クリテリウム・デュ・ドーフィネ2017 第1ステージ8つの山岳を制したデヘントが圧巻の逃げ切り 独走勝利で総合3賞を独占

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスの南東部の山岳地帯を走る8日間のUCIワールドツアー、「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」が6月4日開幕した。第1ステージは8つの山岳ポイントを越えるコースを、序盤からの逃げグループでトマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)が全ての山岳を1位通過し、最後は独走で逃げ切って優勝。個人総合でも首位に立った。日本から出場の新城幸也(バーレーン・メリダ)は118位、別府史之(トレック・セガフレード)は141位でそれぞれゴールしている。

トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)が8つの山岳を全て制し最後は独走で優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

ツール総合を狙うライダーがこぞって参戦

 7月のツール・ド・フランスの前哨戦として位置づけられるこの大会。参加メンバーもツール総合を狙う選手が多く、昨年ツール総合優勝のクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)をはじめ、アルベルト・コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)、ファビオ・アール(イタリア、アスタナ プロチーム)、エスデバン・チャベス(コロンビア、オリカ・スコット)といったビッグネームが名を連ねる。

ドーフィネ2連覇中のクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 特にツール3連覇を目指すフルームは、過去ツールを総合優勝した2013、2015、2016年の全てでドーフィネも総合優勝しており、4度目のツール制覇に向けての調子を測る上でも注目を集める。

 第1ステージはサンテ=ティエンヌから、ぐるりと大きな周回を描いてサンテ=ティエンヌに至る170.5kmのレース。8つもの山岳ポイントが、カテゴリー2級が1つ、カテゴリー3級が4つ、カテゴリー4級が3つ設けられ、終盤はサンテ=ティエンヌ近郊で1周15km弱の、3級山岳を含む周回コースを3周してゴールする。一つひとつの山岳のカテゴリーは低いものの、初日から厳しい設定のコースだ。

デヘントが山岳ポイントを独占

 レースはスタート直後の3級山岳から抜け出しを図るアタックが頻発。約20人が先行するが、最初の山岳ポイントを過ぎて7人の逃げグループに落ち着いた。

 7人の逃げのメンバーは、デヘント、アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)、アントニオ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)、シルヴィオ・ヘルクロッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、デリオ・フェルナンデス(スペイン、デルコ・マルセイユ プロヴァンス・カエテム)、アンヘル・マドラソ(スペイン、デルコ・マルセイユ プロヴァンス・カエテム)。前半の50km過ぎにはメイン集団と約6分半のタイム差をつけた。

 逃げの中ではツール、ジロ・デ・イタリア、パリ〜ニースなどで逃げ切り勝ちの経験があるデヘントがグループをリード。絶妙のペースメイクをしながら、途中の山岳ポイントは全て自ら先頭で通過。初日の山岳賞ジャージ獲得を決定的にした。

7人の逃げグループ Photo: Yuzuru SUNADA

終盤もデヘントが圧倒

 メイン集団は中盤以降、ディメンションデータ勢がコントロール。その差を徐々に縮めつつ、終盤のサンテ=ティエンヌ近郊の周回コースへと入った。残り45kmで3分半の差は射程圏内かとも思われたが、先頭もペースを落とさず、タイム差は思うように縮まらない。

 周回での山岳ポイントでは1周目、やはりデヘントがスプリント。ドモンが唯一追随したものの、デヘントが先頭で通過した。2人は一旦残り5人と合流するが、2周目に入ると山岳中腹でデヘントがペースアップ。再びドモンのみがこれに付き、逃げの先頭は2人に絞られた。メイン集団との差は2分半をキープしたまま最後の周回に入り、デヘントらの逃げ切りが有力となった。

 デヘントは、周回の前半ではドモンとペースを合わせて力を溜めていたが、山岳の中腹を過ぎると三たびのペースアップ。ドモンを一気に突き放して単独先頭に立った。頂上からゴールへの下りも確実にこなし、独走でのドーフィネ初優勝を、完璧なレース運びで飾った。粘ったドモンも集団から逃げ切り2位に入った。

デヘント「山岳賞を狙っていた」

 メイン集団では、最後の山岳頂上手前でピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール)ら3人が抜け出し、わずか2秒ながら集団から先行してゴール。23歳のラトゥールが新人賞ジャージを獲得した。終盤ペースアップしたメイン集団は、50人程度まで人数を減らしてレースを終えた。

総合首位のマイヨジョーヌに袖を通したトマス・デヘント Photo: Yuzuru SUNADA

 ステージ優勝したデヘントは、同時に個人総合、ポイント賞、山岳賞のリーダージャージも獲得。「今日は調子が良かった。コースもとても自分に向いていた。山岳賞ジャージを狙っていたが、イエロージャージを取ってしまったから明日は着れないね。タイムトライアル(第4ステージ)までは総合首位を守りたいと思う」とレース後に語った。

 第2ステージも4つの山岳ポイントが登場する中級山岳ステージ。サン=シャモンからアルラン171kmで争われる。

第1ステージ結果
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 4時間17分4秒
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +44秒
3 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +57秒
4 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +57秒
5 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +57秒
6 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +59秒
7 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +59秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +59秒
9 ベン・スウィフト(イギリス、UAE・チームエミレーツ) +59秒
10 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ プロチーム) +59秒
118 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +8分7秒
141 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +13分8秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 4時間16分54秒
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +48秒
3 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +1分3秒
4 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) +1分7秒
5 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1分7秒
6 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分9秒
7 ジュリアン・シモン(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +1分9秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分9秒
9 ベン・スウィフト(イギリス、UAE・チームエミレーツ) +1分9秒
10 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分9秒
118 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +8分17秒
141 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +13分18秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 25 pts
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) 22 pts
3 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 20 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル) 16 pts
2 アクセル・ドモン(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) 4 pts
3 アンヘル・マドラソ(スペイン、デルコ・マルセイユ プロヴァンス・カエテム) 3 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェーデュゼール ラモンディアール) 4時間18分1秒
2 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ プロチーム) +2秒

チーム総合
1 ロット・ソウダル 12時間53分10秒
2 アージェーデュゼール ラモンディアール +42秒
3 UAE・チームエミレーツ +57秒

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