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合言葉は“Fly to Summit”各国の女性記者がイタリアで実走 女性の“潜在脚力”を引き出すLivの新作ロードバイク「ランマ」

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 「ジャイアント」が手がける女性ブランド「Liv」(リブ)が6月末、世界各国の自転車メディアの女性記者を集め、新作ロードバイク「LANGMA」(ランマ)の発表・試乗会を開催した。招集された場所は北イタリアのヴェネト州。インパクトある急峻さで有名なサン・ボルド峠やブドウ畑が織りなす美しい丘陵地帯で、『Cyclist』の記者を含む16人の女性記者たちがあらゆる角度から「ランマ」をたっぷりと試した。

←Livが初のヒルクライムバイク「LANGMA」シリーズを発表

「Liv」の新作モデル、クライミング用バイク「ランマ」でサン・ボルド峠を駆け上がる女性記者たち ©Liv

ファーストインプレッションは“人機一体”

オープニングセレモニーで記者たちを歓迎する「リブ」の創設者、ボニー・ツーさん ©Liv

 「ランマ」はクライミングにフォーカスした軽量モデルながら、エアロ性能と女性サイクリストに最適化した剛性バランスをも実現した新型ロードバイク。最上位機種で6.05kgという軽量化に成功するとともに、平地での強さも引き出すオールラウンドなレースパフォーマンスを追求したリブの4代目となる力作だ。同ブランドがサポートする「チーム・サンウェブウィメン」がイタリアで開催される女子最高峰のステージレース「ジロ・ローザ」で初めて「ランマ」に乗るタイミングに合わせ、世界各国から総勢16人の女性記者を集めて新作発表会を行った。

メディアツアーには各国から総勢16人の女性が集まった ©Liv
欧米各国ほか『Cyclist』を含むアジア勢、遠くは南米・コロンビアからの記者もいた ©Liv
ずらりと並ぶ「ランマ」。各記者用に適したサイズが用意された ©Liv

 試乗用に貸与されたバイクは最上位クラスの「Advanced SL 0」。1人1台、事前に確認したサイズでスタッフ分も含めて会場には20台ほどのランマがずらりと並べられていた。

 それぞれが自分のランマに触れ、持ち上げる。その軽さに驚くのはもちろん、記者たちの目を引き付けたのは剛性と軽さを両立させた“適材適所”なカーボン使いだ。全体的に細身でシャープな印象ながら、しっかりと剛性をもたせたBB周りとダウンチューブ。芯が強く、凛とした女性を思わせる佇まいだ。

初めて目にする「ランマ」のパーツを食い入るように見る記者たち ©Liv
スラムのワイヤレス電動コンポーネント「RED eTap」を搭載。クランクはパワーメーター付 Photo: Kyoko GOTO

 その性能は早くもフィッティング時に感じとることができた。ビンディングをはめ、漕ぎ出した瞬間に感じる車体の軽さ。車体が足に吸い付くような感覚は、まるで自分の足とクランクが一体になったよう。例えるなら人馬一体ならぬ“人機一体”。もはや自転車を“漕いでいる”気がしない。「6kgとはこういう世界なのか?」─たった数漕ぎでわかる明らかに次元の違う乗り味。浮くように軽い加速。このバイクがいつものヒルクライムをどう変えるのか、一気に期待が高まった。

トレインで実感したエアロ性能

 ライドの拠点となったヴェネト州の古都トレヴィーゾは、修道院や古い石造りの家などが立ち並ぶ趣のあるエリア。街並みは古いがジロ・デ・イタリアのコースとしてたびたび使われていたこともあり、道は走りやすく舗装が行き届いていた。

修道院や石造りの家など歴史が漂う街並みのフォッリーナ ©Liv

 北側にはドロミテへとつながる小高い山岳地帯が広がっており、いくつものトンネルが横に並ぶ峠道で知られるサン・ボルド峠からもほど近い。初日の試乗は、このサン・ボルド峠をメインとする約50kmのコース。獲得標高は1200mと、短いながらもランマの性能をたっぷり試せるライドがスタートした。

 3チームに分かれ、5、6人の集団でトレインを組み走行。前から4番目を走った感覚は、まさに「運んでもらっている」という印象だ。平地区間は平均35~40km/hほどで速めのスピードで巡航していたが、前へと巻き込む空気に引っ張られるように一定のペースで進む。流れに身を任せる感じで、いつもより重いギア比でペダルを回しても頑張って踏んでいる感覚はなく、むしろちょうど良いとさえ感じた。「軽量とエアロを両立することができるのか?」と少しばかり訝しがっていたことを反省した。

