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ツール・ド・フランス2017 第8ステージフランスの新星・カルメジャーヌがツール初勝利 総合勢は順位変動なし

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・フランス第8ステージが7月8日、ドールからスタティオン・デ・ルスまでの187.5kmで争われ、終盤に独走に持ち込んだリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)がツール初のステージ優勝を飾った。さらにマイヨアポワを獲得し、敢闘賞も受賞している。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)ら総合勢は、同じ集団内でフィニッシュし大きな順位変動はなかった。新城幸也(バーレーン・メリダ)は31分34秒遅れの143位でフィニッシュした。

独走で逃げ切り勝利をあげたリリアン・カルメジャーヌ Photo : Yuzuru SUNADA

延々と続くアタック合戦

 プロトン一行はスイスとの国境付近の街、ルスを目指す。コースはジュラ山脈を通過する中級山岳ステージとなっており、終盤の1級山岳ラ・コンブ・ド・レジア・レ・モリュヌを越えてからフィニッシュまで12kmの細かいアップダウンが続くレイアウトとなっている。そのため、逃げ切りが濃厚と見られており、これまでのステージとは異なり、簡単にはアタックが決まらないだろうと予想されていた。

マイヨアポワで第8ステージに臨んだファビオ・アル Photo: Yuzuru SUNADA

 アクチュアル(正式)スタートと同時に、アタック合戦が始まった。ほとんどのチームが、逃げに選手を送り込みたいため、決定的な逃げが一向に決まらない。

 カテゴリー山岳ではないが傾斜のある上りが始まる28km地点までの集団の平均時速は53kmに達していた。上りに入っても、集団は相変わらず活発に動いていて、スピードは落ちない。

 すると、第4ステージで勝利したアルノー・デマール(フランス、エフデジ)が遅れてしまった。どうやら前日夜からの体調不良を引きずっていて、いわゆるバッドデーが訪れたようだ。アタック合戦が続くメイン集団から、あっという間に3分以上差をつけられ、タイムアウトの危機に陥った。

 決定的な逃げが決まらないまま、45.5km地点の中間スプリントに向けて、スプリンターチームが集団を牽引し始めた。クイックステップフロアーズが先頭で引いてペースをつくったものの、先着したのはアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ソウダル)だった。2位はマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)で、マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ)は僅差で3位だった。

 中間スプリントで速度が上がったタイミングを利用して、集団から数人の選手が飛び出した。この動きに追従しようと、メイン集団からアタックを仕掛ける選手が続出。50人以上が集団から飛び出す展開となった。さすがにこのまま逃がす訳には行かず、メイン集団はチーム スカイがコントロールして、逃げとのタイム差は3分以内に抑えていた。全体のスピードは落ちることなく、レーススタートから1時間半経過しての平均時速は47.3kmもあった。

 50人の逃げ集団からも、さらにアタック合戦が勃発。新たな逃げの小集団が形成されたり、吸収されたりしながら、全くレースが落ち着くことはなかった。

 2級山岳の上りを越える頃になって、ようやく8人の逃げ集団が形成された。メンバーはヤン・バークランツ(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール)、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)、セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ)、ワレン・バルギル(フランス、チーム サンウェブ)、ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNL・ユンボ)、サイモン・クラーク(オーストラリア、キャノンデール・ドラパック)、そしてカルメジャーヌだ。

コースアウトするも大事には至らなかったクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 8人を40人以上の追走集団が追いかけ、さらに後方にはフルームらがいるメイン集団がいるという構図だ。なお3級山岳、2級山岳ともにバルギルが先頭で通過した。

 メイン集団は引き続きスカイが集団牽引を担っていた。また、2級山岳を越えた後のダウンヒルで、フルームがコースアウトするシーンも見られたが、大事には至らず集団復帰を果たしていた。

1級山岳でカルメジャーヌが独走に持ち込む

抜け出したリリアン・カルメジャーヌ(先頭)らの集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭集団が1級山岳ラ・コンブ・ド・レジア・レ・モリュヌに突入すると、パウェルス、カルメジャーヌ、ロッシュの3人が飛び出す。遅れてヘーシンクが合流し、逃げは4人まで絞り込まれた。

 山頂まで6kmほど残した地点から、カルメジャーヌが勢い良くアタックを仕掛けた。ヘーシンクが単独で追走し、ロッシュとパウェルスはペースについていけなくなった。1級山岳はそのままカルメジャーヌが先頭で通過し山岳ポイントを10ポイント獲得。同時に山岳賞ジャージも確定させた。

 カルメジャーヌは1級山岳通過後も、ペースを落とすことなくフィニッシュに向けて独走。残り5kmを切ってから再び傾斜がキツくなってきたところで、力強くペダルを踏み込むと、カルメジャーヌの身にアクシデントが発生。脚をつってしまったのだ。両足をストレッチする仕草も見せながら、一気にスローダウンしてしまう。

 どうにか傾斜の厳しい上りを越え、緩斜面となってきたところで、ペダルの回転数をあげて、踏む力を軽くする走りを試みた。すると、カルメジャーヌはスピードを取り戻した。追走するヘーシンクとの差を30秒程度に保ったままフィニッシュ地点へと突っ走り、見事にステージ優勝を果たした。

独走に持ちこんだリリアン・カルメジャーヌ Photo: Yuzuru SUNADA

 カルメジャーヌはプロ2年目、24歳の若手選手だ。昨年のブエルタ・ア・エスパーニャでグランツールデビューを飾ると、いきなりステージ優勝をあげた。所属チームであるディレクトエネルジーの看板選手であるトマ・ヴォクレール(フランス)が今年のツールをもって引退するため、カルメジャーヌはヴォクレールの後継者として期待されている選手だった。それだけでなく、今回の勝利によって一気にフランス自転車界の次代を担う新たなスター選手として、周囲の期待は更に高まることだろう。

 一方、メイン集団では細かいアタックは発生するものの、総合上位を揺るがすような決定的な攻撃には至らず、集団のままフィニッシュ地点へ到達した。翌日の第9ステージが、今大会のクイーンステージと言っても良い非常に厳しいステージであるため、総合勢は力を温存した格好となった。

 新城はキッテルと同じグルペットでフィニッシュした。レース序盤で遅れたデマールは、37分33秒遅れでフィニッシュし、タイムアウトは免れた。

 次の第9ステージは、超級山岳が3回も登場、獲得標高は5000mオーバーとなっている。前半戦最大の山場と言える総合勢による大決戦に注目だ。

第8ステージ結果
1 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) 4時間30分29秒
2 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +37秒
3 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) +50秒
4 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム) +50秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、オリカ・スコット) +50秒
6 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +50秒
7 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ プロチーム) +50秒
8 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +50秒
9 ネイサン・ブラウン(アメリカ、キャノンデール・ドラパック) +50秒
10 ロメン・アルディ(フランス、フォルトゥネオ・ヴィタルコンセプト) +50秒
143 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +31分34秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 33時間19分10秒
2 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +12秒
3 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +14秒
4 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +25秒
5 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +39秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +43秒
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +47秒
8 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +52秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +54秒
10 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +1分1秒
135 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +45分40秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 212 pts
2 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 182 pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 140 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) 11 pts
2 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) 10 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) 8 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 33時間19分53秒
2 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +24秒
3 ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ) +41秒

チーム総合
1 チーム スカイ 99時間58分32秒
2 BMCレーシングチーム +1分59秒
3 アージェーデュゼール ラモンディアール +3分21秒

敢闘賞
リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)

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