クリテリウム・デュ・ドーフィネ2017 第6ステージ超級山岳の難関ステージはフルサングが勝利 ステージ2位のポートがマイヨジョーヌ奪取

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 クリテリウム・デュ・ドーフィネは6月9日、第6ステージがヴィラール・レ・ドンブからラモット・セルヴォレックスまでの147.5kmで争われ、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)が小集団スプリントを制した。ステージ2位に入ったリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)がマイヨジョーヌを獲得し、同3位のクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が総合2位に浮上した。

超級山岳ステージでの小集団スプリントを制したヤクブ・フルサング(右) Photo: Yuzuru SUNADA

いよいよ山岳ステージに突入

 スプリンターたちが活躍できたのも第5ステージまで。第6ステージは超級山岳モン・デュ・シャが登場する。登坂距離は8.7km、平均勾配は10.3%というフランスで最も難しい上りとの呼び声も高い、破壊力抜群の峠を含む難関ステージとなった。

 この峠は今年のツール・ド・フランス第9ステージでも登場する。モン・デュ・シャを上って下ってフィニッシュするレイアウトも一緒だが、ツールの方が下ったあとに10kmほど多く平坦路を走ることになる。まさにツール・ド・フランス前哨戦の名にふさわしい、総合勢による本格的な山岳バトルが勃発した。

元チームメートのロマン・シカールと並んで走る新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 この日の逃げはオリヴェル・ナーゼン(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール)、アントニー・テュルジス(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、アルベルト・ベッティオール(イタリア、キャノンデール・ドラパック)、セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ)、ティエーリー・ユポン(フランス、デルコ・マルセイユ プロヴァンス・カエテム)の6人。追い風の助けも借りて、集団とのタイム差は最大で8分程度まで開いた。

 勝負どころのモン・デュ・シャに向けて、BMCレーシングとアージェーデュゼールを中心に逃げ集団とのタイム差をコントロー ル。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が落車するハプニングもあったが、大きな怪我はなく、上りが始まる前に集団復帰を果たした。逃げグループとの差を3分に詰めたところで、超級山岳の上りが始まった。

 上りに入ると山岳賞ジャージを着用するクーン・ボウマン(オランダ、ロットNL・ユンボ)が遅れてしまった。総合勢で最初に動いたのはモビスターだった。アシストを1人先行させてから、バルベルデがアタック。この動きには誰も反応せず、バルベルデはアシストのサポートを受けながら、二段階加速して集団を突き放しにかかった。

 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)が先頭で牽引するメイン集団からは、エスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)、ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム)、ラファエル・バルス(スペイン、ロット・ソウダル)が飛び出し、バルベルデに追いついて4人の小集団となった。しかし4人になったことで逆にペースが緩んでしまい、メイン集団に追いつかれてしまった。

 するとカウンターでフルサング、バルス、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出した。さらに、ルイス・マインティーズ(南アフリカ、UAE・チームエミレーツ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)、ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ)がブリッジをかけ、集団はバラバラとなった。

 ポート、フルーム、バルベルデ、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)らが残るメイン集団からは、アルが勢い良く飛び出していった。フルサング、バルデらのグループに合流し、計8人の精鋭集団がメイン集団からリードを築く展開となった。

 たまらず、総合2位につけるポートがペースアップを図り、前との差を詰めにかかると、バルベルデが再びアタックを仕掛けた。ポートはしっかり反応できたが、フルームとコンタドールとの差が開いた。前から降りてきたクウィアトコウスキーの助けを借りながら、フルームとコンタドールは、バルベルデとポートに追いついた。

 そして、今度はフルームが猛加速してアタックを仕掛けた。ポートがフルームのチェックに入ったが、バルベルデとコンタドールは完全に遅れてしまった。

 一方で先行していた精鋭集団ではアルとフルサングの2人が抜け出していた。山頂まで残り2kmほどの地点で、逃げ集団から粘っていた先頭のナーゼンを捉えた。アスタナの2人を追って、先ほどバルベルデたちを千切ったフルームとポートが追いかけていく。

