愛知・SRAM PARKで開催泉野龍雅が2連勝、井岡佑介の3年連続下克上を阻止 「ダウンヒルシリーズ」第2戦

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 マウンテンバイク(MTB)ダウンヒルのシリーズ戦、「DOWNHILL SERIES」(ダウンヒルシリーズ)の今季第2戦となるSRAM PARK大会が6月17、18日、愛知県瀬戸市で行われた。最上位のPROクラスでは第1戦に続き、泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)が優勝した。 (SL MEDIA/平野志磨子)

PROライダーの意地を見せて開幕戦からの2連勝を飾った泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道) © Hideyuki SUZUKI

梅雨時期ながらドライ開催に

 梅雨入りしたものの、なかなか雨は降らない。例年梅雨時期での開催のため、雨のイメージが強い第2戦SRAM PARK大会だが、今年は珍しく晴天でのレースとなった。

この会場での搬送は軽トラスタイル © DOWNHILL SERIES

 元々、SRAM代理店であるダートフリークが部品開発のためのテストコースとして採石場跡地を買い取り、整備されたこの会場。現在は会員制のモトクロスバイク&MTB専用のライディングパークとして一般にも解放されており、年間を通して走り込んでいるローカルライダーたちの姿が目立つ。昨年、一昨年と2年連続でPROクラスライダーを退け、賞金10万円を持って帰っている18歳の若者・井岡佑介(重力技研/GLcomponents)もその一人である。今年も勝って井岡が3連覇を果たすのか、それともPROライダーたちが意地を見せるのかに注目が集まった。

ショートコースのため、レースはコンマ差の闘い。ライバルの走りを観察したり、反復練習を重ねるライダーの姿も多く見られた © DOWNHILL SERIES
毎戦行われている「PROクラス優勝者予想投票」では、正解した人の中から1人にエントリー無料券がプレゼントされる。そして、投票用紙に書かれたメッセージが、PROライダーたちの励みにもなっているよう © Hideyuki SUZUKI

井岡佑介が“今年も”エリート制覇

 コースは約430m、標高差48m。常設コースを基本に、コーステープを使用してレイアウトをアレンジ。昨年よりもコーナーの数が増え、中間地点は2ルートから選択できる設定へと変更された。左右に連続するバンクとジャンプを組み合わせたレイアウトは、バイクコントロールのあらゆる要素が問われるごまかしのきかないコース。梅雨を飛び越した夏のような暑さに、ただでさえ水はけの良いコースはバフバフに乾き、風の強さも相まって砂埃が盛大に舞い上がる。

コース中盤にあるS字の「スラムコーナー」辺りに立つと、スタート、フィニッシュを含めたコースの全てが見える © DOWNHILL SERIES
スラムコーナーではいかにスピードを落とさず走り抜けるかがポイントだが、勢い余っての転倒も多発 © DOWNHILL SERIES
「ライテックバーム」には例年観客がずらり © Hideyuki SUZUKI

 ここのポイントは、コース全てが見えること。名古屋から1時間というアクセスの良さあって、コース脇にはたくさんの観客が並ぶ。だからこそ気合いが入ると同時に、ストレスも感じるだろう。メンタルの強さもこのコース攻略の鍵だ。

北海道から1人で遠征してきた大学生、北村匠世(北海道科学大学自転車部)。レース後、「こんなたくさんの観客のなかを走ったのは初めてで、気持ちよかったです!」と話してくれた © DOWNHILL SERIES

 初日のタイムドセッションは、開幕戦十種ヶ峰(山口県)で優勝したPROクラスの泉野龍雅が53秒208で1位。0.627秒差の53秒835で井岡佑介が2位、そして弟の井岡計太(重力技研/GLcomponents)が54秒096で3位、そして4位と5位にはローカルライダーの山田淳一(重力技研/GLcomponents)、山川瑠偉(グローカルバイク)が続いた。

 本戦が行われる日曜日。太陽には薄く雲がかかり、前日よりは走りやすい気温だが、相変わらずスーパードライなコンディションで、スタッフは朝からコースに水を撒く作業に追われた。

「FOXシングル」の根っこセクションを走る山本ブルノ(Brotherhood)はスポーツ男子クラスで優勝 © DOWNHILL SERIES
小学生ライダーの伊藤新太も難しいシングルトラックを走り抜ける © DOWNHILL SERIES