雨が止み、濡れた路面だけが残った。色々な路面が試せる絶好のコンディション ©Liv
ボニー・ツーさんも自らライドに参加 ©Liv

 10kmほどの平地区間を終え丘陵地帯に入ると、用意されていたような丁度よい細かいアップダウンが現れた。「ランマを試すには良い坂」と言わんばかりに、激坂になればなるほど強くダンシングをする女性たち。そこに混ざって強く踏むと、「これが女性用に最適化された剛性」と感じる“しなり”が足から伝わってくる。

 男女の脚力の違いを考えて作られていない通常のカーボンバイク、すなわち男性用の剛性に慣れている脚に、柔らかさとかけた力の反動がダイレクトに伝わってくる。この感覚はリブの「AVAIL」シリーズでも得た感覚だが、さらに研ぎ澄まされた俊敏な乗り心地だ。脚力だけでなく、体幹も使って全身で登坂する感覚に「女性の脚力に最適化した剛性」の意味を知った。

軽くて賢い“坂の相棒”

 そしていよいよサンボルド峠。麓から頂上まで8km、約800mアップのヒルクライムが始まった。8%程度の坂を標高にして700mほど上ったあと、頂上に近づくにつれて見えてくる異様な九十九折からさらに斜度を増す。1900年代初期、かつてはほぼ崖だった場所にトンネルを掘って無理やり車両を通した世界的にもめずらしいスイッチ式の峠道だそうで、残り60mアップの急勾配を強引に駆け上る。連続して畳み掛けてくる11%の斜度は、いくらランマでもつらい。

ジロ・デ・イタリアの舞台にもなったサンボルド峠。すさまじい九十九折れ Photo: Kyoko GOTO

 しかし、ここでランマの最大の武器、軽さがものをいう。ただただ軽い。「機材を軽量化する前に自分のウェイトを軽量化すべき」などとつべこべ言っていたことが一気に無になる。やはり、「斜度が強くなればなるほど坂では軽さが正義なのだ」と感じる。しかもコーナリングなど踏み込む力を要する場面では、あの“しなり”が尽きそうな脚力をカバーしてくれるのだから、思わず登坂力がついた錯覚すら覚えた。

女性の脚力を絶妙なしなりでアシストしてくる「ランマ」 ©Liv
10%超の坂でも重さを感じず楽に踏める ©Liv
コーナリングの操作性も軽い ©Liv
下を向くと一緒に脈打つように発色している「LANGMA」のロゴ Photo: Kyoko GOTO

 ふと目線を下に落とした瞬間、トップチューブに「LANGMA」という文字が特殊なデジタルプリントにより発色良く浮かび上がって見える。自分の心拍が上がっているせいか、一緒に戦っている“相棒”のように見えてくるから不思議だ。

 帰路はもと来た峠を下る。ダウンヒルでは軽さゆえの慎重さが求められるが、慣れればハンドリングのしやすさがスムーズなコーナリングを生み出し、無駄なふくらみや過剰な速度減速を減らすことができる。

 日本国内での価格は9月以降の発表となるが、カーボン技術を惜しみなく注ぎ込んだフレーム、エアロ性能、搭載コンポなどから鑑みると、トップモデルの「ADVANCED SL 0」はかなりのハイグレードな価格であることが予想される。日本国内での価格は9月頭に発表となるが、ミドルグレードの「ADVANCED PRO」やエントリグレードの「ADVANCED」シリーズを含めた幅広い展開を期待したい。

ランマが生み出す女性たちの笑顔

ボニーさんを囲んで登頂を喜び合う記者たち Photo: Kyoko GOTO

 峠のピークで登頂する女性たちを笑顔で迎えていたリブの創業者、ボニー・ツーさん。周囲にも自然と拍手や笑顔があふれ、皆すっかりメディア試乗会であることを忘れていたように思えた。しかし、ここではそれが正しい。それこそが、まさにランマと女性サイクリストたちが作り出した輝く瞬間だったように思う。

 「女性たちが我慢を強いられずに、もっと自由にスポーツバイクを楽しめる環境を作りたい」と語るボニーさん。さらに強くありたいという女性サイクリストの思いを解き放つ「ランマ」は、その思いの結晶の1つだと感じた。

⇒「『ランマ』シリーズとマッチ、Livが2018年新作ウェアを発表」

後方にかすかに見えるドロミテをバックに。女性たちの輝く笑顔に、いつしか太陽も顔を出していた ©Liv

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