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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第10ステージトレンティンが今大会2勝目 “上れるスプリンター”が本領発揮で難関山岳を攻略

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージが8月29日、カラバカ・アニョ・フビラル2017からエルポソ・アリメンタシオンまでの164.8kmで争われ、マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)が勝利した。レース中盤で逃げに乗ったり要所で抜け出したりと、勝負どころでの好判断も勝利の一因となった。また、マイヨロホは、メイン集団でゴールしたクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)がキープしている。

今大会2勝目を挙げたトレンティン Photo: Yuzuru SUNADA

 主催者側の分類では平坦ステージとなっている、休息日明けの第10ステージ。確かにスタート直後ゆるやかに上り、その後は長く緩やかな下りとほぼ平坦な道のりとなっている。しかし、残り40kmを切った頃に距離5.7km・平均勾配5.7%の3級山岳と距離7.7km・平均勾配6.5%の1級山岳が登場。選手の脚を苦しめる。2つの峠を越えればゴールまでの約20kmは下り。勝利を狙うスプリンターがこの難関峠をいかに攻略するかが、勝負の鍵となった。

アタック合戦の末、ようやく逃げが決定

 スタート直後にアタックを仕掛けたのは、ミシェル・クレデル(オランダ、アクアブルースポーツ)。しかし、この逃げは許されない。逃げたい選手が多くいる中で決定的な逃げは決まらず、集団は1つのままで進んでいった。

トレンティンもこの逃げに乗る Photo: Yuzuru SUNADA

 約70km地点、ようやく逃げが決まる。メンバーはトレンティン、ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)ら18人。総合1位のフルーム、2位のエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)はメイン集団にいた。

 逃げとメイン集団のタイム差が5分以上で突入した3級山岳、ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)が抜け出す。この動きに、ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム)、ハイメ・ロソン(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)が反応、ヤンセファンレンズバーグに追いつく。

トレンティン、再び先頭へ

 残り27km地点、テルプストラが遅れ始めたかと思うと、それを見越したかのようにチームメートのトレンティンが先頭に追い付く。先頭は、ロハス、ロソン、トレンティン、ヤンセファンレンズバーグとなったが、ヤンセファンレンズバーグが徐々に遅れ始める。

 1級山岳の頂上は、この4人で通過。テクニカルなダウンヒルに突入する。後ろからは、ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ)とアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)が追走。さらに、ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やチャベスも猛追する。しかし、逃げと追走・メイン集団の差は大きく逃げ切りが濃厚となる。

最後は余裕を持ってゴールしたトレンティン Photo: Yuzuru SUNADA

 残り約10kmを切る頃、トレンティンとロハスが抜け出し先頭交代をしながら坂を下っていく。残り1kmを切っても続く協調体制。お互いタイミングをうかがう中、動きが出たのは残り500mを切ったところ。ゴールまで最後のカーブを曲がった直後にロハスがアタックを仕掛ける。しかし、トレンティンはすぐさまその動きに反応し、ロハスを抜き去りそのままゴールし、見事勝利を飾った。ゴール直前、後ろを振り返る余裕をみせたトレンティンと勝利を諦め足を緩めたかのようにも見えたロハス。対照的な表情だった。

 終始余裕を持ったレース展開で、今大会2勝目を挙げたトレンティンは、ポイント賞1位も獲得している。またマイヨロホは、この日仲間に守られながら24位でゴールしたフルームが保持したままとなった。

ポイント賞1位も獲得 Photo: Yuzuru SUNADA

 翌日は、終盤に1級山岳が2つ立ちはだかる厳しい山岳ステージ。総合争いにより注目が集まる。

第10ステージ結果
1 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 3時間34分56秒
2 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +1秒
3 ハイメ・ロソン(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) +19秒
4 ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ) +21秒
5 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +56秒
6 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +59秒
7 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +2分22秒
8 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム) +2分22秒
9 アルノー・クールテイユ(フランス、エフデジ) +2分40秒
10 ラファエル・レイス(ポルトガル、カハルラル・セグロスRGA) +3分5秒

個人総合(マイヨロホ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 40時間12分44秒
2 エスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) +36秒
3 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +36秒
4 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分17秒
5 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1分27秒
6 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1分30秒
7 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分33秒
8 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +1分52秒
9 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +1分55秒
10 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +2分15秒

ポイント賞(プントス)
1 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 78 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 55 pts
3 パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 44 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) 38 pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 17 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 15 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 6 pts
2 エスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) 17 pts
3 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 31 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 119時間57分59秒
2 アスタナ プロチーム +9分24秒
3 UAE・チームエミレーツ +11分37秒

敢闘賞
マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)

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