 フルサングがアルのペースについていけなくなると、アルは頂上までの残り1.5kmを単独で目指していく。この日、誰よりも快調なクライミングを見せたアルが超級山岳モン・デュ・シャで先頭通過を果たす。12秒遅れでポート、フルーム、フルサングの3人が、次いでマーティンが単独で5番手通過し、アルから1分3秒差でバルベルデ、コンタドール、バルデが通過し、フィニッシュ地点に向かうダウンヒルへと突入した。

 道幅が狭く、細かいコーナーが多いテクニカルなダウンヒルでは、フルームのスピードが際立っていた。残り10km地点で先頭のアルを捉えると、そのままフルームが先行。ダウンヒルが得意なフルサングがフルームを追走し、アルとポートはフルサングに食らいついていた。そのため、フルームと決定的な差が開くことはなかった。

 下りきると、4人はひとかたまりとなった。残り1kmのフラムルージュが見えたところで、最初に仕掛けたのはフルサングだった。ステージ優勝に意欲を持つフルームが追走し、残り500mで再び4人が横一線に並んだ。残り200mを切ったところで、フルームが最初にスプリントを開始。壁際でフルームとポートが競り合うなか、中央でまっすぐフィニッシュラインに向かったフルサングが、数cmの差でポートを下してステージ優勝をあげた。

 フルサングは2013年にアスタナに移籍して以来、初めての勝利となった。昨年のリオ五輪男子エリートロードで銀メダルを獲得した実力者であり、ツールでは総合エースとして走る予定だ。春先から不幸な出来事が続いていたチームにとっても嬉しい勝利となった。

ステージ優勝を飾ったヤクブ・フルサング Photo: Yuzuru SUNADA

 また、バルベルデグループは、ダウンヒルでフルームたちとの差をつめることはできず、50秒遅れでフィニッシュ。ダウンヒルでタイムロスしたコンタドールは1分6秒の遅れを喫してしまった。

総合首位に浮上したリッチー・ポート Photo: Yuzuru SUNADA

 総合首位につけていたトマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)は8分36秒遅れのステージ47位となり、マイヨジョーヌはステージ2位のポートへと移った。また、新人賞ジャージは3分22秒遅れのステージ22位だったサム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)の手から、1分14秒遅れのステージ10位に入ったブッフマンへと渡った。山岳賞ジャージはボウマン、ポイント賞ジャージはアルノー・デマール(フランス、エフデジ)が引き続き着用する。

 また、日本の新城幸也(バーレーン・メリダ)は14分55秒遅れのステージ94位、別府史之(トレック・セガフレード)は20分55秒遅れのステージ139位でフィニッシュした。

第6ステージ結果
1 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 3時間41分48秒
2 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +0秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +0秒
4 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +0秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +50秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +50秒
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +50秒
8 オリヴェル・ナーゼン(ベルギー、アージェーデュゼール ラモンディアール) +1分6秒
9 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +1分6秒
10 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1分14秒
94 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +14分55秒
139 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +20分55秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 20時間52分34秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +39秒
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分15秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分20秒
5 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分24秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード) +1分47秒
7 ダニエル・マーティン(アイルランド、クイックステップフロアーズ) +2分14秒
8 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +2分30秒
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +2分49秒
10 ラファエル・バルス(スペイン、ロット・ソウダル) +3分16秒
100 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +25分43秒
157 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +54分17秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 アルノー・デマール(フランス、エフデジ) 59 pts
2 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ) 47 pts
3 ブライアン・コカール(フランス、ディレクトエネルジー) 36 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クーン・ボウマン(オランダ、ロットNL・ユンボ) 24 pts
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 19 pts
3 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム) 15 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 20時間55分4秒
2 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +50秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +56秒

チーム総合
1 アージェーデュゼール ラモンディアール 62時間46分57秒
2 オリカ・スコット +2分8秒
3 モビスター チーム +3分42秒

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