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ツール・ド・フランス2017 第15ステージ30km独走を決めたモレマがツール初勝利 フルームはメカトラに見舞われるも総合首位を堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・フランス第15ステージは、レザック・セヴェリャック・レグリーズからレ・ピュイ・アン・ヴレまでの189.5kmで争われ、1級山岳ペラ・タイヤード峠のダウンヒルで独走に持ち込んだバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)が自身初となるツールでのステージ優勝を飾った。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は、集団のスピードが上がったタイミングでメカトラに見舞われてしまったものの、アシスト陣の懸命な働きによって集団復帰を果たし、総合首位を守っている。新城幸也(バーレーン・メリダ)は18分遅れの67位でフィニッシュしている。

ステージ優勝を飾ったバウケ・モレマ Photo : Yuzuru SUNADA

28人の逃げ集団が形成される

 前日に引き続き、中央山塊を駆け抜けるステージ。コースの大半部分が標高1000mを越えており、細かいアップダウンが絶えず続いていく。注目は、残り40km地点から上り始める1級山岳ペラ・タイヤード峠だ。登坂距離8.3km、平均勾配7.4%、最大勾配14%となっており、十分すぎるパンチ力を持っている。その後は、下り基調で30km進んでフィニッシュするレイアウトとなっているため、総合争いよりも逃げ切りが濃厚と見られていた。

 スタートして間もなく10人の選手がリードを築き、山岳賞ジャージを着用するワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ)も含まれていた。しかし、逃げにメンバーを送り損ねたトレック・セガフレードが集団をコントロールして差を開かせなかった。

 1級山岳の上りに入ると、逃げ集団から次々と脱落する選手が現れ、バルギル、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)、セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ)の3人まで減った。山岳ポイントを加算したバルギルは、1級山岳で先頭通過を果たした。

メイン集団内で走るロマン・バルデ Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、1級山岳の上り口でメイン集団からはモレマが飛び出した。この動きに追従する選手が大勢現れ、20人以上の追走集団が形成された。逃げている選手の中で最も総合成績が良いのは、11分26秒遅れの総合14位につけているカルーゾだ。トレックに代わり集団コントロールを開始したチーム スカイにとって、逃しても問題のない選手たちであったため、逃げ集団とのタイム差は徐々に広がっていった。

 残り130km地点で、追走集団が先頭集団を捉えて、計28人の逃げ集団ができあがった。モレマら以外にも、ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)、ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)、トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)、トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル)、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)、サイモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム サンウェブ)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)など、非常に強力なメンバーが揃っていた。

 スプリントポイントを稼ぐために逃げに乗ったマシューズは、しっかりと中間スプリント地点で先頭通過を果たした。

フルームにメカトラ発生

独走するトニー・マルティン Photo: Yuzuru SUNADA

 残り60km以上を残して、逃げ集団からマルティンがアタックした。元TT世界チャンピオンであるマルティンは、高い独走力を発揮して一気に逃げ集団とのタイム差を1分30秒ほど築いた。独走のまま、1級山岳ペラ・タイヤード峠に突入した。

 メイン集団では、ダウンヒルを利用してアージェーデュゼール ラモンディアールが組織だってペースアップを図った。すると、フルームがバイクの異変で遅れを喫してしまった。バイク交換しようにも、ダウンヒルでスピードが上がっていた集団では、チームカーがフルームに近づくことができなかった。やむを得ず、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)からホイールを受け取り、その場で後輪を交換して再スタート。残ったアシストでフルームをメイン集団に引き上げようとしたが、すでにメイン集団とは40秒以上のタイム差が開いていた。

 1級山岳の上り口まではヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)が、上りに入ってからはミケル・ニエベ(スペイン)が献身的な牽引を見せた。メイン集団まであと少しの距離に近づくと、集団内で待機していたミケル・ランダ(スペイン)が降りてきて、フルームを引き上げ、何とか集団復帰を果たした。

 先頭を走るマルティンは、上りに入ると失速し、追走集団に吸収された。再び山岳ポイント獲得を目指して、バルギルが逃げ集団から飛び出し、1級山岳山頂を先頭で通過した。この日22ポイントを加えたバルギルは、2位に78ポイントの大差をつけている。

モレマが1級山岳のダウンヒルで独走

 一旦、バルギルを吸収した先頭集団からは、モレマがアタックを試みた。ダウンヒルを利用して、後続との差を開いていく。40秒ほどのリードを築いて、最後の4級山岳を越えていった。バルギル、ウリッシ、ログリッチェ、ガロパンの4人が追走するものの、綺麗にローテーションが回らず、モレマとの差はなかなか詰まらない。

 モレマは20秒ほどのリードを保ったまま、残り1kmのフラムルージュを通過。残り300mを切ったところで、後ろを2度振り返った。後続集団が来ていないことを確認すると、勝利を確信。30kmに渡る独走勝利を決め、喜びを爆発させながらフィニッシュラインを通過した。

 モレマは2013年ツールで総合6位という結果を残しており、昨年大会では第12ステージのモン・ヴァントゥの上りでフルームやリッチー・ポートと共にモトバイクに激突して落車した。また、2015年ジャパンカップ優勝、2016年クラシカ・サンセバスチャン優勝とワンデーレースにも強く、独走力・登坂力ともに高い能力を有するオールラウンダーだ。ブエルタ・ア・エスパーニャでステージ優勝の経験はあったが、ツールでは嬉しい初勝利となった。

 メイン集団では、4級山岳を越えた後のダウンヒルでダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がアタックを仕掛けた。集団から大きくリードを築いていくと、逃げていたデヘントやゲシュケのグループに合流した。デヘントもゲシュケは、チームは違えどローテーションに協力してくれたため、マーティンはメイン集団とのリードを保ったままフィニッシュ。14秒稼ぐことに成功し、総合5位に浮上した。

 メイン集団は最後フルーム自らスプリントして後続を引き離しにかかったものの、タイム差は開かずフィニッシュした。メカトラに見舞われたものの、アシスト陣の奮闘の甲斐あって、無事にマイヨジョーヌをキープしたまま最終週を迎えることができる。

メイン集団内でフィニッシュするクリストファー・フルーム Photo : Yuzuru SUNADA

 休息日を挟んで、18日に行われる第16ステージは、集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。しかし、ステージ前半は1000mの標高地帯を通過するアップダウンの多いレイアウトになっており、単純なステージではない。逃げ切りの可能性も十分にあり得るが、総合争いは小休止となるはずだ。スプリンターたちが前半部分を生き残ることができるかどうか注目したい。

第15ステージ結果
1 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) 4時間41分47秒
2 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +19秒
3 トニー・ガロパン(フランス、ロット・ソウダル) +19秒
4 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) +19秒
5 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) +23秒
6 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +1分0秒
7 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) +1分4秒
8 ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール) +1分4秒
9 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +1分4秒
10 セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ) +1分4秒
67 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +18分0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 64時間40分21秒
2 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +18秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +23秒
4 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +29秒
5 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +1分12秒
6 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) +1分17秒
7 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +2分2秒
8 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +5分9秒
9 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +5分37秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +6分5秒
112 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2時間17分42秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 373 pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 294 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル) 187 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ) 116 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) 38 pts
3 トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 36 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 64時間42分23秒
2 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +3分7秒
3 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +11分39秒

チーム総合
1 チーム スカイ 194時間10分44秒
2 アージェーデュゼール ラモンディアール +9分52秒
3 トレック・セガフレード +1時間1分18秒

敢闘賞
バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

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