ツール・ド・スイス2017 第2ステージ混戦のスプリントを制したジルベールが勝利 スイス人のキュングが総合首位に

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・スイスは6月11日、第2ステージがシャムの周回コースを4周する172.7kmで争われ、フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ)が混戦を制してステージ優勝を飾った。総合首位のローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が大規模な集団落車の影響で遅れ、代わってシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)が総合1位に浮上した。

ツール・ド・スイス第2ステージをベルギーチャンピオンのフィリップ・ジルベールが制した Photo: www.tds.ch

大規模な落車が発生

 前日に引き続き、ツーク湖畔の街・シャムでレースは行われた。シャムの西部を大きく時計回りに進む1周43kmの周回コースを4周する。途中、4回通過する2級山岳ホルベンは、登坂距離2km・平均勾配9%となっており、決して難易度は低くないコースだ。

 この日の逃げは5人。ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク)とコノール・ドゥーン(アイルランド、ともにアクアブルースポーツ)、ニコラス・ドゥーガル(南アフリカ、ディメンションデータ)、アントワーヌ・デュシェーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、ニック・ファンデルレイス(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ)が最大4分ほどのリードを築いた。

周回コースを駆ける大集団 Photo: www.tds.ch

 集団コントロールを担うのは、前日の個人タイムトライアルで圧倒的な走りを見せ、リーダージャージを抱えるBMCレーシングチームだ。赤いジャージが先頭を固めるなか、レースは最終周回に入った。

 残り31km地点、最後のホルベンの上りを前に、逃げ集団からドゥーンが脱落した。最も攻撃を仕掛けやすいポイントである2級山岳に向けて、集団は一気に逃げを吸収しようとスピードを上げた。

 間もなくホルベンの上りが始まろうとする地点で、逃げ集団を吸収した。ところが、逃げていた選手をかわすために道路の端を開けたところ、行き場を失った選手同士が接触。大規模な落車が発生してしまった。2車線はあろうかという道路を塞いでしまうほど、多くの選手が足止めを余儀なくされ、その中にはリーダージャージを着るデニスも含まれていた。この日最大の勝負どころに向けてペースが上がっていた状況での出来事で、不運としか言いようがない。

主導権を失ったスプリンターチーム

 BMCレーシングに代わって、マイケル・マシューズ(オーストラリア)でスプリント勝負に持ち込みたいチーム サンウェブが集団の先頭で引き始めた。他にもペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)とスプリンターが残る集団内から、逃げ切り勝利を狙ってヤン・バークランツ(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール)がアタックを仕掛けた。ここにダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)とルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チーム エミレーツ)が合流し、3人はホルベンの山頂を通過。ダウンヒルを飛ばしてプロトンから30秒程度のリードを築いて逃げていく。

 しかしサガンで勝負に持ち込みたいボーラ・ハンスグローエがアシスト総動員で逃げを追い始めると、徐々にタイム差は縮小。フィニッシュまであと5kmのところで、3人は吸収となった。と同時に、ベストスイス人ライダージャージを着用するキュングとベルギーチャンピオンジャージを身にまとうジルベールがカウンターアタックを仕掛けた。この動きもスプリンターチームがペースアップして即座に吸収した。

 だが集団内のアタックは止まず、リオ五輪ロード金メダリストのグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)らが次々と攻撃を仕掛け、集団は不安定なまま進行。スプリンターチームがなかなかレースの主導権を握ることができない。

 フィニッシュまで残り1km付近で、マクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ)がキレのある飛び出しを見せ、ここにジルベール、バークランツ、アントニー・ルー(フランス、エフデジ)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ)らが合流。お見合いする集団から8人が数秒先行した。

スプリンターチームが主導権を失い混戦になったゴールスプリント Photo: www.tds.ch

 しばらくして集団も8人に追いつくが、開いた差をつなげるのが精一杯。混戦状態のまま先頭が残り200mを切ったところで、バークランツがスプリントを開始した。対して、逆サイドからジルベールが猛加速。ジルベールをマークしていたルーと、後方から勢い良く伸びてきたパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック)を抑えて、ジルベールが最初にフィニッシュラインに到達した。混戦を見極め、完璧なタイミングでのスプリント。ベテランのジルベールらしい走りで勝利をあげた。

 サガンは集団内に埋もれてしまったため、前方を塞がれた格好になりステージ8位だった。同じくマシューズは10位、デゲンコルプは13位と、スプリンターチームがうまく機能できない結果となった。

 落車の影響で遅れたデニスは結局集団復帰することができず、9分53秒遅れでフィニッシュした。先頭と同タイムでフィニッシュした総合2位のキュングが首位に浮上。BMCレーシングとしては、チーム内でリーダージャージをバトンタッチする結果となった。ポイント賞はドゥーガル、山岳賞はハンセンと、共に逃げに乗った選手が獲得している。

総合首位に浮上したシュテファン・キュング Photo: www.tds.ch

第2ステージ結果
1 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 4時間22分36秒
2 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック) +0秒
3 アントニー・ルー(フランス、エフデジ)
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット)
5 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ)
6 マークス・ブルグハート(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
7 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
9 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チーム エミレーツ)
10 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)

個人総合
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 4時間29分08秒
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +1秒
3 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1秒
4 ラルス・ボーム(オランダ、ロットNL・ユンボ) +4秒
5 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +8秒
6 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +10秒
7 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・スコット) +11秒
8 ユーゴ・ウル(カナダ、アージェーデュゼール ラモンディアール) +12秒
9 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、キャノンデール・ドラパック) +13秒
10 マッテーオ・トレンティン(イタリア、クイックステップフロアーズ) +14秒

ポイント賞
1 ニコラス・ドゥーガル(南アフリカ、ディメンションデータ) 12 pts
2 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) 10 pts
3 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 10 pts

山岳賞
1 ラッセノーマン・ハンセン(デンマーク、アクアブルースポーツ) 24 pts
2 ニック・ファンデルレイス(オランダ、ロームポット・ネーデルランセ ローテライ) 18 pts
3 アントワーヌ・デュシェーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) 9 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 13時間27分22秒
2 チーム サンウェブ +18秒
3 ボーラ・ハンスグローエ +26秒

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