアへ足を伸ばすことはおろか、練習時間を確保することも難しくなる。

本職・俳優業の合間を見つけては練習に励む日々 Photo: Kyoko GOTO

 そんな猪野さんがホームグラウンドとして足しげく通っているのが、多摩丘陵を東西に貫く「南多摩尾根幹線」。東京や神奈川近郊のサイクリストたちの間で知られる、通称「尾根幹」(おねかん)だ。自宅から自走で40分ほどでアクセスでき、猪野さんいわく「何万回と訪れているトレーニングコース」だという。

「仮想乗鞍」といいつつイメトレ。軽妙な話とは裏腹に、坂に向かう背中は真剣そのもの Photo: Kyoko GOTO

 幹線道路自体は片道16kmにわたって穏やかなアップダウンを繰り返す直線道路だが、ひとたび幹線を外れると途端に多摩丘陵らしい険しい勾配が顔を出す。正確な斜度は不明だが、猪野さんいわく「心の斜度で20%前後」の“山岳ポイント”が随所に現れ、思わず東京都心からすぐの場所であることを忘れそうになる。

2.4km続く連光寺の坂。都心からのアクセスも悪くなく“良い坂”にありつける多摩丘陵はまさに多忙な‟坂バカ”の聖地 Photo: Kyoko GOTO

 この日、「尾根幹“坂バカ”ツアー」と称して案内してくれた約40kmのコースを基本に走りを調整する。いわゆる“追い込み”をする時はダンシングで350~400W(ワット)をキープして坂を上り、心拍を最大まであげるインターバルトレーニングを行う。ダメージが激しい翌日は軽めのローラーか、心拍を上げない脂肪燃焼走を行い、そして翌日はまた強度高めのインターバルを繰返す。さらに週に一度、乗鞍を想定した74分間のローラー練習でスタミナ系のトレーニングも行った。

視聴者の応援が力に

 「本当はコースと同じくらいの距離を上れるといいんですけどね」といいながら、この日のギアは常にアウター縛り。「仮想乗鞍」といいながら高い負荷をかけつつ、レースが1週間後に迫ったこの日は最大心拍を超えないようにゆっくりと筋肉に刺激を入れていた。自宅からの往復自走を含むと70kmほど。自宅と尾根幹までの間は極力260wを維持しながらペダルを回し、さらに帰宅してからは空いた時間で筋トレに励むなど、時間をやりくりしながらコツコツと努力を重ねる。

よく見ると、見事な大腿四頭筋! Photo: Kyoko GOTO

 どんなに忙しい日でもまったく自転車に乗らない日はない。「1日一度は体の血を巡らせる」という習慣は数々の師匠たちから教わったことの1つ。たくさんのプロと出会い色々な教えを受ける中で、実直に試しながら1つずつ自身の血肉にしてきた。

 もはや一出演者とは思えない追い込み方。「坂バカ俳優」としてモチベーションを保つための理由をたずねると「番組を見ている親御さんから『猪野さんの成長を子供に見せて“頑張れば報われる”と教育しているので、猪野さんには成長してもらわないと困る』というお便りをもらったんですけど、そんなこといわれたら頑張らないわけにはいかなくて(笑)。『頑張ってる姿を見て、私も頑張ろうと思った』と言われたこともあって、それが素直に嬉しくて、力になるんです」と笑って答えた。

アミノ酸でリカバー

 「ただ最近、体力の回復が遅くて…」という猪野さん。現在44歳とパワーの出力に衰えを感じる年齢ではないが、負荷が高いトレーニングを行ったあとの疲労は確実に抜けにくくなっているという。

御年44歳。「この歳になると回復が遅いんですよね」と猪野さん。メガネをとると実はさわやかイケメン Photo: Kyoko GOTO

 そんな猪野さんがトレーニングで試したのが「アミノバイタル アミノショット」だ。運動時には主に糖質と脂質がエネルギー源として使われるが、スポーツなどで普段より強度の高い運動を続ける場合、筋肉などのタンパク質から分解された分岐鎖アミノ酸「BCAA」がエネルギー源として使われる。「アミノバイタル アミノショット」は運動中に徐々に失われていく必須アミノ酸を補給することを目的としたもので、BCAAを含むアミノ酸3600mgと8種類のビタミンなどを素早く摂取できる。

「アミノバイタル アミノショット」は開封した口部が本体から切り離されない Photo: Kyoko GOTO
いつも休憩をとるコンビニで「アミノバイタル アミノショット」を摂る猪野さん Photo: Kyoko GOTO

