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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 第9ステージ2段階アタックを決めたフルームが頂上フィニッシュを制覇 総合リードを広げる

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 熱戦が続くブエルタ・ア・エスパーニャは8月27日、第1週の最後となる第9ステージを実施。山頂フィニッシュが設けられた1級山岳での勝負は、個人総合首位の証であるマイヨロホを着るクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が制覇。2回にわたる効果的なアタックでライバルを振り切った。総合2位以下とのタイム差を広げることに成功し、今大会最初の休息日を迎える。

ブエルタ・ア・エスパーニャ第9ステージ、2度のアタックでライバルを振り切りステージ優勝を果たしたクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

キャノンデールが終始プロトンを統率

 フランス、アンドラ、スペインと、3カ国を休むことなく進んだ大会前半だが、このステージを終えるといったんブレイク。第1週の最後に設定されたのは、オリウエラ.シウダー・デル・ポエタ・ミゲル・エルナンデスからクンブレ・デル・ソル.エル・ポブレ・ノウ・デ・ベニタチェルまでの174km。

 地中海沿いを走る行程から平坦ステージにカテゴライズされるが、レース後半に2級と1級の山岳が登場。特に最後にやってくる1級の上りは、最大勾配21%であることに加え、頂上フィニッシュ。同じ場所にフィニッシュが敷かれた2015年の第9ステージでは、トム・デュムラン(オランダ、現チーム サンウェブ)が制し、フルームが2位で入っている。

 レースはスタートから20kmまでに10人による逃げグループが形成。総合争いに関係しない選手たちがそろっていたこともあり、メイン集団は先行する選手たちの動きをしばし容認。おおよそ3分の差でコントロールする。

 この日メイン集団の統率を図ったのは、キャノンデール・ドラパック。総合8位につけるマイケル・ウッズ(カナダ)、山岳賞トップをゆくダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア)の主軸2人を守りつつ進行していく。

終盤まで逃げ続けたトビアス・ルドヴィグソン Photo: Yuzuru SUNADA

 フィニッシュまで残り50kmを切り、2級山岳アルト・デ・プイグ・ジョレンカに入ると、逃げグループに変化が見られる。リュイスギリェルモ・マス(スペイン、カハルラル・セグロスRGA)のペースアップをきっかけに、トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、エフデジ)、リカルド・ヴィレラ(ポルトガル、マンサナ・ポストボン)が続く。さらに、マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)が追いつくと、そのままの勢いでマスとヴィレッラを振り切る。先頭はソレルとルドヴィグソンの2人となった。

 ほどなく上りに差し掛かったメイン集団でも数選手がアタックを試みる。ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)もこれらの動きに乗じるが、安定したペースで走るメイン集団を崩すには至らない。

 残り14kmに設置されたスプリントポイントでは、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)が先頭の2人に続く3位通過で1秒のボーナスタイム獲得を狙って集団の前方へと上がるが、チーム スカイのアシストがしっかりとチェック。クーン・デコルト(オランダ、トレック・セガフレード)が3位を確保するにとどまった。

 勝負どころとなる最後の上りに向けて、メイン集団では各チームがトレインを組んで位置取りを行う。タイム差を縮められながらも粘っていた先頭の2人は、ともに上りの入口までに集団に吸収された。

フルームが2度のアタックでライバルを圧倒

 1級山岳クンブレ・デル・ソルの上りは、フィニッシュまでの4km。直前の下りで急加速をしたのは、集団の先頭に立ったチーム スカイのトレイン。ハイスピードのまま、最後の上りに突入した。

1級山岳クンブレ・デル・ソルを上るプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 10%前後の急勾配を利用してアタックしたのはバルデ。エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)とリカルド・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)が続き、3人が先行。残り2.5kmとなったところでカラパスがアタックし、一時単独で先頭に立つが、再度ペースを上げたバルデがカラパスをかわしてトップを走る。

 しかし、メイン集団を引いたミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ)のペースメイクが冴え、バルデをもってしても逃げ切りは許されず。残り1.3kmで勝負はふりだしに戻った。

 ニエベが牽引を終えた残り900m、今度はダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ)が集団の先頭へ。これをピッタリとマークしたのはフルーム、その後ろにコンタドール。その他の総合上位陣も仕掛けどころを探る。

フィニッシュに向かって突き進むクリストファー・フルーム(左)。後続との差を広げる Photo: Yuzuru SUNADA

 そして残り600m。デラクルスが開けたスペースを抜ける形でフルームが猛然とアタック。真っ先にコンタドールがチェックするが、フルームのスピードに対応できない。代わって追走したのは、エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)とウッズ。

 残り200mでウッズを振り切ったチャベスがフルームに追いついたが、それと同時にフルームが再アタック。チャベスにもう一段階スピードを上げる余力はなかった。

 会心の走りを見せたフルームは、右手を力強く突き上げてフィニッシュラインを通過。今シーズンはまだなかったステージ優勝を、大会前半の重要ステージで挙げてみせた。

 これによりフルームはステージ優勝のボーナスタイム10秒をゲットし、総合争いでリードを広げることに成功。総合2位で、このステージでも2位となったチャベスに対し36秒差としている。

マイヨロホをキープして第1週を終えたクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 翌28日は、今大会最初の休息日。29日の第10ステージから始まる2週目は、スペイン南部が舞台になる。

第9ステージ結果
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 4時間7分13秒
2 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) +4秒
3 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +5秒
4 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +8秒
5 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +8秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +12秒
7 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +12秒
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +12秒
9 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +14秒
10 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +14秒

個人総合(マイヨロホ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 36時間33分16秒
2 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) +36秒
3 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +1分5秒
4 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分17秒
5 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1分27秒
6 ダビ・デラクルス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1分30秒
7 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分33秒
8 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) +1分52秒
9 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +1分55秒
10 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +2分15秒

ポイント賞(プントス)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 55 pts
2 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) 49 pts
3 パウェル・ポリャンスキー(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 44 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) 38 pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 17 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 15 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 5 pts
2 エステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット) 15 pts
3 マイケル・ウッズ(カナダ、キャノンデール・ドラパック) 39 pts

チーム総合
1 モビスター チーム 109時間6分12秒
2 UAE・チームエミレーツ +19秒
3 アスタナ プロチーム +4分57秒

敢闘賞
マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)

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