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ツール・ド・スイス2017 第4ステージ逃げ切ったワーバスがプロ初勝利を飾る大金星 ステージ2位のカルーゾが総合首位に浮上

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・スイスは6月13日、第4ステージがベルンからヴィラール・シュル・オロンへの150.2kmで争われ、ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ)が逃げ切り勝利を飾った。ステージ2位に入ったダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)が総合首位に浮上し、リーダージャージを獲得した。総合2位だったジロ・デ・イタリア総合優勝のトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)は上りで失速して、大きくタイムを失った。

プロ初勝利をワールドツアーで挙げたラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ) Photo: Yuzuru SUNADA

今大会最初の山岳ステージ

 この日は難易度の高いコースレイアウト。スイスの首都・ベルンを出発し、南下していく途中で1級山岳コル・デ・モスを通過する。その後標高1000m近くを下り、直後から始まる超級山岳ヴィラール・シュル・オロンは登坂距離10.2km・平均勾配7.9%と、破壊力抜群な超級山岳の頂上フィニッシュとなる。

 この日の逃げは、ラルス・ボーム(オランダ、ロットNL・ユンボ)、ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ)、アントワーヌ・デュシェーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、ニック・ファンデルレイケ(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ)の4人。総合で1分16秒遅れのボームが含まれていたが、最大で8分程度の差が開いた。総合1位のマイケル・マシューズ(オーストラリア)と、同2位のデュムランを擁するチーム サンウェブがメイン集団の牽引を担うなか、レースは進んでいった。

 逃げ集団が1級山岳コル・デ・モスの上りに入ると、早々にボームが遅れてしまうものの、残る3人はリードを保ちながら山頂へ。先頭通過は山岳ポイントランキング2位のファンデルレイケ。メイン集団では、今大会の優勝候補でもあり、ツール・ド・フランスに出場予定のヨン・イサギレ(スペイン)で勝負をかけたいバーレーン・メリダが集団のペースを上げていた。

激しいメイン集団の攻防 有力選手も次々に脱落

 ダウンヒルをこなし、3分45秒のリードを保って逃げ集団はヴィラール・シュル・オロンの上りへと差し掛かった。すぐにデュシェーヌが遅れてしまい、逃げは2人となった。すると、ワーバスがアタックを仕掛け、残ったファンデルレイケも置き去りにした。

 メイン集団ではエフデジが牽引を開始。リーダージャージを着るマシューズ、総合3位のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)らスプリンター陣はここで脱落し、間もなくベストスイス人ライダージャージのミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)も遅れだした。集団内で最初に攻撃を仕掛けたのは、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ)。だがすかさずチェックが入る。

エフデジが集団を牽引。フランスチャンピオンジャージを着るアルテュール・ヴィショが先頭に立つ Photo: Yuzuru SUNADA

 すると今度は、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)が集団の先頭でペースアップ。ジロの難関ステージでも勝利しているヴァンガーデレンの引きは強烈で、有力選手が続々と遅れだす。その中には、ジロ総合優勝のデュムランの姿もあった。

 メイン集団の人数が絞り込まれたところで、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェーデュゼール ラモンディアール)がアタック。フランク、クライスヴァイク、カルーゾ、そして2015年大会総合優勝のシモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)、今年のカタルーニャ一周レースで新人賞を獲得したマルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)だけが反応し、精鋭グループが形成された。ヨン・イサギレ、ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)はついて行くことができなかった。

 先頭をひた走るワーバスは、上り始めた時点で4分近くあったリードもじわじわ削られていたが、残り2kmで50秒程度のタイム差を残していた。後方からフランクが迫るなか、ハイケイデンスを維持したまま、単独で残り1kmのアーチを通過。背後を振り返ることなく、フィニッシュ地点めがけてひたすら踏み続けたワーバスが、そのままリードを守ってフィニッシュ。見事な逃げ切り勝利を収めた。

 追走の精鋭グループからは、フランクがアタックして抜け出していたが、残り1kmを切ったところで失速して吸収。ソレルが脱落し、残った5人によるステージ2位争いが繰り広げられた。残り200mでスピラクが最終加速を開始。カルーゾ、クライスヴァイクと順に反応したが、攻撃し続けていたポッツォヴィーヴォとフランクは消耗のためか反応できなかった。フィニッシュ前でスピラクをかわしたカルーゾがステージ2位、次いでクライスヴァイクが3位に入り、ボーナスタイムを獲得した。

ゴールデン・エイジの一員 うれしい初勝利

 ツール・ド・スイスという大舞台でプロ初勝利を飾ったワーバスは、1990年生まれの26歳で、サガン、マシューズ、デュムランらと同じ黄金世代の一員。昨シーズンまで2年間、スイスのワールドチームであるIAMサイクリングに所属していた。チームが解散となり、今シーズンからアイルランドのプロコンチネンタルチームとして、新しく創設されたアクアブルースポーツに移籍した苦労人でもある。この日の勝利はチームとしてもシーズン1勝目。ワーバスは新チームに待望の初勝利をもたらした。

総合首位に立ったダミアーノ・カルーゾ Photo: Yuzuru SUNADA

 総合成績ではステージ2位のカルーゾが首位に浮上。15秒差でクライスヴァイク、24秒差でポッツォヴィーヴォと続く。フランクは、最後失速したものの総合6位までジャンプアップし、ベストスイス人ライダージャージを獲得している。

 山岳賞ジャージは、ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポーツ)がキープ。1ポイント差でファンデルレイケが追っている。ポイント賞は変わらずマシューズがキープしたが、同ポイントでカルーゾが並んでいる。

第4ステージ結果
1 ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ) 3時間48分55秒
2 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +40秒
3 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)
4 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェーデュゼール ラモンディアール) +44秒
6 マティアス・フランク(スイス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +47秒
7 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +59秒
8 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +1分07秒
9 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +1分20秒
10 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ) +1分34秒

個人総合
1 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)12時間08分35秒
2 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +15秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェーデュゼール ラモンディアール) +24秒
4 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)
5 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +31秒
6 マティアス・フランク(スイス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +33秒
7 ミケル・ニエベ(スペイン、チーム スカイ) +1分09秒
8 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ) +1分10秒
9 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ) +1分20秒
10 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +1分25秒

ポイント賞
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 14 pts
2 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) 14 pts
3 ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ) 13 pts

山岳賞
1 ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポーツ) 33 pts
2 ニック・ファンデルレイケ(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ) 32 pts
3 ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポーツ) 26 pts

チーム総合
1 アージェーデュゼール ラモンディアール 36時間28分42秒
2 モビスター チーム +6分08秒
3 バーレーン・メリダ +9分55秒

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