山口・十種ヶ峰WOODPARKで開催4年目の「ダウンヒルシリーズ」が開幕 泉野龍雅が圧倒的なタイムで初優勝

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 マウンテンバイクの「ダウンヒルシリーズ」が4シーズン目の開幕を迎えた。初戦は6月3、4日、今年も山口県の十種ヶ峰WOODPARKで行われ、PROクラスでは泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)が初優勝を飾った。(SL MEDIA/平野志磨子)

PROクラス表彰式。初優勝の泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)が表彰台の頂に登った © DOWNHILL SERIES

UCIレースも開催されるコース

 これまで毎年初戦を担当してきた十種ヶ峰のレース。今年は4年目にして初の快晴に恵まれた。昨年から国内最高峰のCoupe du japon(CJ)のUCIレースを誘致するまでになったこの会場は、コース造成以降、ローカルライダーたちによって愛され、西日本各地からライダーが集まるコースへと日々進化を続けている。

ダウンヒルシリーズの新しくなった表彰用バックボードと、十種ヶ峰名物ミニSL晋太郎号に乗る子供たち © DOWNHILL SERIES
雨のイメージの強い十種ヶ峰。スタートゲートはもちろん雨対策バッチリ © DOWNHILL SERIES

 初日に行われたタイムドセッションでは、今年からダウンヒルシリーズのメインパートナーとなったKONAに乗る泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)が2分00秒266のタイムでトップ。2番手にはエリートクラスの藤村飛丸(COMMENCAL/BlankyDog)が2分4秒971、3番手にはPROクラスの阿藤寛(Acciarponebikes)が2分5秒589と続いた。

今回、けがで出走できなかった井手川直樹(左、AKI FACTORY/STRIDER)はMCアケさんと共に解説者として活躍してくれた © DOWNHILL SERIES
昨年から「サイクル県やまぐちproject」を推進する山口県ブースも出展 © DOWNHILL SERIES
今年もオフィシャルメカニックはMAVIC © DOWNHILL SERIES

 タイムドセッション後には十種ヶ峰会場ではすっかり定番となった100mのスキルアップコースを使ったショートレース「WOODPARK CUP」が行われた。小学校低学年クラスを始め、年齢別に分けられたこのレースは、スタートからフィニッシュまでが丸見えであることもあって、例年大盛り上がりを見せる。こちらも、泉野龍雅が9秒488で優勝した。

シングルトラックを走る渡辺耕平と島田勇作(輪心wheelsoulbikeworks) © DOWNHILL SERIES
フィニッシュへと駆け下りる河本章(ちゅう吉福山DH部) © DOWNHILL SERIES

 お楽しみレース後は、ダウンヒルシリーズ恒例のPROライダーによる参加者交流企画「コースウォーク」。公式戦では声をかけることもためらうようなPROライダー達から直接ライン取りを学び、その場で質問もできるという人気企画ふぁ。今回の講師は、AKI FACTORYの井手川直樹と泉野龍雅。前週のCJ富士見大会で肩を脱臼し、今回のレースは監督業に専念していた井手川だったが、「その分、包み隠さず全部教えます!」と話してくれた通り、2時間近い時間をかけての綿密なコースウォークは参加者にとって貴重な時間となった。

十種ヶ峰の搬送はハイエース。一度に5人5台を運び、ライダーからの評判も良い © DOWNHILL SERIES
土曜日恒例のPROライダーによるコース解説 © DOWNHILL SERIES

スーパードライコースを泉野が完全制覇

今年も参加者に配られるREDBULL。本戦前に気合い入れてます! © DOWNHILL SERIES

 日曜日は朝から風も弱く、前日より気温が上がった。コースはもちろんスーパードライ。フィニッシュのあるベースエリアからもよく見えるロードギャップから激坂のセクションでは、バフバフに乾いた路面の影響でコースアウトが続出した。昨年のような、まともにまっすぐ走れないほどのマッドコンディション時とはまた違う展開に、観客も声援を送る。

 ファーストタイマー男子では普段はBMXに乗る、ダウンヒルシリーズ初参加の川本鋼(ECO RACING)が優勝した。

ファーストタイマークラス表彰式 © DOWNHILL SERIES
スポーツクラス表彰式 © DOWNHILL SERIES
エリート女子クラス表彰式 © DOWNHILL SERIES

