女子エリートも吉川千香子が初制覇井本はじめが魅せるジャンプ、確実な走りで初優勝 全日本MTB選手権ダウンヒル男子エリート

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 第30回全日本マウンテンバイク(MTB)選手権のダウンヒル(DH)部門が7月22日、長野県富士見町の富士見パノラマリゾートで開催され、男子エリートは井本はじめ(Sram/Santacruz)が2分14秒578で初優勝を飾った。女子エリートも吉川千香子(DKMC)が初優勝した。

井本はじめは予選のダブルジャンプでノーハンドの大ジャンプを決める Photo : Kenta SAWANO

例年よりテクニカルなコース

 3年連続富士見パノラマで行われた全日本MTB選手権。今年のDHコースは全長約1500mと例年と長さは変わらないが、前半のダブルジャンプや、「エー・ダッシュ」と呼ばれる岩場のゾーンが、いつもとは違う難しいライン取りになるようにアレンジされていた。レースディレクターの内嶋亮さんは大会前「例年より、技術的な走りが要求されると思います」と予想していた。

 それに加え、1週間以上続く晴天によって土が乾ききり、ゲレンデの土のゾーンは滑りやすく、岩場やガレ場も崩れやすくなり、石交じりの土のゾーンでは、石がどんどんはがれていくような状況で、ライダーには細心の注意が要求された。

予選1番スタートで派手なジャンプをメークする九島勇気 Photo : Kenta SAWANO

 予選は2016年王者の九島勇気(玄武/Mondraker)からスタート。ダブルジャンプでいきなり、大きくひねりを加えたジャンプを決めると、続く実力者たちも魅せた。4番手スタートの井本は、高さ十分のノーハンドジャンプを決め観客を魅了。逆に岩場では、乾いた段差のある路面にしっかりバイクを丁寧に沿わせる堅実な走りでタイムロスを防いだ。

3位に入った井岡佑介 Photo : Kenta SAWANO
栗瀬裕太はシートグラブのジャンプで沸かせた Photo : Kenta SAWANO

 予選1位のタイム(2分17秒294)を叩き出したのは加藤将来(AKI FACTORY)で2位・泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)が2分17秒801、井本が2分17秒876と続いた。3人が2分17秒台を出し、そのタイムが決勝ラウンドの一つの目安になった。

ゲレンデソーンで加速する井本はじめ Photo : Kenta SAWANO

 決勝は、後半にスタートした予選上位の選手たちが続々と予選より好タイムを連発。井岡佑介が2分15秒台を出し、ホットシート(暫定1位)を確保すると、3人後にスタートした清水一輝(Patrol mountain downhill team)が2分14秒994の更新タイムを叩きだした。続く前年王者の九島勇気も2分15秒837と好タイムながらわずかに及ばず。最後から3人目の出走だった井本は「リラックスして力まないことだけを考えた」と最後のゲレンデゾーンでもさらに加速。暫定1位の清水を0.4秒上回る2分14秒578でホットシートを奪った。

男子エリートの表彰台。左から2位の清水一輝、優勝の井本はじめ、3位・井岡佑介 Photo : Kenta SAWANO

 残る2人の泉野、加藤は一歩及ばず、井本の初優勝が確定した。2015年の2位が最高位で念願の初タイトル。「実力者の2人が後ろにいたので、ドキドキした。(優勝という)現実感がまだありません」とチャンピオンジャージを着た感想を語った。「日本の選手は決して世界に遅れているわけではない、というところをW杯で見せていきたい」と今後の抱負を話した。

男子エリート
1 井本はじめ(Sram/Santacruz)2分14秒578
2 清水一輝(Patrol mountain downhill team)+0秒416
3 井岡佑介(重力技研/GLcomponents)+1秒071

メダル見せてよ?! 愛犬にメダルを引っ張られ、笑顔の井本はじめ Photo : Kenta SAWANO

6人出走の女子は吉川が圧勝

 予選6人出場の女子エリートは、昨年まで17連覇していた末政実緒が出産のため休養中で不出場。誰が勝っても初優勝という白熱した戦いとなった。

堅実な走りで初優勝をつかみ取った吉川千香子 Photo : Kenta SAWANO

 吉川は予選で2分49秒406と、同2位の中川弘佳(Lovespo.com)に8秒の大差をつけた。決勝でも最後に出走し、中川に5秒差をつける2分50秒980で圧勝。悲願の初タイトルにゴール後は涙が止まらなかった。「自分はものすごくメンタルが弱いのが弱点なんです。今回は難しいコースをそつなくこなすことだけを考え、油断せずに良いタイムを揃えることができました」と勝因を分析した。

エリート女子の表彰台。左から2位の中川弘佳、優勝の吉川千香子、3位の富田敬子 Photo : Kenta SAWANO

女子エリート
1 吉川千香子(DKMC)2分50秒980
2 中川弘佳(Lovespo.com)+4秒060
3 富田敬子(Acciarpone bikes)+9秒143

男子ユース
1 秋元拓海(PAXCYCLE) 2分23秒600
2 山田淳一(重力技研/GLcomponents) +8秒471
3 石井日高(TEAM MARSH)+8秒808

女子ユース
1 小林あか里(MTBクラブ安曇野) 3分09秒365

男子ユースの表彰式 Photo : Kenta SAWANO
女子ユース優勝の小林あか里 Photo : Kenta SAWANO

男子マスターズ
1 大野良平(KYB含み損) 2分28秒951
2 吉川邦岳(DKMC)+0秒096
3 及川功申(GIANT港北)+2秒602

男子アドバンスの表彰式 Photo : Kenta SAWANO
男子チャレンジの表彰式 Photo : Kenta SAWANO
男子マスターズの表彰式 Photo : Kenta SAWANO

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