 運動前や後に摂取するイメージが強いアミノ酸だが、「アミノバイタルアミノショット」は運動中に摂取することでリカバーさせながら、最後まで粘れるカラダをサポートするという発想から生まれた新製品。今回のトレーニングで初めてアミノ酸を使用した猪野さんは「苦いイメージがあったけれど、グレープフルーツ味で飲みやすい」と好評。約3週間にわたって使用し、「これで乗鞍で自己新が出るといいんですけど…」と一週間後に迫ったレースに向けて藁にもすがるような表情を浮かべた。

回復の手応えを感じた乗鞍日和

 レース当日は「空に一番近いバイシクルロード」を走る大会にふさわしい天候に恵まれた。前年は雨天のスタート、さらにその前は3回にわたってコースが短縮されるほどの悪天候だったが、今回は快晴無風のフルコース開催。約4500人の参加者たちが集まったスタート会場も、緊張感というよりは嬉しそうな雰囲気に包まれていた。

決戦の舞台となる乗鞍岳の裾野。森を抜け、森林限界へと上り詰める気持ちの良いコース Photo: Kyoko GOTO
スタート前、参加者と談笑する猪野さん。仕事をしつつリラックスした表情 ©マウンテンサイクリングin乗鞍実行委員会

 ゴール地点の標高は、自転車が通行できる道路としては国内最高地点となる2720m。走行距離は全長20.5km、標高差1260m、平均勾配6%とコースプロフィールとしては決して特徴的ではないが、15km地点で森林限界を超えたところから空気の薄い高山帯へと突入する。ダイナミックな景色の変化とともに、参加者たちを襲う山岳コースの過酷さは他の大会では味わえない魅力となってヒルクライマーたちを惹きつける。

 午前7時、号砲とともに約220人の「チャンピオンクラス」が一斉にスタートを切った。「チャンピオンクラス」は80分以内で完走する自信のある健脚クライマーたちがエントリーするクラス。昨年、1時間16分でゴールした猪野さんはこのクラスでの出走となった。

午前7時、総勢約220人の強豪揃いの「チャンピオンクラス」が一斉にスタート ©マウンテンサイクリングin乗鞍実行委員会
「チャンピオンクラス」でスタートを切った猪野さん。その表情はもはや俳優ではなくヒルクライマー ©マウンテンサイクリングin乗鞍実行委員会

 出場するからには自己記録更新。そんな周囲の注目を集めるプレッシャーからか、猪野さんの表情に緊張の色は隠せない。しかし、起床後に猪野さんが放った「回復って大事ですね」という心強い一言。「行ける日とそうでない日は起きた瞬間にわかります。今日は行けるかもしれない」─そんな手応えを感じつつ、満を持してスタートを切った。

「俺は自分の心拍を守る!」

 作戦は、自分のペースよりも速い人に着いていくこと、…だったが、ペースと心肺機能の個人差は急には埋まらない。スタートから7km地点にある1つめのチェックポイント「三本滝ゲート」に到達する時点ですでに心拍が振り切りれそうになっていた。

 「ヤバい、このままじゃ後半に“鬼ダレ”してしまう!それだけはいやだ!」

19km地点、乗鞍大雪渓を横目に。酸素はだいぶ薄くなっている ©マウンテンサイクリングin乗鞍

 「俺は自分の心拍を守るんだ」─そう決意した猪野さん。この判断が正しかった。ヒルクライムではこれが何よりも正しい戦術なのだ。猪野さんは自分のペースをつかむために焦る気持ちをこらえ、荒れない程度に呼吸のペースを保った。

2度のチェーン落ちに見舞われながらも今年も優勝を果たした“山の神”こと森本誠さん。タイムは55分13秒! Photo: Kyoko GOTO
トップから17分ほど遅れて猪野さん率いる集団が現れた Photo: Kyoko GOTO

 15km地点となる2つめのチェックポイント「位ヶ原(いがはら)山荘」を過ぎた辺りからゴールまでの5kmは森林限界を越え、空気がさらに薄くなる。持久力の維持が難しくなり、参加者たちは厳しい上りを強いられる。しかし、猪野さんは安定した心拍を維持する作戦が奏功し、いつも決まってタレ始めるという「魔の40分過ぎ」にさしかかっても脚が回った。一方でいつもと違う感覚も覚えた。実はこれがアミノ酸の「リカバー」の特徴。失われていく力を補い、猪野さんの「最後の粘り」を引き出した。

