ツール・ド・熊野2017 第2ステージ本格山岳ステージをトマ・ルバが制覇 リーダージャージはトリビオへ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 国際自転車競技連合(UCI)アジアツアー2.2クラスのステージレース、ツール・ド・熊野は6月3日、第2ステージが行われ、トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)が優勝。序盤から逃げ、3つの山岳をそのままトップで走り続けた。また、ともに逃げたホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が総合首位に浮上し、リーダージャージに袖を通している。

ツール・ド・熊野第2ステージはトマ・ルバ(左)が優勝。2位のホセビセンテ・トリビオは総合首位に立った Photo: Syunsuke FUKUMITSU

総合上位を含む10人がリード

 このステージは、三重県熊野市、紀和町、御浜町の三市町にまたがるルート。熊野倶楽部前をスタート・フィニッシュ地点とし、10kmのパレード区間を経て、109.3kmのレース距離で争われた。風光明媚な熊野名物の「千枚田」をレース前半と後半に1回ずつ上り、中盤には最大の山岳ポイントである札立峠を越える、難攻不落のクイーンステージ。加えて、狭く急なダウンヒルも待ち受け、登板力と合わせてバイクテクニックも要求される。

スタート前に4賞ジャージがそろう。入部正太朗(右端)が総合リーダージャージを着て出走した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 リアルスタート直後から逃げ狙いのアタックが次々と起きるが、山岳区間を前に10人がリードを開始。ルバやトリビオに加え、平塚吉光(チームUKYO)、ハミッド・ポルハーシェミー(イラン、タブリーズ シャハルダリチーム)、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、パク・サンホン、キム・クンス(ともに韓国、LXサイクリングチーム)、吉岡直哉(那須ブラーゼン)が逃げグループを形成。快調に飛ばし、スタートから約30kmで迎える1回目の千枚田の頂上へ。この山岳ポイントはパクが獲得した。

 一方のメイン集団は、リーダージャージを着る入部正太朗擁するシマノレーシングがコントロール。しかし、逃げグループとのタイム差は開く一方で、千枚田の頂上では約1分30秒の開き。この間、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)がアタックし、逃げグループへのブリッジを試みたが、これはメイン集団が許さなかった。

棚田が美しい「丸山千枚田」を上るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 2つ目の山岳にあたる札立峠へ、逃げグループでは徐々に力のある選手たちに絞られていく。総合上位をうかがえる位置につける西薗のアシストとして、モニエが積極的に牽引。メイン集団では、ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)がアタック。逃げグループでも頂上が近いタイミングでポルハーシェミーがペースアップし、これにルバとトリビオが反応する形となり、ペースが上がった。そのまま3人が先行する形となり、ポルハーシェミーが山岳ポイントを1位で通過した。

 その後の下りで平塚、モニエ、西薗がトップに再合流。6人で2回目の千枚田を目指す。クロフォードは単独で追い続けたが、有力選手が含まれるメイン集団も勢いを増し、2回目の千枚田に入る段階で吸収された。

 約1分30秒の差で逃げる先頭では、2回目の千枚田の上りに入ってルバのアタックをきっかけにペースアップ。前日のステージで上位フィニッシュし、このステージの結果次第ではリーダージャージ獲得の可能性もあるトリビオも積極的に引っ張る。これらの動きでモニエが脱落。5人で頂上に到達し、ここもポルハーシェミーが1位で山岳ポイントを獲得している。

 追いかけるメイン集団では、総合2連覇を目指すオスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)がアタックし、これをガルシアがチェック。昨年のこのステージで雌雄を決した2人が再び競う形に。他の選手との登坂力の差は歴然で、後続を引き離しつつ、前を選手たちを拾っていこうという構えだ。

逃げグループの6人がコーナーに差し掛かる Photo: Syunsuke FUKUMITSU
追い上げを図るメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

先頭2人の利害が一致

 懸命に逃げる5人に変化が起きたのは、千枚田の上りを越えて迎えたダウンヒル区間。下りを得意とするルバとトリビオのスピードに、西薗とポルハーシェミーが苦戦。特にポルハーシェミーは危うくガードレールに接触しそうなシーンも見られる。平塚も同様に遅れ、トップは2人となる。

 フィニッシュに向けては細かいアップダウンこそあるものの、先頭を行く2人の力をもってすれば難なくクリアできるレイアウト。チームの本拠地である熊野地域での勝利をつかみたいルバと、総合首位に立ちたいトリビオ。両者の利害が一致し、協調体制を敷いて最後の10kmを走る。逃げグループから遅れた選手たちを1人ずつパスし続けるプジョルとガルシアだが、フィニッシュに近づくにつれて互いを意識して牽制状態となる。そうしている間に、追走グループが合流。山本元喜(キナンサイクリングチーム)ら4人が加わるが、先頭とのタイム差に開きがあり、追いつくには厳しい情勢となった。

トップを走り続けた2人が並ぶようにしてフィニッシュへやってくる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そしてトップの2人は最終局面へ。ラスト500mは上り基調だが、両者の走りには力強さがみられる。最後はスプリントをすることなく、ルバが先着。狙い通りのステージ優勝に両腕を広げて喜んだ。ともにフィニッシュしたトリビオもリーダージャージ奪取を決める2位となった。優勝したルバはレース後、「ラスト10kmはトリビオと助け合いながら走っていた。お互いの狙いは理解できていた」とコメントしている。

3位争いはマルコス・ガルシアが確保 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 追いきれなかった後続は38秒差でやってきた。ルバが逃げ続けていた関係で、終盤はプジョルらの動きを抑える役割に徹していたガルシアが集団のトップを確保し、ステージ3位となった。

 この結果、トリビオは総合首位となり、43秒差でプジョル、46秒差でガルシアが続いている。各賞にも変動があり、ポイント賞はトリビオ、山岳賞はポルハーシェミーへ。チーム総合では、ステージトップ10に3人を送り込んだキナンサイクリングチームが首位となっている。

 4日は、最終の第3ステージが和歌山県太地町で行われる。1周10kmの周回コースを10周する100kmで争われ、アップダウンがありながらもハイスピードで展開されるコースだ。ステージ優勝の行方はもとより、トリビオが総合首位を守り抜くか、はたまた逆転を目指して総合上位陣が動きを見せるか、リーダージャージをかけた戦いにも注目が集まる。

個人総合首位に立ち、イエローのリーダージャージに袖を通したホセビセンテ・トリビオ(右から2人目)。マトリックスパワータグ・安原昌弘監督と並んでポディウムに立った Photo: Syunsuke FUKUMITSU

ツール・ド・熊野 第2ステージ(109.3km)結果
1 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 2時間39分46秒
2 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +0秒
3 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +38秒
4 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +38秒
5 西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +38秒
6 早川朋宏(愛三工業レーシングチーム) +38秒

個人総合時間賞
1 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) 5時間14分0秒
2 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +43秒
3 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) +46秒
4 西薗良太(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +48秒
5 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ シャハルダリチーム) +53秒
6 イリヤ・ダビデノク(カザフスタン、タブリーズ シャハルダリチーム) +56秒

ポイント賞
ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) 37pts

山岳賞
ハミッド・ポルハーシェミー(イラン、タブリーズ シャハルダリチーム) 22pts

ヤングライダー賞
田窪賢次(マトリックスパワータグ) 5時間17分32秒

チーム総合
キナンサイクリングチーム 15時間45分19秒

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