スマートフォン版はこちら

title banner

ツール・ド・フランス2017 第19ステージ独走に持ち込んだボアッソンハーゲンが待望の勝利 フルームら総合勢に順位変動なし

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
  • 一覧

 ツール・ド・フランス第19ステージは、アンブランからサロン・ド・プロヴァンスまでの222.5kmで争われ、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)が独走逃げ切り勝利を決め、自身6年ぶりとなるツールのステージ優勝を飾った。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は逃げ切りを容認したメイン集団内で穏やかな1日を過ごして、総合上位勢にタイム差の変動はなかった。新城幸也(バーレーン・メリダ)もメイン集団内でフィニッシュしている。

独走逃げ切り勝利を飾ったエドヴァルド・ボアッソンハーゲン Photo : Yuzuru SUNADA

アタック合戦の末、20人の逃げが決まる

 今大会最長の222.5kmを走る。レース終盤まではアップダウンの多い地帯を走行し、ラスト45kmは下り基調の平坦路を経てフィニッシュ地点に至るコースレイアウトになっている。通常であれば集団スプリントの展開が予想されるのだが、有力スプリンターの多くがリタイアしているため、逃げ切りの可能性も十分にあり得た。さらに、残された第20ステージは個人タイムトライアル、第21ステージはほとんど集団スプリントとなるコースであるため、スプリンターやTTスペシャリストのいないチームにとって、ステージ優勝をあげる最後のチャンスだ。

 レースがスタートすると、逃げに選手を送るべく激しいアタック合戦が繰り広げられた。8人の選手が抜け出す展開になったものの、1つ目の3級山岳で逃げ集団とのタイム差が10秒程度まで縮まり、再びメイン集団が活性化。再度のアタック合戦が始まり、3級山岳を越えた先のダウンヒルで20人の逃げ集団が形成された。

絶景の湖畔を通過するプロトン Photo : Yuzuru SUNADA

 今大会連日のように逃げているトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)は、総逃げ距離が1000kmを越えた。第8ステージ優勝のリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、第15ステージ優勝のバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)も逃げに乗った。さらに、スプリント力の高いボアッソンハーゲン、ベン・スウィフト(イギリス、UAE・チームエミレーツ)、ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ)、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター チーム)らも含まれている。

 チーム スカイがコントロールするメイン集団は、この逃げを容認。8分前後のタイム差でコントロールしながらレースは進んでいった。

2度の写真判定に泣いたボアッソンハーゲンが勝利

先頭交代する(左から)トマス・デヘント、エドヴァルド・ボアッソンハーゲンら Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団に残るスプリンターチームは、この日のステージ優勝を狙わずに、20人の逃げ切りが確定的となった。その逃げ集団では、残り50km地点付近の最後の3級山岳で動きが生まれた。ロメン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)のアタックをきっかけに3人の選手が飛び出した。デヘントが追走集団を率いて、3人を吸収し、一旦逃げ集団の動きは落ち着いた。

 残り20kmを切ったところで、再び逃げ集団で動きが生まれる。わずかな上り区間を利用して、イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット)がアタックを仕掛ける。すると、逃げ集団が2つに分裂してしまい、先頭は9人に絞り込まれた。9人はローテーションしながら、後続グループを突き放していった。

アタックしたエリー・ジェスベール Photo: Yuzuru SUNADA

 残り10km地点で、後続グループとのタイム差は25秒まで開いた。エリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト)のアタックを皮切りに、先頭集団は激しいアタック合戦が始まった。先頭に2人選手を送り込んだオリカ・スコットのクークレールとミヒャエル・アルバジーニ(スイス)が積極的な動きを見せていた。クークレールは集団分裂のきっかけを作ったこともあり、敢闘賞に輝いた。他にもアタックが頻発したが、決定的な動きには繋がらなかった。

 残り3km付近のラウンドアバウトを、距離が短いイン側を狙って通過したボアッソンハーゲンとアルントが後続に差をつけることに成功。ここが勝負どころと見たボアッソンハーゲンは、持ち前のスプリント力を活かして一気に時速70kmまで加速。アルントをも振り切きって、独走に持ち込んだ。クークレールら7人のグループは、アタック合戦で消耗したためか、もはや前を追う力は残っていなかった。

 ノルウェーの国内TT王者でもあるボアッソンハーゲンは高い独走力を発揮して、アルントに10秒近いタイム差をつける。ラスト1kmのアーチをくぐり抜け、2回のコーナーを曲がっても、アルントとの差は開いたままだ。ボアッソンハーゲンのペースは最後まで落ちることなく、フィニッシュラインへと到達した。

 ここまで第7ステージと第16ステージのどちらも写真判定の末、ステージ2位となっていた。特に第7ステージはわずか6mm差で敗れていた。この日は写真判定の必要が全くない見事な独走逃げ切り勝利だった。

21 July 2017<br />104th Tour de France<br />Stage 19 : Embrun - Salon-de-Provence<br />1st : BOASSON HAGEN Edvald (NOR) Dimension Data<br />Photo : Yuzuru SUNADA

 ボアッソンハーゲンは2014年ジャパンカップで2位、2016年はジャパンカップ・クリテリウムに参戦する形で来日しており、日本でも馴染み深い選手の一人。ツールでの勝利は2011年に2勝を上げて以来だ。ディメンションデータにとっても、エースのマーク・カヴェンディッシュが落車リタイアして勝利から遠ざかっていただけに、本人にとってもチームにとっても待望の1勝となった。

 そして、フルームらメイン集団は12分27秒遅れでフィニッシュ。何事もなく無事にステージを乗り切って、翌日のタイムトライアルへ備える一日となった。

 その第20ステージの個人タイムトライアルは、距離22.5kmで争われる。15.6km地点に5%程度の上りが2kmほど続く区間がアクセントとなっている。タイムトライアルを得意としているフルームが有利との下馬評だが、2位のロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)との差はわずかに23秒だ。トラブル一つでひっくり返るタイム差であるため、最後の最後まで目が離せない。

第19ステージ結果
1 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 5時間6分9秒
2 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ) +5秒
3 イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット) +17秒
4 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、モビスター チーム) +17秒
5 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) +17秒
6 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、ディレクトエネルジー) +17秒
7 エリー・ジェスベール(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト) +17秒
8 ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール) +17秒
9 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +19秒
10 ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト) +1分32秒
95 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +12分27秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 78時間8分19秒
2 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +23秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +29秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +1分36秒
5 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分55秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +2分56秒
7 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +4分46秒
8 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +6分52秒
9 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) +8分22秒
10 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +8分34秒
109 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +3時間15分17秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 364 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 204 pts
3 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 200 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) 169 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) 80 pts
3 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 64 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 78時間13分5秒
2 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +2分6秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +26分15秒

チーム総合
1 チーム スカイ 234時間42分38秒
2 アージェーデュゼール ラモンディアール +3分8秒
3 トレック・セガフレード +1時間41分51秒

敢闘賞
イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット)

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2017 ツール2017・レースレポート

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載