 スポーツ男子では今年から十種ヶ峰WOODPARKの職員となった内富哲男(VAN-QUISHトクサガミネ)、エキスパート男子では大学受験のためこれが今シーズン最後のレースとなった相良一茶(VAN-QUISH)、エリート女子では毎年大会のパトロールスタッフとしても活躍してくれている村田実里(VAN-QUISH)が優勝。十種ヶ峰のローカルライダーたちが3クラスを制した。

エキスパートクラス表彰式 © DOWNHILL SERIES
エリートクラス表彰式 © DOWNHILL SERIES

 エリート男子クラスでは、前日のタイムドセッションのトップタイムを3秒も上回る結果で藤村が優勝。フィニッシュ直後、MCブース前で「まだ(タイムを)伸ばせます」という言葉を残し、PROクラスに挑戦する「下克上」の権利を得て再びスタート地点に向かった。

泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道)の本戦フィニッシュ © DOWNHILL SERIES

 PROクラス、最初の走者はエリートクラス優勝の「下克上」藤村。が、タイムは伸びない。続いて田丸裕(Acciarponebikes)、阿藤も2分を切れない。最後の走者、泉野がフィニッシュ。「1分55秒654!」とタイムが読み上げられると会場が歓声と拍手に包まれた。唯一の2分切りで、2位に5秒705の差をつけての完勝。井手川監督のけがのため急遽出場することになった泉野だったが、そのプレッシャーをはねのけ、自身初のダウンヒルシリーズ優勝という結果でレースを終えた。

タイムが読み上げられ、ガッツポーズをする泉野龍雅(AKI FACTORY/自転車道) © DOWNHILL SERIES
PROクラス表彰の登場はミニSLがお決まり! © DOWNHILL SERIES

若いライダーが成長 ダウンヒルの裾野を広げて

 今シーズンから、エリートクラスで優勝した藤村飛丸と、中学生唯一のエリートクラスライダーである古城栄翔が、コメンサルのサポートライダーとなることが発表された。ダウンヒルシリーズの初年度からレースに参加している2人は、今では公式戦CJで活躍するライダーにまで成長した。九州や中国地方といった地域での開催が多いダウンヒルシリーズの参加者には、全国規模の公式戦であるCJにはなかなか手が届かない、といった声がある。しかし、彼らダウンヒルシリーズ出身のライダーたちが活躍し、ダウンヒルシリーズ発足当初からの想いがやっと形になってきた気がする嬉しいニュースだった。

広島の星・田丸裕と、ちゅう吉福山DH部のメンバー。ダウンヒルシリーズスタート以降、広島のライダーは年々増え続けている © DOWNHILL SERIES
小学生ライダーの伊藤然(萩・大島を愛する会) © DOWNHILL SERIES

 ちなみに、今回の全参加者のうち、小・中学生のエントリーは10人。そのなかに小学3年生で初参加のライダーがいた。土曜朝の受付時、不安そうな顔をしていたため、大会事務局と保護者で協議した結果、お父さんが伴走をしながらレースを走ることに。何度も何度も試走を繰り返した結果、タイムドセッション・本戦ともに派手に前転してしまったが一人で立ち上がり、大人と同じコースを一人で降りてきた。大丈夫かなと心配するのは大人たちだけで、フィニッシュした後の本人の顔は満面の笑み。こんな風に、「やってみたい」という気持ちのあるキッズライダー達をダウンヒルシリーズは応援したい。そしていつかは、藤村や古城のように、公式戦CJに参加し、もっともっと強くなっていってほしい。公式戦CJに小学生は出場できないが、ダウンヒルシリーズはその下でピラミッドの裾野を広げていくようなレースとして、今後も活動を続けていきたいと思う。

小学生ライダーの伊藤然、新(萩・大島を愛する会)。今大会へは山口県に住むおじいちゃんおばあちゃんも応援に駆けつけた © DOWNHILL SERIES

 そんなキッズライダーだけでなく、今回優勝した泉野は18歳、昨年エリートクラスで3連勝し異例のPROクラス昇格となった田丸も18歳、そしてエリートクラス優勝の藤村は22歳。高校を卒業したばかりの若手ライダーたちの活躍が目覚ましい開幕戦となった。そして次戦はこのメンバーに、SRAM PARK大会2連覇達成中の18 歳井岡祐介が加わり、若者達の闘いは更に白熱することだろう。

 シリーズ第2戦SRAM PARK(愛知)は6月17-18日に開催される。

集合写真 © DOWNHILL SERIES

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