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クロスカントリー部門、女子は小林可奈子が親子V山本幸平が「誰にも前を行かせない」執念で3年連続9度目優勝 全日本MTB選手権詳報

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 7月23日に開催された第30回全日本マウンテンバイク選手権のクロスカントリー部門で、男子エリートの山本幸平(BH SR サンツアー)が3年連続9度目の優勝を飾った。海外に舞台を置きながら今年は思うような成績を残せなかったというが、見事に日本タイトルを獲得した。女子エリートでは、小林可奈子(MTBクラブ安曇野)が18年ぶり3度目の優勝を決め、娘のあか里とともに親子日本一を決めた。

序盤のシングルトラックを先頭で抜ける山本幸平 Photo: Kenta SAWANO

小雨交じりのコンディション

 男子エリートは富士見パノラマの1周4460mのコースを6周するコース。前日夕方に豪雨、この日も朝から小雨交じりだったため、前日までの乾いた路面から一転して、全区間で滑りやすくなっていた。エリート男子では、平野星矢(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)がホールショットを奪い、上り坂で先頭になり、その後ろにぴったり山本がついた。しかしすぐに先頭を奪い、前半の森の中のシングルトラックに入った。その後ろには平野、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)が続いた。

スタート直後、ホールショットを奪ったのは星野星矢 Photo: Kenta SAWANO

 2周目に入ると、山本は少しずつペースを上げ2位との差を広げ始めた。小ぶりの岩が並ぶロックセクションでは、他の選手たちが集団でほとんどがバイクを降りて担いだりする中、一人だけ乗車したまま通過。勢いの良さが違った。「実は終盤に足をつってしまっていた」という山本は1周目のラップ15分18秒から4周目には15分52秒と少しずつタイムが落ちていた。

ロックセクションをMTBにまたがったままクリアする山本 Photo: Kenta SAWANO 
前日の雨で滑りやすくなっったロックセクションはバイクを降りるライダーが多かった Photo: Kenta SAWANO
ゴール後、倒れ込んだ恩田祐一 Photo: Kenta SAWANO

 4周目まで4位付近だった恩田祐一(ミヤタ・メリダ バイキングチーム)が「行けるところまでいこう」と猛スパートを見せ、一時は山本と40秒差まで詰めた。しかし山本は「誰にも前に行かせない」と栄養補給もしっかり行い残り1周半から再スパート。最終的に1分以上の差をつけてゴールした。3連覇について「うれしいけれども、すっきりしていない。それはこのままの走りでW杯に行っても、世界に通用しないが分かっている」と話した。次回のW杯は9月2日のケアンズ大会。昨年は自己最高の16位に食い込んだ記念すべき大会だけに「しっかりと1カ月準備をして1番の走りをみせたい」と話した。

 2位の恩田は力を使い果たし、ゴール後、地面に倒れ込むほど。全日本選手権で自己最高位だったが「この大会は優勝しなければ意味がない。37歳の私がこの表彰台に立てるのも、うれしいような残念のような感じがする」と若手の奮起を願っていた。

Photo: Kenta SAWANO

女子は小林が99年以来3度目V

 女子エリートは4周回で行われ小林可奈子が99年以来の18年ぶりの全日本タイトルを獲得した。スタート直後に落車をしたが、「無理をしないで追いつこう」と気持ちを切り替え、2周目でトップの今井美穂(TEAM SCOTT)を捕らえると、徐々に引き離した。最終的に3分の差をつけ何度もガッツポーズを繰り返し、ゴールラインに飛び込むと、女子ユース部門で優勝した娘のあか里と抱き合って喜んだ。あか里は「家では言い合いばかりしていますが、今日は本当に感動して泣いてしまいました」と母の走りに感動していた。

 小林は6月には肺炎と落車などトラブルに見舞われ、自転車に1回も乗れなかったという。7月になってからは「小学生もするような階段下りとか、坂道ダッシュを繰り返しました」と基礎的な練習に戻ることで、リフレッシュ。表彰台の一番上で「生涯現役で頑張ります」と宣言した。

■男子エリート
1 山本幸平(BH SR サンツアー)1時間35秒41 
2 恩田祐一(ミヤタ・メリダ バイキングチーム)
3 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)

女子エリート
1 小林可奈子(MTBクラブ安曇野)1時間21秒43秒
2 今井美穂(TEAM SCOTT)
3 橋口陽子(Team 轍屋)

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