 本戦のエリートクラスではやはり井岡佑介が前日の泉野のタイムを上回る、51秒864のタイムでサラリと優勝をさらい、2位に続いた弟の計太と共にPROクラスに挑戦する下克上の権利を得た。

エリートクラスを3年連続制した井岡佑介(重力技研/GLcomponents) © Hideyuki SUZUKI

PROクラスの意地、泉野が井岡を下す

 注目のPROクラス、下克上の井岡佑介が暫定トップタイムとなる51秒712、井岡計太は52秒457、持病のヘルニアからくる腰痛で前日のタイムドセッションを走れなかった阿藤は54秒260、田丸裕もクラッシュで及ばず、残すライダーは一人。最終走者としてスタート地点でのプレッシャーはいかばかりだったか、観客もみな息をのむなかで泉野がスタート。丁寧でスムーズな走り。そして、読み上げられたタイムは51秒039! 井岡のタイムを0.673秒上回り、井岡の3年連続優勝はならず。同時に、泉野の2連勝が決まった。

PROクラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI

 レース後、悔しそうな表情を隠すことなく表彰台へ立った井岡は、「悔しいです。どこでタイムが開いているかもよく分かっているので、次は圧倒的なタイム差で勝てるようにします。ここが到達点ではないので。」と話した。

 一方、けがで監督業に専念する井手川直樹(AKI FACTORY/STRIDER)と共に、試走では動画を撮ってコースのライン取りを何度も見返し、情報交換をしながら繰り返し練習を重ねた泉野は、「シーズンオフの間からジムへ通い、カラダを作っています。やるべきことをやっていますから」と自身の優勝を、勝者としてしっかり受け止めていた。ちなみに、泉野は18歳、井岡佑介も18歳、その弟の計太は16歳と、20歳以下の若者たちの熱い闘いでもあった。

木漏れ日が差し込むシングル区間を走る山口恵子 © DOWNHILL SERIES

 エリート女子クラスは、普段はオートバイライダーだという山口恵子が初出場で初優勝。エキスパート男子クラスは、ローカルである吉川邦岳(DKMC)が優勝し、次戦からエリートクラスへ上がる。スポーツ男子は山本ファビアノ(Brotherhood)が優勝。ファーストタイマー男子では玉置勝孝(ダブルナットレーシング)、XCバイククラスでは渡辺速人が優勝した。

エリート男子クラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI
エリート女子クラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI
エキスパート男子クラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI

ダウンヒルシリーズで育つ小学生たち

 今会場のエントリー費には大人より安く設定された小学生料金があることもあって、10人の小学生がエントリー。ダウンヒルシリーズは原則としての参加資格は中学生以上だが、小学生だからといって特別扱いはせず、大人と同じコースを大人に混じって練習をする、ダウンヒル競技はあくまでも速い者が優先ということを理解してもらった場合にだけ小学生を受け入れている。今回も試走前に小学生ライダーとその保護者に向けたミーティングを行った。

キッズライダーと保護者を対象に行われた小学生ミーティング © DOWNHILL SERIES
最年少ライダー、小学1年生の吉村慶之介 © DOWNHILL SERIES
小学生ライダーとエリートライダーが一緒に走っているのはダウンヒルシリーズならではの光景 © DOWNHILL SERIES

 フルフェイスヘルメットが大きく見えるほど小さなカラダでコースを下ってくる姿にはヒヤヒヤもするが、みんな一人前にライダーだ。ダウンヒルシリーズを始めてから4年。そうやって小学生のうちから大人に混じって走っていた子供達が中学生になり、CJへ挑戦していく。これからのMTB界を担うライダーを育てるという意味では、小学生ライダーの受け入れもシリーズの存在意義かもしれない。10人もの小学生が走る姿、そして同じコースで10代の若手が日本トップクラスの熱い闘いを繰り広げる姿を見てそう思わされた第2戦SRAMPARKだった。

スポーツ男子クラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI
ファーストタイマークラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI
XC BIKEクラス表彰式 © Hideyuki SUZUKI
集合写真 © Hideyuki SUZUKI

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