ゴール直前、最後のカーブを曲がり… Photo: Masami SATO
ゴール直後、燃え尽きたように下を向く猪野さん。結果やいかに…?? ©マウンテンサイクリングin乗鞍実行委員会

 雲海を見下ろしながら、ゴールに向かって残る力を振り絞る。呼吸がつらいのか、参加者の中には声を荒げながら上っていく人も少なくなかった。トップでゴールを切ったのは、“山の神”の異名を持つトップクライマー森本誠選手(イナーメ信濃山形)。55分13秒でゴールし、4連覇、8度目の優勝を果たした。

 続々と出走者がゴールしていくなか、猪野さんもトップから15分ほど遅れてゴールした。タイムは1時間12分36秒。前回の記録より約4分もの短縮に成功し、127位でゴールした。

自己記録を4分も更新し、渾身のガッツポーズを見せる猪野さん Photo: Kyoko GOTO

光明が差した記録更新

ゴールした参加者たち。お互いの健闘を称え合う声で会場は大賑わい Photo: Kyoko GOTO

 秋空の下のゴール会場は、お互いの健闘を称えあう歓声で清々しいにぎわいを見せていた。記録を更新した人、そうでなかった人も幸せな笑顔に包まれている。ヒルクライムの苦しさが転じる最高の瞬間だ。

 そんななか、「記録更新できて良かった…うれしい」と安堵の表情を見せる猪野さん。実は今年初の自己記録更新とのこと。「努力が報われないって一番つらいんですよね。結果が出てよかった。光明が差しました」─。その表情はもはや「坂バカ俳優」ではなく、結果を噛みしめる一人のクライマーだ。

「よかった…本当によかった」と重責から解放されて安堵の表情を浮かべる猪野さん。少し涙目 Photo: Kyoko GOTO
「坂バカ界のアイドル」筧五郎さんから「後半踏めなかったね」と厳しい一言。「坂バカ」の道は険しい Photo: Kyoko GOTO

 実は一切のサイクルコンピューターを外していた。「数字に縛られると楽しくなくなるんですよね。W(ワット)うるせーって(笑)。俺は電球じゃねーってね(笑)」という猪野さん。「練習のときは目安となる数字は必要だけど、ここまで練習してきたっていう保険とでもいうんですかね。プロじゃないし、最後は楽しみたいと思って自分の体感を信じました」と振り返る。サイコンを外すのは実は今回が初の試みだったが、数字に惑わされず、むしろ冷静に走れたという。

「次の課題は筋力アップ。引き続き『アミノバイタル』でリカバーして、筋トレに励みます!」とさらなる記録更新に向けてやる気を見せる猪野さん Photo: Kyoko GOTO

 「楽しかったかといわれると…正直つらかったけど、こんなに短く感じたヒルクライムは初めて。日々のトレーニングと減量、そしてアミノバイタルのおかげ(笑)。70点…いや90点あげても良いかな」という猪野さんに、「坂バカ界のアイドル」こと筧五郎さんが「後半踏めてなかったね」と厳しくも的確な一刺しを見舞う。

 でもそれは猪野さん自身も感じていた。的確なアドバイスは凹むけど、そんな環境にいられることがうれしい。次なる課題は筋持久力の強化に定まった。

 「来年の乗鞍出場…は出し切ったいまは考えられないけど、とりあえず見えた課題を克服しながら、次に向けてまた少しずつがんばれそうです!」という笑顔は、もはや一人のサイクリストの表情だった。

「マウンテンサイクリングin乗鞍」の出場者とともに、記録更新の喜びを爆発させる猪野学さん(前列中央) Photo: Kyoko GOTO
猪野 学猪野 学(いの・まなぶ)

俳優・声優。自転車情報番組NHK BS1『チャリダー☆』(毎週土曜18:00~18:25)にレギュラー出演し、「坂バカ俳優」という異名で人気を博す。自転車の他、空手やスキーなども特技とするスポーツマン。俳優として舞台や映画、ドラマなどで活躍する一方、映画『スパイダーマン』のトビー・マグワイアの声優としても知られる。ウェブサイト「マナブログⅡ

⇒Cyclist人気連載「猪野学の『坂バカ奮闘記』」

関連記事

この記事のタグ

アミノバイタル 味の素 挑戦のそばにアミノバイタル

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載